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くりかえして くりかえす
(「こんなにたのしくて くるしいのに」の続き)
知人に一連の出来事を話したら、彼の中で点と点がつながったような稲妻が発生し、どうやらあの人じゃないか、という話になった。
異国から日本へやってくる人間たちの事情は様々だ。仕事や結婚でやってきて、その子どもは生まれた時から日本にいることもあれば、成長途中でやってくることもある。こうした状況では必ずしも日本語を習得した状態でいる人ばかりではなく、公的
こんなにたのしくて くるしいのに
(「いつもどこかでだれかがいきてる」の続き)
どうして工事現場の音に例えたかというと、工事っていうのは基本的にはいつかは終わる、そういうものだから。いつか止む音。これはいつか止むのだろうと、勝手に考えていた。
数日、数週間経って、我慢ができなくなってきた。昼下がりに突然鳴り響く叫声や、もはや声なのかもわからない金切り声で起こされる朝が続き、限界だった。
ある日、枕元で誰かに囁かれたので、バッ
いつもどこかでだれかがいきてる
3月だったか4月だったか。正確に日取りは忘れたが、隣の家に新たな人間たちがやってきた。隣の家、といっても私が住むアパートの隣の部屋、ということではなくて、家として、棟として隣の区画にやってきた。
私の部屋には光が届かない。叙情的な詩的な意味でもなんでもなく、文字そのままの意味で届かない。人口密集の中に生える雑草のようなアパートなので、隣の区画との隔たりがほとんどなく、窓を開ければそこには壁がある