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「県境の謎」を読んで

「県境の謎」、いやぁ面白かったー。
奥さんに言ったら、「ぜんぜん興味ない・・・」とのこと😥
ひとそれぞれですが、「へぇ~」と思ったことを書き残しておこう。

「へぇ~」と思ったこと

奈良県が地図から消えた
古代律令国家が生まれた「奈良」が、1871年隣の堺県に吸収され1887年に独立した。実家のある奈良。16年も奈良県は存在しなかった。

四国には愛媛と高知しかない時代があった
1876年から1880年まで愛媛と高知しかなく、母のふるさと香川県は1888年
日本で最後に誕生した県だった。

石川県は人口日本一の大県だった
1880年当時、富山・福井も管轄し人口183万人で東京や大阪よりも人口が多かった。石川は南北をもぎとられ、福井誕生も滋賀の猛反発があった。

北海道にもあった「青森県津軽郡」
1871年館藩(旧松前藩)は、戊辰戦争で荒廃し単独で県を維持するのが困難となり弘前県に統合された。1年だけ、北海道にも青森県が存在した。

実は徳島だった淡路島
神戸に住んでいるころよく行った淡路。「稲田騒動」が原因で兵庫に編入され、元々は徳島だった。「怨念が歴史を作ること」、改めて思い知った。

瀬戸内海の小島になぜ県境がある?
日本全国島内に県境があるのは7つ。うち6つは瀬戸内海。「漁業権」の争いらしい。「大槌島」は、島の北半分が岡山。南半分が香川。

・利根川の北になぜ千葉県がある?
茨城と千葉の県境は「利根川」だが、南北に千葉があったり茨城があったりする。(利根川氾濫の歴史)

日本にこんなに「飛び地」があるなんて
飛び地とは、自治体の一部が別の自治体のなかに「離れ小島」のように存在する陸地のこと。(海上や湖上に浮かんでいる島は飛び地と言わない)
幕藩体制の名残りは、至るところにまだある。
水道代を払う自治体と固定資産税を払う自治体が別というエリアもある。
和歌山県「北山村」は、和歌山県から飛び出して存在している。

県境未定地の謎
全国47都道府県のうち、23都県に県境未定地がある。
未定地の面積は岩手県の面積に匹敵し日本の総面積約4パーセントもある。
青森と秋田の県境にある「十和田湖」も湖面に境界線はない。
日本のシンボル「富士山」も山頂から東斜面5キロのあいだが県境未定地。
現在の自宅は新浦安。近所の葛西臨海公園とディズニーランドがある舞浜のあいだも県境未定地らしい。
各都道府県の面積合計値と日本の総面積の数値が一致しないのは、こういう事情。

そのほかにも「へぇ~」と思ったことが、たくさんありました。

そもそも県境に興味をもったキッカケは、娘のお婿さんが「茨城」で、千葉との県境に自宅があったこと。
「なぜ千葉と茨城の県境は、こんなカタチになったのか?」という疑問からでした。
利根川氾濫の歴史が大きく関与し、修復工事の費用負担を巡って地元で対立を繰り返し「折衷案」で、現在のカタチにおさまったらしい。

歴史の遺物が、まだまだ日本には多くあることを学びました。
まさか、日本に多くの県境未定地があるとは・・・
確かに昔は、各藩の領地が大名の功績で与えられていたことを思えば、なんとなく想像はつく。簡単に定規で線を引くようにはいきませんね。
きっと行政の方々も、未定地解消に向けて日々尽力しているのだと思いますが「白黒つけない曖昧さ」も案外、日本らしいのではないでしょうか。
世界各地で起きている紛争も、多くは「土地の奪い合い」。
もめごとは苦手です。平和を願うばかりです。

「県境の歴史」を知り、尽力されてきた多くの名もなき人々を偲びます。

                                                                                                    2024.8.18




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