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いま、ヘルスケアサービスにこそEBMが必要な理由

バックテックのおだけ(@YuuO7)です。

最近、『EBM』という言葉をよく耳にするようになってきました。

そもそもEBMとはなんなのか、そして今、ヘルスケアサービスにこそEBMが大切になってきている理由について記事を書いていこうと思います!

そもそも『EBM』とは?

少し、カタい話になりますが、はじめにEBMの考え方について簡単にまとめておきます。

EBMとは、Evidence Based Medicineの略であり、日本語では「根拠に基づいた医療」と訳されます。EBMを実践する上で、「最新・最良の根拠」、「臨床家の専門性」、「対象者の価値観」の3本柱を考え合わせた上で、医療サービスを提供することがカギとなります。

EBMと聞くと、根拠となる研究論文のみを元に医療を提供することをイメージする場合がありますが、実際には、臨床家の経験とエビデンスを兼ね合わせて提供する医療を選択します。

そして、何より重要なことが、対象者の状況・価値観と統合して意思決定を行うプロセスです。EBMの実践は、以下のプロセスで行われます。

このEBMは研究や臨床では、当たり前のようにその必要性が訴えられてきましたが、保険外のヘルスケアサービスでは、まだ十分に浸透していないのも事実です。

しかし!私は、ヘルスケアサービスこそEBMに則って実践する必要があると考えます。続いて、その理由について書いて行きます。

いま、ヘルスケアサービスにこそEBMが必要な理由

近年、健康寿命の延伸が重要な課題として浮き彫りになる中で、スマートフォンやApple Watchなどのウェアラブル機器の発展の後押しを受けて、数多くのヘルスケアサービスが誕生しています。ただし、その中にはサービスの医学的な根拠が曖昧なものや、エビデンスの不適切な解釈をしているものがないわけではありません。

そういった、エビデンスを重視しないヘルスケアサービスは以下の理由で将来的に淘汰されていく可能性が非常に高いと考えられます

1. EBMの考え方がないサービスは、次第にユーザーに選択されなくなる
2. ヘルスケアサービスの費用対効果を企業・国に示すことが重要視される

1. EBMの考え方がないサービスは、次第にユーザーに選択されなくなる

現在、数多くのヘルスケアサービスがありますが、ユーザーにとってみれば、それぞれのサービスは「健康になりたい!」「痛みをなんとかしたい!」といった目的に対する、手段の1つにすぎません。そのため、一度「イマイチだな」と思われてしまうと、再びそのサービスが利用されることはないでしょう。

そのため、ユーザーが感動して「また使いたい!」と思うようなサービスを提供する必要があります。

「EBMに則り、ヘルスケアサービスを提供する」ことは「ユーザーの求める結果が最も期待できる方法を、ユーザーの価値観や生活に合わせて吟味・選択する」と言い換えることができます。そのため、長期的な視点で考えた場合、必然的に、医学的な根拠のないサービスと比較して、ユーザーにとっての『結果』が得られる確率は高くなります。

無論、根拠がなくとも、誇大広告や派手なプロモーションで、時流に乗っていっときのユーザーの注目を集めることは可能です。しかし、こうしたサービスは、継続的にユーザーの求める『結果』を提供できる可能性が低いため、花火のようにドカンと派手に咲いたあと、その後は次第にユーザーに選択されなくなり、衰退の一途をたどるでしょう(数々のダイエット法が毎年誕生しては消えていくように)。

そのため、ヘルスケアサービスを継続的に発展させていくためには、EBMに則り「きちんとした根拠に基づき、ユーザーの求める結果が得られる確率を上げること」は最低限必須の条件になります。

2. ヘルスケアサービスの費用対効果を企業・国に示すことが重要視される

1つ目の理由は、EBMを重視しないサービスは「ユーザー」という個人視点で次第に選択されにくくなるという話でしたが、2つ目は、「企業・国」など、組織の視点で考えた時に、根拠に乏しいサービスは選択されにくくなるという話です。

まず、企業にとっての視点から考えてみます。

企業の従業員のヘルスケアを考える上で重要となる「健康経営」という考え方があります。これは、従業員等の健康管理に積極的に予算を割き(健康投資)、戦略的に実践することで、活力や生産性を向上させ、結果として業績・株価の向上といった投資対効果を得ることを目指す考え方です。

企業はあくまで、経営の一貫としてヘルスケアサービスを導入しているので、個人に対する場合よりも、よりシビアに結果を出すことが求められます。そのため、長期的に企業に選択されるサービスとなるためには、EBMに則り、論理的に期待される効果、得られた結果をデータとして示すことが重要になってきます。

また、国の視点から考えても、EBMに則ったヘルスケアサービスであることは非常に重要です。

国としては、ユーザーにとって不利益(健康を害するなど)に働く可能性のあるサービスを市場に流通させるわけにはいきません。そのため、国は厚生労働省や経済産業省を中心に、ヘルスケアサービスの品質評価の仕組みを構築しています。そのため、今後は医学的根拠に乏しいサービスに対する規制が厳しくなり、次第に淘汰されていくでしょう。

参考:「ヘルスケアサービスガイドライン等のあり方」について(経済産業省)

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そのため、EBMのプロセスの1つである「エビデンスの対象者への適応」の際には、ユーザーの体験をどのように設計するのか(UX)といったことなど、普段の臨床でも活用できるスキルを身につけることができます!

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