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「ジーシガーミ」は民芸品…

この夏は、京都五山の送り火が、久しぶりの完全点火で実施されました。当日は夕方から雷雨になり、「ほんまにできるんかな」と気を揉みましたが、少し遅れながらも無事に五つとも点火されました。多くの京都人がそうであるように、TVの中継でゆっくり観ながら、「おしょらいさん(お精霊さん)」を送り返しました。

送り火が終わって、ツクツクボウシが鳴き始めると、夏休みも終わりの合図です。子供たちは残った宿題の量を見て頭を抱えます。

大人にも宿題はあって(単身赴任先の沖縄に戻る前に、片付けたいことがあって)久しぶりに街中に出ました。そこでふと、民芸店の中を覗くと、上の写真のような風景が目に入ってきました。階段の踊り場に置いてあるのは、どう見てもジーシガーミです。飾りではなく、沖縄の民芸品として販売されていました。この店は、インバウンド向けに、京都だけでなく日本各地の民芸品を取り揃えています。

たしかに、厨子甕(ジーシガーミ)は、民芸品というか、芸術品としての価値があることはわかるのですが、これを購入する海外からの観光客は、その本来の使い方を知っているのかな、ちゃんと敬意を払ってくれるのかな、変なもの入れたりしないかな、と心配になりました。

我々も、海外旅行のお土産として民芸品を買うときには、「きれい」だとか「◯◯らしい模様」とか、そういう基準で選ぶのではなく、それがどういう使い方をされるのか、ちゃんと調べないといけないなあ、と思ったこの夏の出来事です。