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「メロスは激怒した。」という書き出しの衝撃さ/47日目

『走れメロス』

「メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。」

こちらは太宰治の小説『走れメロス』の冒頭の一部分です。

なぜこれをいきなり紹介したかというと、文章の最初の一行は非常に大切だと再認識したからです。

この『走れメロス』の冒頭は、小説を最後まで読んだことない人でも知っているぐらい有名でしょう。

また、圧倒的に続きが読みたくなる引き込まれる文章、そして声に出して読みたくなる文章です。

そんな文才に憧れます。

簡単に1つ紹介してみましたが、有名で素晴らしい冒頭はたくさんあります。

今日はそんな素晴らしい冒頭を、他にもいくつか紹介したいと思います。

『吾輩は猫である』

「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」

こちらは夏目漱石の『吾輩は猫である』の冒頭です。

いきなり猫視点から始まるこの冒頭は、常識では考えられないような始まり方で、まさに天才としか言いようがありません。

そしてその次に続く、「名前はまだ無い」という一文。

猫であり名前がないという、重要であり読者を引きこます内容を、たったの2文で分かりやすく簡潔に説明しています。

この冒頭がなければ、ここまで後世に語り継がれる作品にはなっていなかったかもしれません。

『雪国』

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」

こちらは川端康成の『雪国』の冒頭です。

こちらはあまりに有名でしょう。

この一文だけで、情景がひしひしと浮かび、頭の中でイメージが湧きます。

特に難しい言葉も使わずにこの気持ちのいい文章が書ける川端康成はまさしく、文才に溢れた天才と言えるのではないでしょうか。

最近だと次の冒頭も素晴らしいです。

『推し、燃ゆ』

「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」

こちらは宇佐見りんの『推し、燃ゆ』の冒頭。

こちらの小説は第164回芥川賞を受賞しています。

推しが燃えるという、現代の世の中ではありふれた日常を端的に捉え、さらに続く「ファンを殴ったらしい」という文章で一気に読者を引き込ませています。

冒頭を見ただけで続きが読みたくなる作品であり、これを思いついた時点でもう作者の勝ちでしょう。

自分もこの冒頭で引き込まれ、本屋で購入したのを覚えています。

このように、素晴らしい小説には素晴らしい冒頭があります。

小説に限らずですが、文章にはそれを最後まで読んでもらうために引き込ませる冒頭部分が不可欠です。

これができないと、なかなかいい文章は書けないですし、それが最後まで読まれることすらないでしょう。

自分も今日紹介した方の文才溢れる冒頭を参考にして、これからnoteを書いてみたいと思います。

それではまた明日。

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