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試合を決めたのは両エースの差 ユベントスvsインテルレビュー

新型コロナウィルスの影響で1週間遅れになったが、ユベントスは勝てばラツィオから首位奪還のイタリアデルビー。トリノに帰ってきたマロッタとコンテ相手にデルビー2連勝で励ましたい。

現状カンピオナートを無事終了出来るか分からないが、今季のスクデットを占う重要な一戦

お互いの布陣

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ユベントス」 攻撃:4-3-3 守備:4-4-2                                                   「インテル」 攻撃:3-5-2 守備:5-3-2

ユベントスはサッリがピアニッチ外しを決断し、両IHには休養明けのマトゥイディラムジーの2人。アンカーで起用されたベンタンクールはネガトラ時の守備で活躍を期待したい。

前線にはロナウド、イグアイン、コスタの3枚がスタメン、イグアインは深さとゴール前での活躍、コスタは復帰明けの試合だが、局面を打開する力を求められる。

インテルはゴディンがベンチでバストー二がスタメン起用された。これはロナウドに対して、対人守備では世界クラスのシュクリニアルを右サイドで使うための起用か。

中盤ではセンシの代わりに勝負強いベシーノ、左サイドには冬の市場で加入したヤングがスタメンに定着。同じイングランドから加入したエリクセンはまだフィット出来ていなかった。

陣形の組み合わせ

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前回の対戦ではブロゾビッチに対してベルナルデスキを置いて勝利したユベントスだが、お互い配置的に浮くアンカーへの対策をどう行うか。

ユベントスは配置的に浮くSBから相手のCB-WB間のスペースを狙いたい、インテルは自慢の2トップにいかに上手く縦パスを入れられるかz。

この試合の見どころになったのは、ユベントスの右サイドとインテルの左サイドの攻防。コスタ、クアドラードVSヤングの攻守に渡る1対1がよく行われた。

世界一サイドチェンジが上手いストライカー

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インテルのプレッシングの形は「攻撃的プレッシング

2トップが両CBにプレッシャーに行き、両SBにはWBが飛び出して対応する。盤面上フリーのベンタンクールにはブロゾビッチが飛び出して対応。

インテルのプレッシングは自分のレーンの選手にマンツーマン気味でのプレス、前線からの人を基準とするプレスから、後ろ向きで貰うWGに対して3CBイエロー貰わない程度のファウルで自由を与えない

インテルは両WBとブロゾビッチの飛び出しにより、後手で対応する事になり空いたスペースを上手くユベントスに使われた。

ユベントスのビルドアップ4バック+ベンタンクールでビルドアップを子試みる。この時ビルドアップの出口となるのがSB、配置的にWBが飛び出して対応する形になり、ある程度の時間が与えられる。

SBを起点にしてWBを釣りだしWGへの縦パスからスイッチを入れて、ブロゾビッチがベンタンクールに対して前に出てるので、空いたスペースにイグアインが下がってきてWGからの落としを受ける。

イグアインが下がってきて左右の繋ぎ役となり、実況の言葉を借りると「世界一サイドチェンジが上手いストライカー」と名付けていて、不慣れなプレーながらチームのために奮闘してるピピータの活躍。

イグアインは守備を頑張っている?

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インテルのビルドアップ3バック+アンカー、いかに2トップにいい形の縦パスを入れられるか。インテルはセンシが離脱してたので中盤のクオリティーの部分で苦しんだ。

アンカーと両WBから2トップへの縦パスを狙い、IHがサイドに流れてCB、IH、WBの三枚でサイドから前進を試みる。

ダイレクトなビルドアップではルカクをターゲットにして、ロングボールを蹴って収めようとした。

ユベントスのプレッシングの形は「超攻撃的プレッシング

前線のプレスの枚数は左右によって異なるが、左サイドではロナウドとイグアインの2トップ右サイドではコスタが上がり3トップで数的同数状態でプレスをかけに行く。

この時重要になるのがイグアインである、相手のビルドアップの起点となる3CBの中央のデフライと、アンカーのブロゾビッチの2人を同時にケアするというタスクがある。

イグアインはブロゾビッチに対してカバーシャドウ(背後の選手のパスコースを塞ぐポジショニング)をしながら、デフライに対してプレッシャーに行く。時々ベンタンクールが飛び出してブロゾビッチを見る場面があるが、交代するまでの80分間この役割を遂行した。

両WGは相手のWBのコースを消しながら中央へ誘導した、中盤三枚はボールサイドのIHがWBを見て、空いたボールサイドのIHにベンタンクール、逆のIHに対して逆サイドのIHがスライドして対応。

