ソーシャルなネットワーク上のサービス

見出しに「ソーシャルなネットワーク上のサービス」と書きましたが、略せばSNSで普段使い慣れている単語です。

あえてこの見出しで記事を書いたのは、VRChatが極めて「ソーシャル」の要素が強いSNSだなと再確認したからです。補足するのなら「バーチャル空間でのソーシャル」です。

まずは私の話です。私はネットでの付き合いに、リアルより強い帰属意識を持っています。九州の片田舎に住んでいて、田舎ならではの人との繋がりや愛郷心を持った人が多くいる印象がありますが、私自身は、田舎的な人の繋がりや、愛郷心的なものから一線を引いて生活をしています。
仕事も自営業で、仕事柄、顔を知っているひとは多いのですが(電話帳は1000件をゆうに超えています)、自分の気質か、仕事で知り合った人とは割り切った対応をする事が多いです。
ただ、私にも同居する家族は居て、家族の一員という帰属意識はあります。
一方でネットの付き合いとしては(VRChatをのぞけば)、ツイッターで繋がった人とオンライン、オフライン含めた交流がおおく、そこにそれなりの帰属意識を感じます。
また、福岡市を中心とした同人即売会に参加するという帰属意識もあり、同人即売会で知り合った、付き合いが長い親しい友人は何人かいます。
つまり、単純に表せば自分にとっての帰属意識は
地域→薄い
仕事→薄い
家庭→強い
ツイッター→強め
同人即売会→強め
といった感じです。
まとめてしまえば、家庭に対する帰属意識が一番強いものの、ツイッターと同人即売会に対する帰属意識に傾いていて、「リアル以外の帰属意識が強い」といっても差し支えない状態だと思っています。

SNSについては、ツイッターを一番頻繁に使っているんですが、Facebook、mixiなども使っています。mixiについては通知が来てないか確認する程度になっていますが。(インスタはアカウントは持っている程度、LINEはメッセージアプリとして利用、Slackはグループウェア、Discodeはゲーム(VRC含む)に関わるグループウェア的な使い方をしています)
Facebookはリアル繋がりが強い「リアル側のソーシャルなネットワークサービス」的一面が強いと思っています。もっとも、ツイッターにしろインスタにしろ、強弱はあるにしろ、現実の延長線としての「ソーシャルなネットワークサービス」だと考えます。

一方で、VRChatは、「現実と地続きのソーシャル」と「バーチャルのソーシャル」の二つの面を持っていると感じました。これは白黒二値ではなく、グラデーションです。
どういう事かというと、「自己のまなざし」の違いだと思います。
「『私』がいる現実世界でVR機器を駆使して利用する高機能音声チャット」なのか「バーチャル世界に居る『私』になってバーチャル世界の『他人』とコミュニケーションを取るツール」なのかという感じでしょうか。
簡単な識別を提示します。それは「OFF会をしたいか、しなくても満足か」です。「しなくても満足か」は少し膨らますと「オンライン上で完結しているか」とも言えます。

私は、VRChatでだべりながら、「機会があったらみんなで(リアルで実際に)会いたいね」という話にも本心から肯定しました。しかし、あとから私自身の心を観察してみると「VRChat上でこうやっているのもいいな」という自分自身もいました。
どちらも私の本心です。
その時の雑談していた人たちは韓国在住の人、アメリカ在住の人、日本在住でも関東の人、関西の人、そして九州の私です。
「みんなで会う」というのは不可能では無いものの、それなりの困難があります。

おそらく、ネットで知り合った人とリアルで会いたくなるのは、「ネットでの人間関係は未完成」という思いがどこかにあるからかなと考えてはじめています。
一方でVRの立体視、立体音響によって、バーチャル上といえど、同じ空間が共有できれば、「人間関係は完成するのでは」という思いは強く持っています。
この二つの違いは、前述した「自己のまなざし」をどこに置くかの違いかなと思いました。
私自身は、非リアルの繋がりに強めの帰属意識を持っている点から、「VRのみで人間関係が完成する」方向に強く振り切れるのではないか、と、思っていましたが、VRChatでの人間関係が増えるに従って「グラデーションなんだな」と思うようになりました。
もっとも、ここらあたりの話は、白黒ハッキリすべき問題では無いと思っています。

VRChatの「ソーシャル性」というのは、VR空間で完結する可能性は高くあると思います。
一方で、中の人は確実にいます。VR環境の維持はもとより、衣食住の確保は必須になり、「バーチャルのソーシャル」とはいっても「リアルソーシャル」とは切り離せない関係にあると思います。
「バーチャルのソーシャル」と「リアルのソーシャル」は相反する関係ではなく、私が前述した、「複数ある帰属意識のひとつ」と見るのが自然だと思います。

「人と人がリアルで会うのは尊い」というのは説明する間もないでしょう。
それに肩を並べ、場合によっては「ネット上で会うのは尊い」とも言えるのがVRChatかもしれないと思いました。
ちょっと褒めすぎかもしれませんが、と、但し書きを付けておきます。

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