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逆噴射小説大賞2018応募作品集

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社会派コラムニストの逆噴射聡一郎先生が審査員に加わる、コンテンポラリーで由緒あるパルプ小説大賞、「逆噴射小説大賞」応募のためにわたしが執筆した作品集です。
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ディープ・ダイバー2041【完全版】のあとがき

ドーモ!azitarouです。 この度自作パルプ小説『ディープ・ダイバー2041【完全版】』を執筆し無事投稿しましたので、あとがきを書いていこうと思います!いつも大変お世話になっております!すごいね!本物の作家さんみたいだね! ▼まだの方はこちらへどうぞ▼ 執筆の経緯について きっかけはヘッズ一次創作SFアンソロジーという企画です。ニンジャヘッズによるオリジナルSFアンソロジー企画!一次創作であればイラスト、漫画、小説、俳句、コラム、広告、年表、音楽、動画など形態を問わず

ディープ・ダイバー2041【完全版】

プロローグ 炎上する市街地を眺める。横転した車にガラスの割れた店。散乱した張り紙に意識を集中する。数は…3体。間違いない。『ノード』だ。 『隠れ層』からやってくる奴らは実体を持たない。光学、熱流センサにも映らない。俺たちの住む『出力層』から『情報』を啜り上げ、糧としているのだ。異次元の侵略者に世界は大混乱に陥り、人類は為す術もなく敗北した…はずだった。 軍事機密の深層解析ツール『ディープ・ダイバー』が流出していなければ。 腕に装着した情報端末を操作する。有線接続されたバ

アクロス・ザ・パルプフィクション・ゲームバース(予告編プログラム)

「お話して……」 「これは冒険の物語」 「様々な世界の冒険譚」 「いろんな種族の群像劇」 「恐ろしい争いの記憶」 「わたしが生み出した、わたしだけの物語」 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆based on the imagination from azitarou◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ーーー 砲塔と増設されたハッチから絶え間なく発射される徹甲弾とミサイル!操縦席では2本のレバースティック操作によって、弾幕を最少の動きで掻い潜りつつ砲身は常に敵へターゲッティング!そしてそのショ

逆噴射小説大賞応募作品集・ゲーム紹介(架空のゲーム解説)

はじめに: ここは昨年の逆噴射小説大賞に応募した自作品を題材とした架空のゲーム紹介記事です。各作品は実際のゲームとしては存在せず作者のインスピレーションの産物であることをご理解ください。また、執筆当時とは若干の設定齟齬があるかもしれませんがそんなことは気にすることではない。分かったか。書いててチョー楽しかった。 ムーブ!ムーブ!トランスミッション!第二次世界大戦末期、連合国に追い詰められたドイツ第三帝国は最後の手段として悪魔召喚によって戦況の打開を図ろうとしていた。しかし儀

【讃】逆噴射小説大賞お疲れ様でした【労】

ドーモ、azitarouです。 まずはこちらをどうぞ。 第1回逆噴射小説大賞お疲れ様でした!大賞を受賞されたishiika78=サン(なんとコロナを一人で独占!)、そして最終選考まで残った皆様方、本当におめでとうございます!そして惜しくも入選ならずだった皆様もお疲れさまでした。私の作品も残念ながら最終選考入りまでは至りませんでした。クヤシイ! しかしながら、コメンタリーを読めば読むほど入賞作品の凄さがよく分かり、この顔ぶれの中でよくも二次選考まで進めたなと思います(逆噴

【祝】逆噴射小説大賞二次選考に通過しました【鯛】

ドーモ、azitarouです。 逆噴射小説大賞二次選考結果が発表されたということで、遅れながらご報告です。なんと拙作『ライディング・ホッパー』が二次選考を通過いたしました。ヤッタゼ! その他にもめちゃくちゃ面白い作品ばかりが選出されている中で自作も残っているのは恐れ多くもあります。見知らぬバーでたった一人カウンターに座っているような感じだ。ソワソワするぞ! 『ライディング・ホッパー』は応募期間が中盤に差し掛かった頃にフッと思いついて書いた作品なんですけど、自分の好きな要

【逆噴射小説大賞】応募自作品紹介 Part2/2

ドーモ、azitarouです。秋の夜長が深まる中、いかがお過ごしでしょうか。10月も早いもので、もう間もなく逆噴射小説大賞の応募期間が終わろうとしています。 私は今まで10作品を投稿しました。うち6作についてはすでにこちらで紹介させていただいていますのでここでは割愛させていただきます。 この6作については、以前からおぼろ気に構想があり、この逆噴射小説大賞の機会でありがたいことにテキストの形で世に出すことができました。逆噴射先生並びにダイハードテイルズの皆様ありがとうござい