コンパクトな中盤三枚の連動性によって相手にサイドチェンジを許さず、奪った後すぐに攻撃に転じる事ができた。

イグアインは守備を頑張っている?と書いたが、実際プレスがハマらず不貞腐れて印象を悪くしてるが、レンタル前より守備の貢献は格段に上がっている。イグアインという選手は何かとネタになるが、決して評価までは固定観念に縛られらたいけない(CL決勝で決めたら手首折れる)

愛情と期待を込めた叩きでないと・・・

スペースで受ける者と飛び出す者

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インテルの組織的守備は自陣に5-3-2のブロックを作って、中央を固めてサイドへ誘導しWBとIHのスライドで対応する守備。

2トップはあまりプレスにいかず中央のコースを消すのみ、インテルは奪い所をユベントスのSBかWGに設定していて、そこからカウンター狙いたい。

SBには基本WBが飛び出しCBがWGをマークして、IHがSBにプレスを行く場合はWBがWGを見て、空いたIHに対してCBが飛び出して対応する。

ユベントスのポジショナルな攻撃左右非対称な攻め、中央ではイグアインが深さを作り、ロナウドが左サイドからカットインして2トップ気味に自由に動く。

右サイドではコスタが大外に開きアイソレーション(あえてスペースを明けドリブラーの個人能力を生かす形 )、右SBのクアドラードのインナーラップの動きでHSでプレーを行う。

左サイドではロナウドは大外から中に入って来て、基本的にポジションに縛られず自由を与えられている。左SBのサンドロ大外のレーンでオバーラップの動きで前線に厚みをもたらす。

この章の中心となる両IHの動きは、右IHで起用されたラムジーはブロゾビッチとベシーノの間のスペースで貰う動きをしていて、変則的なトップ下の位置でプレーを行った。

左IHのマトゥイディはハーフスペースへの飛び出しで攻撃に迫力を与えて、先制点の場面でもマトゥイディの飛び出しからラムジーが先制点を決めた。

残り30分からエースディバラが投入され、クアドラードが大外のレーンに移動しディバラが相性がいいラムジーとHSから崩した

インテル版ケディラって誰?

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ユベントスの組織的守備の形はコスタが下がってきて4-4ブロックを形成。

中盤4枚が2トップへの縦パスを消しながら、ブロゾビッチに対しては中央2枚のどちらかが飛び出して対応。相手のIHがCB-SB間の飛び出しには2ボランチがカバーする動き。

中央を固めてサイドへ誘導し、上がってきたWBの裏スペースを徹底的に狙いたいユベントス

インテルのポジショナル攻めは両WBが高い位置を取り、CB、IH、WB3人のユニットでサイドを崩し、2トップとIHの飛び出しから得点を狙う。

アンカーのブロゾビッチは試合を作りながら、遠目からのミドルも打てる好選手、両IHは右のバレッラは縦横無尽に動いてロングボール、ミドルが得意なキックが上手い選手。

左IHのベシーノ第三のFWのような動きで、得意の空中戦と勝負強さを活かして飛び出してくる。インテリスタがベシーノタイムという言葉を使うように、特に試合終盤に印象的なゴールを決めることで呼ばれている。

ユベンティーノ的にはインテル版ケディラみたいなプレースタイルである。

インテル自慢の2トップは前線で深さを作りポスト役となるルカク、その相棒にバイタルエリア近辺で動いて、シャドーストライカーのようなラウタロの2枚。主に2トップへの縦パスを片方がフリックして、もう片方が抜けだすEURO2016のエデル、ペッレのような関係性

しかし逆を言えば2トップさえ封じれば怖くなくなる、アクセントを付けれるセンシは負傷離脱していて、冬の目玉となったエリクセンはまだ起用法が固まっておらず、今回の試合ではルカクに限ってはシュート0本、ラウタロはわずか一本であった。

インテルは後半にエリクセンを投入したが、あまり存在感を与えられず、ガリアルディー二を投入しシュクリニアルをSBに上げて、エリクセンをトップ下に置いた4-3-1-2になったがゴールを最後までこじ開けれなかった。


エピローグ

試合はマトゥイディの飛び出しからラムジーが先制点、代わって入ったディバラがベンタンクールからのロングパスから、左足のみの圧巻のゴラッソで追加点。最期まで試合をコントロールしたユベントスが完封し2-0で勝利。

ベンチから出てきて貴重な追加点を奪ったディバラ、対照的に試合に馴染めず、チャンスすら作り出すことができなかったエリクセンという、采配の差が試合を決定付けた。

月ユベさんとのコラボなので頑張って書きましたが、書く方も読む方も疲れるボリュームになってしまいました。

予定していたイタリア渡航を断念する事になったが、必ず大学生中にはまたイタリアに行ってやります。

コロナウイルスの影響でセリエのAは中断となりましたが、次戦のCLリヨン戦では是が非でも勝ってトリノの人達に元気を与えて欲しい。

無観客試合となったCLリヨン戦のチケットです・・・

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最後まで読んで頂き、ありがとうございます。


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