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56人でゲーム作った話


はじめに

UGDGに入って2年半のあざみです。

アドベンチャーゲームが好きなので普段使っている「宴」というアセットの話をしようか悩んだのですが、
今作っているゲーム『犯罪者隔離世界』の【チーム制作】についてまとめました。

私はこのゲームの企画主であり、2021年11月、シナリオを1人で書くところから始まりました。
そして今、このゲームに携わっていただいているメンバーの数は総勢60名になります。

イベントなどに参加した際、
「個人でどうやってこの規模で作ってるの?」

という風に興味を持って聞いていただけることが何度かあったので、

今日は本ゲームのチームの制作の形式についてお話できたらと思います。

内容

1, 56人でどんなゲーム作ってるの?

このゲームは12話にわたるひとつの大きな物語に、
1話ごとに内容の異なるミニゲームが入るという構造をしています。(図1)

図1:ADVと12種のジャンルの異なるミニゲーム

大元のADV(ノベルパート)を軸に、unity1weekより少し規模感の大きいミニゲームを12チームで製作し、それを最後にシーン遷移で組み合わせていくという構造をとっています。(図2)

図2:ADVとミニゲームの遷移

この構想は、漫画やアニメのように「ゲームの週刊連載をしたい」という考えを起点に生まれました。
ただ、代わり映えのない12話の物語を小出しにするのもつまらないかなと思い、一話ごとに違うジャンルのミニゲームを遊べるというシステムならワクワク感を演出できるかなと思い、考案しています。

現在は、週刊ではなくもう少し大まかな連載形式をとることを検討していますが、このゲームの構成・作り方のメリットはコンフリクトが起きにくいところにあると思います。

各チーム1シーンで、基本的にエンジニアさんは1人なので、万が一バグが生じた場合にも原因箇所の特定がしやすい、他のシーンへの影響が少ない印象です。

企画の時点で、1話ごと、定期的なタイミングでジャンルの違うミニゲームが導入されるようシナリオを構成するのは骨が折れましたが、
大人数で大きな混乱が起こることなく、ひとつの長編ゲームを作ることには特化できた方法なのかなと自負しています。

2, メンバーとの共有どうしてる?

まず、60名のポジションの内訳は大体上記のようになっています(図3)

図3:それぞれのポジション

本編がフルボイスなので、声優さんの人数が圧倒的に多いですね。

ミニゲームのチームごとに連絡を取り合うこともしていますが、
初回の打ち合わせや個別のイラスト・ボイス・音響などの相談に関しては、
「私 対 全員」で連絡をとっています。

あえて個別連絡にこだわっていたわけではないのですが、
メンバーさんの個性ややりたいことによって資料を作り変えたり、
メインキャラクターの声優さんの前では私がシナリオをすべて音読して読み上げて場面の雰囲気を伝えるといった細かな共有も行っていたので、
1人1人に合わせた共有を大事にしたかったという想いに起因しているかもしれません。

このゲームのために行った打ち合わせの回数は少なくとも150~200回は超えてると思います。多い時は1日3回、別の方と打ち合わせを行うこともザラでした。

この話をすると、
「あざみさんの負担大きすぎませんか……?」
と言われることもあるのですが、

負担というよりはむしろ、
「このゲームを形にしたい!」という私の船に一緒に乗っていただけることが本当に嬉しく、ありがたく、また才能にあふれたさまざまな業種の皆さんとお話できることがとても楽しく、勉強になりました。

というのも、
本作は私にとって、ミニゲーム(カジュアルゲーム)のプランナーとしては初めての制作にあたります。本職がゲーム会社というわけでもないので、正真正銘初めてのプランナー作業でした。

そのため、初期の頃はエンジニアやデザイナーの皆さんに「ここは要件定義した方がいいですよ」と、重要箇所を教えていただいたり、苦手な所はサポートしていただいたりと、本当にお世話になりました。

後半になるにつれ、シナリオや企画を共有する際に、「わかりにくかった」という声はほぼ無くなったので、このゲームで本当に成長させていただいたなという感謝の気持ちでいっぱいです。

ただ、
個別でしか共有をできなかったメンバーさんから、「他のメンバーとも交流してみたい!」「どんな人がいるのか話してみたい!」というお声もいただいているので、制作が落ち着いたら、皆でお話ができるような場面も設けていきたいと考えています。

3, どうやってメンバー集めたの?

まず前提として、
メンバーさんには、私個人がこのゲームで利益を得ないことをお約束した上で、すべてボランティアとして参加していただいています。

その上で一番聞かれるところが、

「どうやってそんな人数を集めたの!?」

という点なのですが、これに関しては私が何かしたというより、
皆さんのご厚意あってのことだと思います。

募集自体はUGDGとX(当時はTwitter)で行い、
メンバーさんから新しく別の方を紹介してもらうということもありました。

また、私が言うと手前味噌なところもあるのですが、
あえてひとつあげさせていただくとするなら、

メンバーの方から、
「このゲームを絶対にいいものにしたいというあざみさんの熱意が伝わったから、みんなついてきてくれているんじゃないでしょうか」
という、お言葉をいただいたことがありました。

ゲーム制作だけでなく、
自分の人生でこれだけの人数で何かを成し遂げた経験はなかったので、
未熟なところも多かったなと恥ずかしくなることや、
あの時失敗しちゃったなと後悔することもたくさんありましたが、

諦めずに、漫画の主人公かよ(笑)ってくらい、
「自分の信じるものを形にしたい!!」と盲目に突っ走れるのも大事なのかなと思います。

(ただし生活が犠牲にならない程度に留めましょう!by体験談)

最後に


現在の進捗として、
ミニゲームはほぼ仕上げに入っているチームが多く、
ADVパートとの繋ぎ合わせが終われば、
もうすぐ1〜4話の公開ができる状況です。

ラストスパート、追い込みもがんばりますので、
もし公開された際には、
ゲーム『犯罪者隔離世界』をチェックしていただけたら嬉しいです。

以上、12/4 あざみのアドカレでした!
最後までお読みいただきましてありがとうございます^^

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