物語を読み解くと
先に挙げた「物語」の中だけでも様々な"正義"が含まれています。
まずは「ヨーロッパ解放」を目指す"アメリカ始め連合国側の正義"があります。
これは、ヨーロッパに蔓延(はびこ)る「ファシズム」という個人の権利を奪う"全体主義を覆すため"のものです。
しかし、ドイツ側にも全体主義を受け入れずにはいられなかった"理由"があるのです。
第一世界大戦でドイツは負け、天文学的な賠償金を払わなければなりませんでした。それは、戦勝国の「復讐」を"具体的に表す"ものでした。
ドイツはその賠償金を支払う為、紙幣を印刷しまくり、それが天井知らずの「インフレーション」を引き起こします。
ドイツ国民の生活は困窮し、この打開を図る「強い指導者」を欲したのです。
それが「ヒトラー」でした。
ですからドイツには強い指導力で「国を立て直さねばならない」という"正義"があったのです。
その正義は"いびつに膨張"し、"ドイツの富を奪っている"と吹聴されたために起こった「ユダヤ人の排斥」、"ドイツ民族の統合"のためのチェコスロバキア、オーストリアの「併合」、そしてかつての"戦勝国への仕返し"というべき「戦争」へと繋がっていくのです。
この大きな「2つの正義」が衝突し、第二世界大戦では、5000万から8000万に及ぶ人命が失われました。
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