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ギャグやコントっぽいもの。ユーモア系の作品集

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ギャグやコント系の作品を収録。大胆不敵な自己中心派キシミン! 彼中心に今日も宇宙はきしんでる!?クスっとしてなぜだか元気になる日常ショートショートなど。
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2016年12月の記事一覧

「さて、どの地球に降りるとするか」

※はるかな未来。地球のクローンが量産された

あなたが落としたのは金の地球ですか?
それとも銀の地球ですか?
それともやっぱり青い地球ですか?
いや、今はあれですけど、昔はもっと青かったんですって。

ある晴れた日、雷の兄弟妖精として広く知られていたヘッキー&レッキーが自ら発生させた雷により感電死したニュースは文字通り世界を仰天させた。以降、晴れの日に雷鳴が轟くという現象は失われたが、思いがけない衝撃に驚く様を表す諺ーー『晴天の霹靂』に彼らを偲んだ庶民の思いが色濃く残っている。

「ショートスリーパーになる秘密じゃと? ふむ、知りたくば教えてしんぜよう。果たして真似できるものかどうか保証はできんがの。よいか? 我輩も人間なればまったく寝ずに平気というわけではない。実を言えば、ほれ、まばたきの数だけ寝ておるんじゃ。今この瞬間にも実に心地よい眠りに落ちておる」

『絶対温度探偵・焔氷神悟 ~旋律は天使の冷たさに似て~』絶賛発売中!

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「この世のあらゆるものには“温度”があるのですよ。それは生物や物質だけに限らず、音や匂い、あるいは人の振る舞いや事象そのものにも存在します。君がさきほどかき鳴らしていた……恐らくハードロックと呼べるものにも一応ね。僕にはその温度が見えてしまうんです。もっとも、僕の知っているロックにはもっと熱量があったはずですが……。おや、これは失敬」

好物:ガリガリくん

それは地球規模で原子力発電が廃止された翌年――第三次世界大戦勃発後に起きた大きな歴史のうねりと言えよう。
全国的に残存電力が乏しくなってきたことを危惧した第弐東京幕府はその冬、各家庭の暖房器具全てを押収するお触れを出し、速やかに実行に移した。世にいう“こたつ狩り”とはこれである。