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環境と人にやさしいスマホってどうやってつくるの?

スマホは元々、環境にも人にもやさしくありません。スマホが環境と社会に悪影響を与えることはよく知られていますよね。紛争地域での鉱物の採掘、怪しい下請け業者、有害物質の排出などを考慮すると、改善自体が非現実的に思えるかもしれません。

しかしながら、これらの問題に立ち向かうスマホ作りに挑戦している人々がいます。2013年にオランダ人のバス・ヴォン・アベルによって立ち上げられたメーカーのFairphoneは、環境と人にやさしいスマホ作りに取り組んでいます。創始者のバスは完璧なスマホの生産までにはまだ限界があることを認める一方、業界では最も環境にいい商品を生産しています。

では、Fairphoneはどのようにしてスマホのライフサイクルが環境に与える影響を軽減しているのでしょうか?

原材料の採掘

一般的にスマホの原材料は3つの段階に分けて抽出されます。まず金、銅、油、亜鉛等の鉱物を集め、その後ヒ素、水銀、鉛等の重金属を抽出します。

原材料の抽出は有害廃棄物の元となるだけでなく、天然資源を枯渇させる元となります。また、鉱山がある紛争地域の代表例、コンゴ民主共和国などでは児童労働が取り締まられておらず、原材料の採掘はこういった地域の武装グループとのつながりを深めることにもなってしまいます。

これらの工程は環境問題と人権問題と強く繋がっており、解決することが非常に難しい問題に膨れ上がってしまいました。しかしながら、よりたくさんのリサイクル素材を使うことで、これらの影響を抑えることが出来ます。

Fairphoneはどう違うの?

従来の生産方法に手を打つべく、Fairphoneは工場との新しい連携法を提案しています。

生産工程
スマホのライフサイクルの中で最も大きく環境を汚染するのは部品の製造と組み立てです。これらの段階で原材料は加工され、メモリーやバッテリーといった部品へと処理されていきます。この後部品は組み立て工場に送られます。

この製造段階で、スマホ一つあたりに起因する二酸化炭素排出量の80%が排出されます。二酸化炭素の排出に限らず電力消費、大気・土壌の汚染、また生産時に発生する危険廃棄物なども環境汚染の原因に含まれます。

このような製造方法をおこなう工場の一部(例えば中国の下請け会社)では労働法違反が指摘されており、劣悪な労働条件や組み立て工場での未成年者の労働について繰り返し検査がおこなわれてきました。

また、電力消費もスマホの生産と切っても切れない関係にあります。さまざまな問題がある一方で、これらの及ぼす社会的・倫理的問題の解消に向けて動くことはできます。特に、工場での労働条件を見直すことがその第一歩となるでしょう。

Fairphoneの場合

オランダ発祥のスタートアップ、Fairphoneは、定期的に検査をおこない法律に沿った労働条件を保証する工場とのみ提携を結んでいます。このような活動を行うことは、国による規制や制限をうながす手助けにもなります。

スマホの使用

原材料の採掘と商品生産に次ぐ、スマホにまつわる汚染要因ナンバー3は、使用です。実際、あなたがスマホで写真を撮ったり、電話をかけたり、クラウドにデータを保存しているとき、スマホは環境を汚染しています。

もちろん、メーカー側でオペレーションシステムをアップデートし、悪影響を与えるシステムを除去することは出来ますが、スマホの使用者として私たちに出来ることもあるます。

Fairphoneの場合

Fairphoneでは、自社スマホFairphone 3のアップデートを五年の間保証しています

スマホの最期

正しく処理されずに捨てられてしまったスマホは環境にとっても、廃スマホなどの有害廃棄物の近くに住む人々とっても、破壊的なものであることは間違いありません。

だからこそスマホの寿命を少しでものばし、使えなくなったものはリサイクルに出し、新品よりもリファービッシュ品を購入することが重要なのです。

Fairphoneの場合

廃スマホ問題を解決すべく、Fairphoneは部品の交換が非常に簡単に出来る商品を提案しています。他社と比べてもダントツで、誰でも技師のサポートなしで部品交換が可能です。バッテリーだけでなく、フォトモジュール、スクリーン、スピーカーなど全ての部品の取り外しが出来るように作られているため、Fairphoneのスマホは故障しても、誰でも安心して修理をすることが可能です。

しかしまだ未解決の小さな欠点もあり、これらの部品はリサイクルの難しい素材で出来ており、まだ適切な解決策を模索中です。

この先100%環境にも人にもやさしいスマホをつくることは…不可能?

環境にいい手法を用い、処分法を前もって考慮したうえでスマホを生産することが企業の義務であるのと同様に、スマホの寿命をのばしたり、いらなくなったものはリサイクルしたり、新品ではなくリファービッシュ品を購入することは、消費者の私たちが担うべき義務です。特にスマホに含まれる貴金属の量は膨大なもので、世界中に存在する金の約7%が廃電子機器に含まれるといわれています。

Fairphoneのような一部の企業の取り組みは素晴らしいものです。しかしながら、スマホ自体がフェアトレードからかけ離れた存在である事実もあります。第一にスマホの生産は限りある天然資源を消耗し、第二にスマホ業界にはサステナブルな生産手法を取り入れない企業が存在しているうえ、第三に、なくてはならない生活の一部となったものの、寿命がきたスマホは有害物質を含む廃電子機器となってしまうからです。

私たち消費者はスマホ市場に変化をもたらす力をもっています。それはもし私たちが、環境と労働法を尊重した製造法を取るスマホを必要とすれば、企業はそれに応えて別の生産方法を見つける他に選択肢がないからです。

生産元が怪しそうな企業からスマホを購入することをやめたり、リファービッシュ品を選択することも私たち消費者に出来ることの第一歩です。Back Marketでは、部品が全て新しくリファービッシュされた商品が新品よりも70%もお得に手に入るうえ、最低12ヶ月六ヶ月間の保証がついてきます。一度、スマホ習慣、見直してみませんか?

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