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クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #117~マギー・テイト『愛の喜びは』(1942)

マルティーニ『愛の喜びは』。

マルティーニは18世紀から19世紀に活躍した今では「忘れられた」作曲家。

ただし、この『愛の喜びは(Praisir d’Amour)』は、古今東西、男女の別なく数多くの歌手に歌われてきた。
特にSP盤時代は…。

今回はイギリス出身ながら、ドビュッシーをはじめとする近現代のフランス・オペラや歌曲に、数多くの名唱を遺しているソプラノ、マギー・テイト(Margaret Tate, 17 April 1888 – 26 May 1976)が1942年1月に録音したSP盤で。

テイトの気品ある歌はもちろん、それにをさらに高みに導くような”ピアノ伴奏の頂点に立つ男”ジェラルド・ムーアのピアノも絶品。

タイトルだけ聴くとハッピーな歌にように思いますが、内容は女性にフラれた男の女々しいボヤキ。

意訳含みでこんな歌詞です。

愛の喜びは一瞬で終わり、
心の痛みは一生続きます。
私はつれないシルヴィのためにすべてを捨てました。
彼女は私を離れ、別の男のもとへ行ってしまいました。
愛の喜びは一瞬で終わり、
心の痛みは一生続きます。
この水がやさしく
牧場をめぐるこの小川に注ぐ限り
私はあなたを愛します、とシルヴィに何度も言ったのに。
水はまだ流れていますが、彼女は変わってしまいました。
愛の喜びは一瞬で終わり、
心の痛みは一生続きます。

この曲が、プレスリーの『好きにならずにいられない』の元ネタだということもあって、結婚披露宴のBGMにしちゃう人がいますが、お気をつけて・・・。


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