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手ぬるい話

「今日はなんかお腹減ってるし元気出ないからお仕事休むか」と言えるくらいに、手が空き始めている。

実際は、今すぐの急ぎではなくても早めに取り掛かりたいお仕事は、それなりにいただいる。

お待たせしてしまったクライアントさんはいるし、今も僕の原稿の上がりを待ってくださっている方もいる。

これは、7月8月が大量締切大感謝祭だったせいかもしれない。

今月は通常月ペースくらいのお仕事量のはずなのに、どこか感覚がおかしくなっている。


最近また、自分のための、売り物ではない小説を、新たにいくつか書き始めた。

R-18作品の長編1つと、全年齢の掌編1つ、短編1つ。

成人向け長編小説は、今皆さんからいただいているお仕事の主力ライン(R-18音声の脚本系)の底力アップに加え、自分のネームバリューに幾ばくかプラスの影響を与えたいという、極めて浅ましい魂胆がある。現状、20%くらいまで進んだところで手が止まっている。

全年齢の掌編は、すでに書き終えた。小説というよりは随筆に近い内容だが、心の中のどうしようもないものを一度文章の形に落とし込めたのは収穫だった。ただ、内容が内容なだけに、どこかに出すかはとても悩ましい。

問題は、全年齢の短編である。難産の予感が既にある。プロットを書いて、潰して、書き出してはまた全部消して……それを延々繰り返している。


以前公募賞に出していた全年齢の短編小説で、小さいながら賞をいただけるというお話をいただいた。別名義だけど。

今までは「何か賞をもらえれば気持ち的に少し楽になるかも」と思っていたが、意外にもそうではなかった。

「無名・無冠の物書きから、小さくもひとつの肩書の付いた物書き」になることで、書くことそのものへのプレッシャーが尋常じゃなくなっている。

特に、受賞作と同じラウンドになる全年齢・短編では下手なものが書けなくなってしまった。

今までは「駄作でも失敗しても、自分のために書くものなら、書きたいように書けばいい」と思えていた。

それが急に「失敗したくない、変なものは読ませられない」と、勝手に身構えている。

……まあ、僕が物を書き続けている限り、何かしらの恥は世間に公開され続ける。

もっと言えば、生きているだけで恥をかき、他人様にネガティブな感情を想起させることも少なくない。

そして僕が生きている限り多分創作活動はやめられないから、恥辱にまみれた有機物の塊になることが容易に想像できる。

だが、余程大物にでもならない限り、死んで100年ちょっともすれば、みんな僕のことなんて知らないヒトばかりになるはずだ。

どれだけ今後僕がやらかして、無様でみじめな人生を送っていこうが、周りが
「アレはバカでゴミだけど、遠くから見てると『あそこまでは終わってねえから、俺はまだ大丈夫か』と思える」
と安心させられるくらいの価値があるとするのなら……。

それはそれで、人間社会の隅っこでだらだらと生き永らえ、小説をシコシコ書き続ける意味があると信じていいのかな、と思っている。

思考がそこまで行きついてようやく、ひとまず「失敗でも駄作でもいいから、まずはプロットくらい起こさなきゃ」と、重たくなりかけた腰を上げられる。

とりあえず今は、短編小説の構想を練り直さなくては。

何回ぶちのめされても、立ち上がらなければ、戦わなければ、先には進めないから。


それはそれとして、今日はなんか空気が『もったりのったり』しているので、昼になんかハイカロリーなモノでも食べて、ゲームしたり昼寝したりしながら、堕落した一日を送ります。

物忌みみたいなもんですね。なんだよ貴族じゃん。

あ~ お仕事ください(暴論)


それではー。


東谷駿吾

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