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ざまあみろ少子化、と言ってみる

今年2024年上半期の出生数は前年より5.7%下がり35.7万人でした。
聞くところによるとこの数字は2050年ごろに到達すると予想されていた水準で、ざっくり25年ほど時計が先に進んでいることになります。

そして少子化担当大臣はまたいつものボケをかまし、結婚の際に東京から地方へ移住したら60万円あげるという謎政策を提案し、いつもの通り総スカンに遭ってすぐにその提案を引っ込めました。

今どき60万じゃ引越しして家具でも買ったら終わりです。
若い人が地方からどんな思いで上京しどんな努力で生活を成り立たせているか考えたことがないんでしょうね。


私は都内に住んで結婚していて子供がいます。
前にも書きましたが就職氷河期真っただ中だったので、若いときは苦しみながらいろんな工夫をしてようやくある程度ちゃんとした生活ができるようになりました。

だから子供を持つ大変さはよく分かります。
そして恋愛、結婚、子供などのコストの高さもよーく分かっています。
なので少子化という問題に対し「ですよね~」っていう納得感しか持つことができません。


それを国の危機だと言わんばかりにまずいまずいと叫ぶ人がいます。
というか実際に危機的状況ではありますし、それは理解しています。

少子化の対策は若い人向けで私にはほぼ関係ありませんが、選挙や政策等の支持、意見の表明などを通じて、少子化に対して抵抗する社会の側に立つことはできます。
それをするのが善い行いなんでしょう。

でも、私にどうしろと?という気持ちの方が圧倒的に強いです。


社会と個人は持ちつ持たれつ


卒業とともに就職先がない、仕事がないという人為的な荒野に放り出され、比喩ではなく本当の意味で奴隷のような契約で働かされ、多くの力の弱い同世代の人が倒れていくのを見ました。

引きこもり、鬱、その他精神的な症状、仕事できないほどの病気、過労死、または、逮捕、失踪、薬物やアルコール等への逃避などが周囲によくありました。
理不尽な仕事ばかりだったので当然です。

私はたまたま体力が多少あり、重い病気をせずに済み、親が学費等を出してくれ、転職に際しての運もありました。
同じ世代の人が努力していたのを知っているので、自分の努力と才能で切り抜けてきたわけではなく、運の要素がとても大きかったと理解しています。


ただ、親や家族、自分に関わってくれた人以外の大人が自分に何かしてくれたのか?世間が就職氷河期世代の苦しさに何か手助けしてくれたのか?
と思い返してもほとんど何も思い浮かびません。

ただひたすら放置でした。

私は、いまだに同世代の人が20年前とほぼ同じ苦労をし続けているのを見ることがあり、本当にいたたまれない気持ちになります。
親や周囲にも助けられず、偶然や運もなく、もしかしたら健康などの問題もあったのかもしれませんが、あまりにも不幸です。


そろそろ結論を出していい時期


誰がどう見ても就職氷河期の若者が経済的に苦しみすぎて恋愛、結婚、子供まで行きつかなかったのが現在の少子化の大きな原因です。

でなければ、年間200万人近くもいた団塊ジュニアがなぜ子供を100万人またはそれ以下しか持たなかったかの説明がつきません。

偉い人がそろそろいい加減それを完全に認め、「バブル崩壊後の政策は間違っていた、大人の雇用を守るために若者の職を奪ったのは間違いだった、そのために就職できず正社員になれなかった若者が子供を持てなかったのは当然だ」と明言し、そこから少子化対策でも何でも始めてほしいだけです。

そういった原因究明やけじめのようなものもなくただ右往左往しているだけの今の状況に対し私は、心の底から「ざまあみろ」と言いたい。

私は良き市民でありたいのでこんなことはここでしか言いません。

でもそれくらいのわがままは許してほしい、そう思います。




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