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遠距離介護は突然に。その9実家の鍵問題

時系列で書いてきたが、その間にちょくちょく起きた問題も、話は前後するが書いておきたい。
実家は、表玄関から来るのは他所の人だけで、家族はみんな裏の台所から出入りするという変な家だった。自転車置き場が家の裏側だったので、私たちは子供の頃から自転車を置いたら、台所側から家を出入りしていた。
しかも、戸締りが緩かった。田舎だという事もあるけど、それを割り引いても緩かった。なので、鍵を開けたり閉めたりという事を殆ど真面目にした事がない。特に、父は一人暮らしになって年取ってからは、自分が何日も家を空ける事も無いので、鍵をして出かける事もなかった。
何年か前に、目の手術で一週間ほど入院する時も私が付き添ったが、鍵をかけようとしないので、鍵をかけるよう促すと、閉めた鍵を横の下駄箱に置こうとして、私に怒られた。
今回の入院時には戸締りをして鍵をかけ、私が鍵を預かり、弟達の分もスペアキーを作り、渡す事にした。

退院した父を連れて帰ったが、台所の出入り口は足元が少し危ないので、今度からタクシーでの通院、ディサービスの送り迎えの際等基本的に表玄関を使用する事を提案した。そして、あまり使用されていない玄関の鍵を確認しようとすると、鍵そのものがどこにあるかわからなかった。
多分、この中にあるんじゃないかと父がいろんな鍵がぶら下がった輪っかを持ってきた。その中から、それらしき鍵を探し出して、試してみたが、なんと、外から鍵が掛からない。

ダメじゃん!

鍵の110番的なお店をネットで探すが、緊急って程でも無いのに駆けつけてもらって高いお金を請求されるのも何だし、父は全く必要性を感じていない様子だし、しばらく保留にする事に。

我が家の玄関は昔よくあった引戸で、内側からはカチッと鍵を下に下ろせばかかる。家の中からはかけられるけど、外側から鍵をかけようとすると、グッと押して2枚目まで一緒にかけないといけない。でも、空回りするのだ。
壊れたと思い込んでいたが、仕組みを理解したので、またトライしてみたら、かかった!でも、今度は開かない。カチャカチャ朝からやっていると、犬の散歩の近所の人が不審そうに覗き込む。必死に、不審者じゃないですよ、この家の娘ですよという感じを醸し出す。
鍵が壊れている訳では無いことは分かったが、こんなに成功率が低くては、おじいさんがディサービスから帰ったら自分家から閉め出されたままという事態になっても困る。

ん、今まで、ディサービスどうしてた?と思い尋ねると、送迎の車が来たら、はーい、今行きます。と裏から靴履いて、鍵はかけたことにして実際はかけず、自ら車に乗り込んでいたらしい。
そうだったのか。
ちょっと前までは、そこまで足がヨロヨロじゃなかったし。

まあ、鍵はちょっと考える事にして、とにかく今後は足元がマシな表玄関から出入りする様に伝え、鍵をなんとかするまでは、そのままでいい事にした。

鍵案件は、来週末来るはずの弟に考えてもらおう。

じーさんベッドで昼寝、私は庭で片付けの最中に宅配弁当屋さんが来たらしく、いつのまにか空の弁当箱が下げられて新しいお弁当に入れ替わっていた。
ベッドにいるおじーさんに、「あれ、お弁当が知らない間に入れ替わってるね。」というと、「ここ、置いときますね〜。って聞こえたよ。」との事。

おー、さすが田舎。
都会では、あんなに宅配の受け取りがどうの、置き配の場所がどうのと騒いでいるのに、玄関開いたまま知らない間に置いていってくれるシステム!

じゃ、ま、いっか。