【詩作品】キスはコーラの味

温かい日差しの下
君と並んで会話をする
青空を見上げたら
鳥が揺れてる

潮風の香りがする
君の手には赤いラベルのコーラ
記憶にある故郷と
変わらぬ風景

季節は流れて大人になった
けれど面影はあの日のまま

流れる時間と流れない記憶
ふたりは今ここにいる
あの日をふと思い出して
ひとり照れて笑う

沈む夕日を眺めていた
君と並んで会話をした
赤く染まる空と海が
きれいだった

潮風の香りがする
君の手には赤いラベルのコーラ
昨日のことのように
思い出される

名前を呼ばれて隣を見たとき
くちびるが重なり
ふたりは夕日に溶けた

流れる時間と流れない記憶
あの日は胸の奥に
今もキラリキラリと輝いて
ひとり照れて笑う

名前を呼ばれて隣を見たとき
くちびるが重なり合って
懐かしいコーラの味

大切な人とまた動き出す針
潮風に押されて
故郷という文字盤の上
次は止まらぬように

ふたりは今ここにいる
まだ見ぬ次の瞬間を想像して
ふたり照れて笑う

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あとがき

あの頃も今も、「君」が好きです。

伝え合いましょう。気持ち。