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吉田一将大全2020

お世話になっております。

今回は、吉田一将投手に絞っての総括記事を書きましたので、吉田一将投手に興味がない方でも「こんな選手なんだ!」と興味を持っていただけると1ファンとして嬉しく思います。

吉田一将投手の簡単な紹介

オリックス・バファローズ 背番号14

奈良県出身 1989年9月24日生まれ 身長191cm 体重95Kg 右投左打

青森山田高校、日本大学、JR東日本を経て2013年ドラフト1位(同期入団には若月や東明、大山)。当時の評価は「社会人No1投手」

長身から繰り出す力強いストレートと決め球のフォークを軸に投球を組み立てる。フォークは増井浩俊(オリックス)や平野佳寿(マリナーズ)に匹敵する武器であり、2016年には被打率.127を記録した。一方で、フォークを絶対的な決め球として確立しているがフライボールピッチャーであり、奪三振率は前述した二選手と比べて低く、9.00を超えたことはない。

2016年以降に本格的にリリーフでの起用が増加。セットアッパーを任せられたシーズンもあり、2017年には4連投を2度こなすなど、タフネスさも自慢先発としても時折起用され、とくに二軍調整時は先発起用が増加する。対応力の高さ故か、先発調整をした中で中継ぎとしてシーズンに臨むと好成績を残すことが多く、本人の口から語られている。7年間のキャリアで2度の50登板を記録しており、若手が多いブルペン陣の中で豊富な実績を誇る。

登場曲は入団年から一貫してLinkin ParkとJay-Zの「Numb/Encore」

チーム内に吉田姓が多いことからファンからの愛称は「キリン」

2020シーズンを振り返る!

キリンスラッガー

※WARの計算で用いるRPWは、オリックスの得点力を考慮し15と仮定して算出

2020シーズンはオフシーズンに手術などの情報が出ていないにも関わらずキャンプでリハビリ組のような枠組みからのスタートであったため、ファンから不安の声もあったが、開幕が延期されたこともあり練習試合にて一軍に合流。2年連続の開幕一軍を掴んだ。

しかし、例年と比較すると大きく球速が低下しており今シーズンの最高球速は147キロで、なおかつその147キロも福岡で1度記録したのみで多くは145.6キロが最速であった。

防御率やWHIPなどリリーフ転向後ワーストの成績もあったが、奪三振率に関してはキャリアハイの8.66を記録。昨シーズン途中から使い始めたカットボール気味のスライダーもこの結果に大きく貢献した。

また、ブルペンデーの先発として2度起用されたことや、イニング跨ぎが7回あった影響もあってかカーブの使用率は大きく上昇。

2016年以降初めて勝ちパターン入りがなかったシーズンでもあり、ホールドポイントはわずか1。故障で一か月近く戦列を離れるなど、なかなか納得のいかないシーズンであったであろうが、マルチな起用法でチームを支えた。

全登板を振り返る!

まず初めに、簡単に全登板成績をまとめた表をご覧いただきたい。(赤文字は先発登板)

毎日KZMS

バッテリーを組んだ捕手は若月が最多の12回。次いで松井雅と伏見がそれぞれ5回、頓宮が1回となっている。先発時は松井雅と組むことが多く、伏見が9月以降スタメンマスク機会を大きく増やしたことにより、9月以降は大半が伏見とのバッテリーになっている。

最多投球回は9月10日のライオンズ戦で、2020シーズン初登板だった竹安の後を受け4イニングを投げぬき2016年以来のセーブを記録。

1イニング以内を投げたゲームでの複数失点は2度、どちらもイーグルス相手であった。裏を返せば4球団相手に1イニング投球時は複数失点をしていない!

先ほどスラッガー名鑑風の画像を添付したが、本拠地防御率が非常に悪いのもこのイーグルス相手の複数失点が響いている(どちらも京セラ)

次にすべての対戦とその結果を振り返る。

6月キリン

7月キリン

8月キリン1

8月キリン2

9.11キリン


初登板は開幕戦、打ち込まれた神戸の後を受け3人目でマウンドに上がったが、火のついたイーグルス打線を止められずに4失点。2アウトしか取れず澤田へマウンドを譲る結果に。その後はビハインドやイニング跨ぎを中心に同じく開幕一軍メンバーである海田、比嘉、増井、澤田が抹消された中でも一軍の座を守り続けた。

転機は8月。山岡が離脱した中でローテ入りを果たした鈴木優や榊原が抹消され、再昇格を果たしたK-鈴木もノックアウトされたことにより先発が不足。

監督はブルペンデーの実施を明言し、ロングリリーフの機会が多かった吉田一に1番手として白羽の矢が立った。

一軍公式戦での先発は2017年10月6日のホークス戦以来

チームは自力優勝の消滅が近づいており、危機的状況であった中で3回を無失点と役割をしっかり果たした。中5日で2度目の先発も3回2失点と試合は壊さなかったが、同じくブルペンデーの先発であった平井克典に打線は完璧に封じ込められ敗戦投手に。

また、この敗戦後に西村監督が退任したため、約2年間に及ぶ西村政権最後の先発投手となった。

この登板後に一度登録抹消。開幕から抹消なしのブルペン陣はディクソンと山田の2選手のみに。

再昇格後の9月10日には2016年4月19日以来のセーブを記録するも、9月23日に肩甲帯のコンディション不良で登録抹消。

順位確定後の11月に再昇格するも、一軍復帰登板で3失点し2年連続の防御率4点台フィニッシュとなった。

6月と11月以外は防御率3点台以内に抑えており、「最初と最後の楽天戦がなければ」という内容であった。

※楽天相手の複数失点を除けば防御率は2.41

相性が良かった選手

大田泰示(F)3-0.000 全ての対戦で三振を奪った。

山川穂高(L)3-0.000 1死球 大飛球はあったが無安打に封じる

岡大海(M)3-0.000

栗原陵矢(H)3-0.000

ロメロ(E)4-1.250 古巣相手に5本塁打の男から2奪三振

相性が悪かった選手

中村晃(H)1-1 1.000 2四球1安打

バレンティン(H)2-2 1.000

スパンジェンバーグ(L)3-3 1.000 被OPS3超と大苦戦

外崎修汰(L)4-2.500 4度の対戦で27球を投じるなど、とにかく粘られた。

まとめと筆者の期待

開幕前にはリハビリ組からのスタート、某OB系YouTuberにはトレードすべき選手に名を挙げられ、リリーフ転向後ワーストの防御率と不規則なシーズンで、契約更改の際掲げた目標には及ばなかったが、試合を立て直すという難しい役割をこなしチームを支えた。

増井の先発転向や、海田の契約状況、セットアップとして3年連続50登板を記録した近藤の育成落ちなど、かつては比嘉、馬原、サトタツ、平野を擁し圧倒的な力を誇ったブルペン陣も2019年から依然としてチームのアキレス腱となっている。

吉田一には50登板2度の実績と、絶対的武器であるフォークを駆使して再び勝ちパターンに復権して欲しい!

以上です、最後まで読んでいただきありがとうございました。