見出し画像

【ゲームとか翻訳する日々】ゲームは翻訳だけでは終わらなかったりもしまして(コーヒートーク編2)

そういうわけで、しがない猫がニンゲンの姿で翻訳したノベルゲーム『コーヒートーク』が先日リリースされた。

人海戦術が採られ、分業制が敷かれる大作系のローカライズでは滅多にないけれど、本作くらいの規模のインディーゲームでは、翻訳を担当した者が、実際に日本語が入っている状態でゲームをチェックすることもある。

業界的に「LQA」や「LT」と呼ばれる工程だ。

実際にはテキストのチェックだけでなく、『世界は今日から君のもの』という甘酸っぱい青春映画で門脇麦が演じていた、デバッガー的な役回りも求められる。門脇麦はとてもよい。好きだあ。

くだんの『コーヒートーク』では、例えばこんなバグが見つかった。

色指定のタグが残ってしまっている。なので対象箇所をマークして開発へ報告し、修正してもらう。

こちらはセリフが英語のまま残っているケース。また、画像ではプレイヤーが喋っているが、本来は客であるエルフのフリーデザイナー、ベイリース(彼の“フリーランスあるある”トークはとても身につまされ、他人事とは思えない)のセリフなので、いずれもバグとして報告した。

こうやってゲームをプレイしながらバグを見つけ、同時にテキストも磨き上げていく。LQAとはだいたい、そんな工程だ。

中には「翻訳だけやりたい」という同胞もおられるようだけれど、私はこのLQAという工程がけっこう好きである。

それまでエクセルファイル上のデータにすぎなかった翻訳が、ゲームに実装された瞬間、命を吹き込まれ、確かな意味を持ちはじめるのだ。

そして埋もれていたニュアンスを拾い上げ、足したり引いたりするうちに、言葉の継ぎ目がなくなっていくような感覚が、とても心地よかったりする。

こうした微妙なニュアンスって、特にセリフの場合、パソコンモニター上の文字情報からだけでは、なかなか掴み取れないものなんですよ…(意味深にフェードアウト)

【ゲーム詳細情報】
タイトル:コーヒートーク
ジャンル:コーヒーを通じて心をかよわせるノベルゲーム
対応機種:Switch, PS4, Xbox One, PC
発売日:2020年1月30日(無料体験版あり)
国内版配給:Chorus Worldwide(公式Twitter
海外版配給:Toge Productions (公式Twitter

(本記事はChorus Worldwide様の許可を得て掲載しています)
++++

個性豊かなライター陣によるエッセイやレビューを毎週掲載! “コトバと戯れる読みものウェブ”BadCats Weeklyは以下のリンクからどうぞ!


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

これもう猫めっちゃ喜びます!

猫うれしいです、よろしければフォローも!
18
"コトバと戯れる読みものウェブ"BadCats Weeklyの編集長。ふだんはゲームとかを翻訳している。http://badcatsweekly.com

コメント1件

おっさんコーヒートークやってみたいと思った
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。