ブタ男
買い物の帰り、スーパーの敷地から道路に出ようと一時停止していたら、すごい勢いで車が突っ込んで来た。前方の道路のだいぶ手間から無理やり右折してきたので、停止線で一時停止してたわたしとマジぶつかりそうになった。先に左折しようとしてた車もクラクション鳴らしてた。
バックしなきゃ!と思いながらも怖くて突っ込んで来る車を呆然と見てるしかなかった。呆然としながらもどんなヤツが運転してるのか見てやる、とだけ思って運転手を見つめてた。
どんなヤツだ?と見た先の運転手はブタ男だった。
小太りで声が大きそうで焼肉とビールが好きそうで、金のチェーンがバッチリ決まってJレゲエが好きそうな、ブタ男だった。(ムカついたので、わたしの偏見全部突っ込みました)
突っ込んで来る時のブタ男の顔…パッと見開いて自分の行く先しか見てない妙に光ってる目をしてた。
イッちゃってんなぁ。
あれ?でもこの顔知ってる。なんだっけ?
あ、これわたしの顔だ。
怒り狂って突っ走ってる時の自分の顔だ。
わたしもこうなってる時あるわ。
そう思いながらもすっごい怖かったし腹が立ったので、
「ブタ男ふざけんな!危ねぇんだよ!」
と1人車内で叫んだ。ひと通り叫んで落ち着いた後、改めて自分に聴いてみた。
「あの時どう感じた?」
「このわたしを危ない目に遭わせやがって!」
と、文句が出てきたけれど、自分のためにこんな風に怒れるようになったのかと嬉しくなった。あんなに自分を卑下してたわたしも成長したのね、と喜んだのも束の間
あれ?でもこれってわたしも自分にしてない?
ついつい自分を大切にしなかったり、自分に無理させたり傷つけたり…。もしかしたらそんなわたしの肚の声なのかも。
ブタ男に対する「ふざけんな!」は
「いつも無茶して危ない目に遭わせんじゃねーぞ!」というわたしの声でもあると思った。
そう考えると、やるなぁブタ男。
でもほんと危ないから他でこんな運転やめてね。お互い気をつけましょう。
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