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新卒採用、その本当の意義を考えよう

いよいよ冬の訪れを実感する季節になりましたね。なんと、今週から師走、12月なんですよ??1年が経つのは本当に早いなと感じます。

さて、過去数回にわたって告知、実施しておりました「新入社員採用・育成計画オンラインセミナー」ですが、参加者の皆さまと各社の取り組みをシェアしたり、ワークを取り入れた実践的な「持って帰って役に立つ」セミナーを目指しておりましたが、おかげさまで大盛況のうちに終了いたしました。参加者の皆さまのアンケートから高評価を頂き、大変嬉しく思います。

今後もこういったセミナーをあれこれ企画してまいりますので、どうぞご期待くださいね!

ということで、今回は「新卒採用」シリーズ、ひとまずの最後の章になります。新卒採用の今ドキ事情から今後の新卒採用、そして「新卒採用」の意義についてお話させていただきたいと思います。


新卒採用最新事情

11月のこの時期、新卒採用に取り組んでる企業様は、2023年卒に関しては、内定式も終わり、内定者フォローや新卒研修の準備などをされている時期かと思います。

そして、そうです、次年度、2024年の新卒採用はすでに始まっております。それでは、新卒採用の傾向、その最新事情に迫ってまいりましょう。

こちらは2022年度新卒採用データからの引用になりますが、

23年大卒求人倍率は1.58倍
25,8万人の超過需要
 

どうでしょうか。これを見ると、「就職希望者よりも求人総数のほうが多い」というのは明らかです。では以下のデータをご覧ください。

従業員5000人以上の企業 求人倍率0.37倍

いかがでしょうか。いわゆる大手企業と呼ばれる規模の会社に採用希望者が集中していることがおわかりになるかと思います。

いわゆる「大企業」の基準が従業員100人以上となりますが、それを遥かに上回る、1000〜2000人規模の企業ですら、売り手市場であり、思うように人を雇えないのが現実です。

この極端な大手企業偏重傾向、彼ら新卒さんたちの立場になれば、それなりの理由があります。


就活生の価値観とは?

過去エントリ「新人育成のイロハ、お伝えします(後編)」で詳しく触れておりますが、いわゆるZ世代と呼ばれる彼ら現代の若者は、私たちとは異なる価値観を持っています。それらを踏まえたうえで、Z世代の就職事情を考察していきましょう。

新卒にあたるZ世代は

・デジタルネイティブ
・ネットリテラシーが高い

という傾向があります。
情報収集の手段は、第一がインターネット。とりあえず検索する、といった習慣がついている世代です。当然ですが、就職活動の際はネット検索を最大限に活用します。

「なるほど、では就活生のためのホームページを充実させよう!」

もちろんそれも重要ですが、彼らが収集する情報は、何も企業としてオフィシャルに発信しているものばかりではありません。

例えば退職者による口コミや、過去の不祥事など、企業にとって不都合な情報もも根こそぎ知られていると思っておいた方が良いでしょう。


就活生の安定志向

Z世代は

・安定的で堅実な企業への就労を望む

傾向があります。まさに、大手企業に就活生が殺到する一番の理由です。

安定志向だから大手企業に行きたい。そう就活生が思うのであれば、中小でも頑張っている経営者さんなど、何をしても良い新卒は我が社には来てくれないのか…そんな気持ちになりますね。

いいえ、そんなことはありません。

Z世代の「安定志向」は、いわゆる昭和的な「寄らば大樹の大手企業」という、わかりやすいものではないからです。


Z世代の考える「譲れないライン」

安定志向と聞くと、「会社の規模」が全てと考える方も多いかと思いますが、Z世代における安定志向は、その上位に独自の価値観を置いています。

・ワークライフバランスを重視する傾向がある

これです。簡単に言えば、たとえ大手でお給料が良くても、自分の生活を楽しみたい、人生が仕事だけになってしまうような働き方はしたくない、ということですね。

働きやすさを重視し、ネットに長けたZ世代は、SNSなどを駆使して企業のことをしっかりと調べてきます。
いくら待遇が良くても「ブラックだ」などと揶揄される企業は敬遠されてしまう、ということです。

また、

・理不尽な評価や理由がはっきりとしない社内評価には納得しない

も、Z世代の持つ特徴ですが、いくら大企業であっても高圧的だったり、上から目線で「雇ってやる」といった態度を示せば、とたんに嫌われてしまうでしょう。

そして、Z世代新卒者が持つ最大の特徴、それが「安定志向」の意味合いの違いです。


就活生の考える「安定志向」とは

「安定志向」だからこそ、大企業が人気になる、と言いましたが、彼らZ世代の考える「安定」とは、「大きいこと」だけではありません。

昨今、転職は当たり前のことになっています。入社した会社に骨を埋める、といった価値観はいまや昔。企業としてはできるだけ長く働いて欲しいと考えるかもしれませんが、現実は多くの方がキャリアアップや生活の変化によって就労先を変えていく時代です。