共鳴機神オルガマキナ

「みんなー!今日は来てくれてありがとー!」 ステージのLEDが脈打つように奔った。瞬間、ツインアイに光が灯る。 「明日からも元気いっぱい過ごせるように幸せをチャージして行ってね!」 観客が歓声をあげて応じる。アップテンポなBPMが鼓動を刻み、加圧された空気が全身から吹き出す。共鳴機神オルガマキナが身をもたげた。迫り来るは、外宇宙の精神生命体ヴァニタス。 《どうせ意味無い》《早く楽になろう》幾重にも延びた虚無の触手を、レーザー照明が薙ぎ払った。頭部ユニット上のステージで

ライディング・ホッパー

「おっさきー!」 「遅え!欠伸が出るぜ!」 アカネとトウヤの声を無視し、地盤沈下で荒れ果てた道路を疾走する。二人の飛行型、多脚型に比べると二脚型はこの道で不利だ。だが、想定内。 超高層建築が見えてくる。余りに高すぎるため壁沿いを迂回するか、内部を押し進むのが定番だ。構わず直進する。大丈夫だ、きっとやれる。自分に言い聞かせる。 壁まで100メートル。ホップ。 エアロと爪先のスプリングが展開する。 70メートル。ステップ。 大腿部が180°回転し逆関節に変形する。 着地

ディープ・ダイバー2041

炎上する市街地を眺める。横転した車にガラスの割れた店。散乱した張り紙に意識を集中する。数は…3体。間違いない。『ノード』だ。 『隠れ層』からやってくる奴らは実体を持たない。光学、熱流センサにも映らない。俺たちの住む『出力層』から『情報』を啜り上げ、糧としているのだ。異次元の侵略者に世界は大混乱に陥り、人類は為す術もなく敗北した…はずだった。 軍事機密の深層解析ツール『ディープ・ダイバー』が流出していなければ。 腕に装着した情報端末を操作する。有線接続されたバイザーに《S

ファースト・エンカウント

視界が真っ赤に染った。錯覚だ。 コックピットを違えず貫く筈だったブレードを左腕のバックラーで辛うじていなした。 脇腹を浅く裂く衝撃。途端に金属が沸騰しヒュームの匂いが充満した。 質量差を活かして押し返す。浅い手応え。バーニアを吹かして後方へ飛び下がったのだ。追う事は出来ない。先の斬撃で機体温度が急上昇しラジエータがフル稼働しているからだ。アラートが鳴る。なんて高出力なブレードだ。 肩部チェーンガンと右腕のアサルトライフルで弾幕を張る。祈るほど長い冷却時間。至近距離に踏

【逆噴射小説大賞】応募自作品紹介 Part1/2

逆噴射小説大賞とは?それは荒野に並び立つガンマンが、「パルプ小説の冒頭400文字」という弾丸で真の男を競い合う情け容赦ない殺戮遊戯……TLには『人が死ぬ』『サイバーパンク』『ダークファンタジー』『ハードボイルド』『深淵の恐怖』『お相撲』『エルフ』『寿司』『ゴリラ』などの物騒なワードが飛び交い、ハートを撃ち抜かれたものはスキを振りまき命を散らす……。ここnoteは砂塵荒れ狂うメキシコの荒野と化した。 ということで私もインスピレーションに導かれるままパルプ作品をアウトプットし、

ゾディアック・サイオン

急逝した先王『獅子』に代わり、新たな王を定めるため、十二の氏族は候補者を擁立した! 「ウオー!次期王はこの『大猩々』様だ!ウオー!」「なんとまあ野蛮な。王の座は私『鶴』が相応しくてよ」「下等生物どもが。『龍』たる我の前にひれ伏せ」王の選定は思惑が交差し混迷を極める……はずだった。 「お、お待ちを!先王が遺言を遺しておりました!それによると!」古くから王に仕えた側近の『大山猫』が声を震わせた。「次期王座は『狼』に譲ると……!」 「『狼』だと~?まだオムツも取れていないワン

ザ・タイムズ・ゼイ・アー・チェインジン

「ちょうど今燻製ベーコンができたところだ。近くの農家からパンを分けてもらってる。一緒に朝食はどうだ?魔法瓶にコーヒーもある。 A国とS国が核のボタンを押して首都が塵と化して以来、両国は無政府状態だ。街では略奪が絶えず、武装化した集落も多いと聞く。 クオリティ・オブ・ライフだよ。ここのような人里から離れた所は 、戦争が嘘のように平和さ。時代に合った生き方は健全な人間性を育む。 ……とは言っても君は聞く耳を持たないだろうな。私を追ってここまで来たんだ。 ここが割れたという