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100歳のひいおばあちゃんに聞いたんですけど・・・

中間テストも終わり、
授業は新しい単元に入ります。

私は3年生の国際科で
現代文を担当しています。

教科書の最後に載っているのが、
半藤一利さんの文章
15歳の東京大空襲」です。

九死に一生を得た体験を、
感情を抑えながら、
わかりやすく書いてあります。

ここ何年も、
「戦争」に対する生徒たちの感覚が
鈍いと感じていました。

記憶も鮮明な「阪神淡路大震災」も、
「生まれてへんから知らん」
と生徒たちには「昔」の話。
2022年は終戦から77年。
彼らには「大昔」でしょう。

この文章を読むことで、
社会科ではない「太平洋戦争」を
学んでほしいと考えました。

「太平洋戦争」に関わる内容で
各自がテーマをしぼり、
本やインターネットや新聞記事を調べ、
レポートにまとめてもらいます。

彼らが大学生になったときに
困らないためにも、
レポートの書き方も勉強します。

授業中、
「もし、お身内や知り合いの方で、
戦争のお話が聞ける方を知っていたら、
お聴きしてもいいと思います。」
「でも、本当に辛い経験をされた方は、
話したくないのです。
話してくれないかもしれません。
思い出すことで、
もう一度傷つくからです。」
と言いました。

よく考えたら、
生徒たちの祖父母は70代くらい。
戦後派です。
お話を聞ける人は少ないなと思いました。

翌日、Kさんが職員室にきました。
「おばあちゃんに聞いたんですけど、
やっぱり話したくないって・・・」

「おばあちゃん?」
「ひいおばあちゃん。
100歳で、まだ畑してます」

「じゃあ、青春時代まっただなかが
戦争やったんだね」
「はい、そうだと思います。
戦争のことをしっかり学んでから
もう一度、聞いてみるつもりです」

生徒たちに書いてもらった
「初読の感想」には、
半藤一利さんの言葉、
「戦争によって人間は被害者になるが、
同時に傍観者にもなりうるし、
加害者になることもある」

「自分たちの日常生活から
戦争につながるようなことを、
日々駆逐する、
これからの人間のなすべきこと」
を挙げて、
「しっかり理解して、
自分なりのテーマを見つけ調べたい」
と書いてありました。

単元の学びのあとは、
レポートを作成を、各自でします。

タイトル、小見出し、フォント、余白、引用などを意識して、
大学生になったときに困らないように、
ネットで提出してもらいます。

どのようなレポートになるのか、
ものすごく楽しみです。

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