就活生にとってもそれは同じこと。彼らにとって「転職」は、入社のその先にある、当たり前の選択肢となっています。

彼らが最初に就職先として選ぶ会社で、どのように成長できるか、

つまりは、普遍的なスキルを身につけることができるのか、社会情勢がどのように変化しても求められる人材となれるか、

このあたりを含めた「安定志向」なのです。


Z世代の考える「魅力的な企業」とは

また、Z世代特有の価値観、

・SDGs、社会貢献への意欲が高い

も、就職先を選ぶうえで関係してきます。
課題感を持った活動をしている会社で自分も社会に貢献したい…こういった、給与や待遇とは違った「やりがい」を求めて就職活動をする学生さんも非常に多いのです。

まとめますと、就活生に求められる企業とは、

・安定性がある規模、業界か
・ライフワークバランスの取りやすい就労形態か
・社会的貢献度の高い会社か

そして、

・自らが成長できる会社か

これらが可能な会社は、たとえ規模で大手に敵わなくても、十分に「魅力的な企業」として就活生にアピールできる、ということですね。

そして、再三にわたり私が新卒採用でもっとも重要なこと
「育成」の大切さは、ここにも現れています。

過去エントリ「ピカピカの新入社員、一人前の人材に育てよう!(前編『最初の第一歩』)」でお伝えした、会社員として身につけるべき普遍的な「社会人基礎力」がきちんと身に付く会社ですよ、ちゃんと研修をしていますよ、という会社は就活生にとって非常に魅力的に映るでしょう。

そういった、就活生の「思惑」も加味しつつ、採用と育成にどう取り組むか、を考えることが、新卒採用のポイントになるわけですね。


新卒さん、その動き

一方、2024年の新卒採用に向けて、学生さんはどのような動きをしているのでしょうか。

全体に早期化しているというのは一般的に言われていることですが、年明け頃にはスタートしてしまいます。そうです、学生さんは3年生の年明けから、就職活動を始めるのです。

経団連加盟企業は3月にスタート、6月に面接開始しましょう、と通達しているのですが、守っている企業様はほとんどありません(笑)

というのも、学生の就職を支援する側は、学生に対しては「そんなんじゃ遅い」とハッパをかけている現実があるからです。

曰く、
「大学三年生には内定直結型のインターンシップに参加してみてはどうでしょうか」
「経団連加盟企業にエントリーするのは実は10月くらいから始まってますよ」
などなど、です。

経団連加盟企業は比較的大手企業ということになりますが、就職協定を厳密に守っている企業はやはり最大手企業が多く、3月からスタートするということになっております。

ということは、3年生の1月から6月までには既に内々定が出ている場合が多いのです。

非加盟企業が3月、加盟企業が6月に動き出す…というのは遅い、ということですね。

なので、学生目線で言えば、就活スタートと言われる3月に説明会、6月に選考開始、はあくまでも目安であって、全体には前倒しになっているなと考えます。

学生さんは、就職活動の準備は3年生の10月までに済ませてくださいね、ということを言われますし、本選考開始は10月から、経団連加盟企業は3月からですよ、とも言われます。


新卒さん、就職ゲットまでの道筋

学生さんが内定を取るために超えなければならないハードルとしては、以下のようなものになります。

自己分析と企業研究、OBOG訪問、インターンシップ参加、選考対策(書類選考、面接選考、グループディスカッション、グループワーク、筆記試験、適性検査、能力テスト、性格適性検査などの有無)

やることの多いこと!これらの準備を行うのに、3月直前ではとても間に合いません。

そして企業は、このような対策をしてくる学生から、いかに自社にマッチする人材を見きわめるか、が問われているのです。

学生さんが歩むプロセスを理解し、どのような段階を経て採用を行うのかを組み立てていきましょう。


なぜ「新卒」なのか

いかがでしたでしょうか。数回に渡り、新卒採用について語ってまいりましたが、私が今回のエントリで言いたかったことは、これです。

「御社は、なぜ新卒を採用するのでしょうか」

これは何も新卒に限らず、すべての採用に言えることなのですが、
新卒で入った会社で経験を積み、年功序列で給料が上がり、定年まで働き続ける…こういった日本的働き方は、過去のものになりつつあります。組織の多様化に伴い、転職に対するマイナスイメージはなくなり、実力次第でどんな働き方も選択できる時代です。

つまりは、企業側も新卒にこだわらず、自由に必要な人材を募ることができるわけです。戦力という意味においては、スキルを持った中途採用者の方が優れているのは言うまでもありません。

しかし、それでもなお、新卒を採用したい、と考えるのはなぜか。雇う会社として、その意義を確認していただきたいのです。

そして、新卒さんは、社会人の第一歩を「この会社だ!」と、選んで来てくれた人達です。

新卒を採用する、ということは、会社として、その人の成長に、仕事人としての未来に責任があるのではないでしょうか。

新卒さんは、未来の日本を担う人材です。日本の企業がいつまでも元気でいるためにも、ぜひ、しっかりと育成し、戦力化していただきたいのです。

新卒採用の意義と、彼ら彼女らの育成について、今一度、考えていただければ嬉しく思います。

各社が新卒を採用する目的は大きくこの4つが考えられるかと思いますが、御社はいかがでしょうか。
メリットと同時に企業様によっては中途社員採用に比べてデメリットになることもありますよね。
このステップに合わせてどのような取り組みを行う必要があるのか、セミナーでは、各社でシェアしながら解説しております。

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