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医学編集 基本の“基“

医薬業界の宣伝物は、一般的な宣伝物と比べたら、非常に異なる前提があります。まず、根拠ない内容は出版できません。文書も図表もアイコンも、全ての内容は厳密に校正しなければいけないです。なお、多数の国で医者が処方する薬は一般社会に広告することができないのです。台湾も法律的に禁止されています。従って医薬を専門とする編集者はこの業界に入った後、この医薬業界の未知の世界を認識し始めていきます。一年目二年目の編集者とデザイナーたちが迷っていることは当たり前だと思っています。

今回は医薬宣伝物のたたき台の作成法を紹介します。

パンフレットや動画やPowerpointやSNS投稿など、業界全ての宣伝物あるいはPR物を「マテリアル (material)」とよんでいます。企画している時、考えなければいけないことは大きく分けて3つあります。

一番重要なことはキーメッセージ (key message)、あるいは最も伝えたいポイントです。キーメッセージの3大要素は「適応症(てきおうしょう)」、「有効性」、「安全性」です。わかりやすく言うと、合法性と患者のメリットとデメリットの可能性です。台湾ではこの薬が全民健康保険の適用があるかも重要なポイントの一つです。他には、特定の背景を有する患者に適していることや、使いやすさなどを伝えることもあります。

2番目は、このマテリアルを実際に使う「TPO」です。すなわち、これは製薬会社の人たちが医者に製品を紹介するとき使うツールですか、それとも、イベントや講義で使う資料ですか、などのように使うシナリオに合わせたものを作成することです。患者教育へ向けた印刷物かどうか、など、使うタイミングと届けたい対象に基づいて、サイズ・長さ(ページ数)・文書や図の割合などを設定します。もちろん、もしこの宣伝物の公開日時がすでに決定されていたなら、状況に応じて締め切りに間に合わせることが最優先とする場合もあります。作成時間を短縮するため、内容を削ることも解決策の一つです。

3番目は、製品のイメージです。製薬会社は一般的にそれぞれの製品に対して、ブランディングガイドラインを作成します。全世界の支社はこのガイドラインに沿って宣伝物を作成します。ロゴとブランドカラーはマストです。本社からもらったキービジュアル (key visual) を使うことが多いです。元キービジュアルから、現地合わせてもっと相応しいビジュアルを作る場合もあります。例えば、元キービジュアルが旅行を楽しんでいる外国人のお婆さんだとしたら、台湾の宣伝物では、台湾人みたいなお婆さんの写真に変わります。
 
以上三つの項目をすべて満たしてはじめて合格だと認められます。


*このノートは筆者今まで実作した経験を整えたもの、今後調整する可能性があります。

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