ジアゼパムについて(メンタルステータスイグザミネーションより)

ジアゼパムの先発品はホリゾン、セルシンがあります。

高力価で長時間型に分類されるベンゾジアゼピン系抗不安薬。
抗不安作用、鎮静作用、筋弛緩作用を併せ持つベンゾジアゼピン系抗不安薬で汎用性が高いため広く用いられています。

鎮静作用が強く、睡眠薬としても用いられています。
また、筋弛緩作用も強く全身の筋緊張をほぐすためにリラックスしている感覚を持ちやすく、肩こりも改善されます。
アルコール離脱せん妄の第一選択薬としてよく処方され、病歴にアルコール依存症があったり、生活暦にアルコール多飲がある患者が入院したときにかなりの頻度で処方されます。
眠気も強く筋弛緩作用による身体のリラックス感も強く、このあたりの作用から患者は「効いた」と実感しやすいものの、やはり眠気や筋弛緩さようはふらつきや転倒のリスクも高めるため特に高齢者に処方されたときには注意が必要です。

作用
馴化・鎮静作用、抗不安作用、筋弛緩作用、抗けいれん作用
神経症における不安・緊張・抑うつ
うつ病における不安・緊張
心身症(消化器疾患、循環器疾患、自律神経失調症、更年期障害、腰痛症、頸肩腕症候群)における身体症状、不安・緊張・抑うつ

副作用
精神神経系:眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下、ふらつき、めまい、歩行失調、頭痛、失禁、言語障害、振戦
肝臓:黄疸
血液:顆粒球減少、白血球減少
循環器系:品脈、血圧低下
消化器系:尾振、嘔吐、食欲不振、便秘、口渇
その他:過敏症、倦怠感、脱力感、浮腫
※重大な副作用として大量連用により薬物依存、投与量の急激な減少ないし投与の中断により離脱症状、統合失調症などの精神障害者に投与すると逆に刺激興奮、錯乱がおき、慢性気管支炎などの呼吸器疾患に用いた場合に呼吸抑制が現れることがあります。

禁忌
急性狭隅角緑内障のある患者
重症筋無力症のある患者
リトナビルを投与中の患者


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