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生き方としての応用行動分析

大学で行動分析学に出会ってから、その衝撃とともに10数年を過ごしてきました。
この学問との出会いで私の人生が変わったのは間違いありません。

応用行動分析学は、基礎実験から得られた行動の原則をヒューマンサービスの技法として適用していく分野です。
環境側の変数を細かく調整しながら行動の変化を追います。

こんな学問があったのか!
なんてシンプルで美しい体系なんだろう!
てか、すげー役に立つじゃん!

出会った瞬間の衝撃はこんな感じ。

文学的な要素が含まれがちな心理学の世界において、まさに孤高の狼のごとく、シンプルであること、客観的であることを目指して吠え続ける。
そんな学問、行動分析学。笑
しびれます。

はじめて聞く人にはなんのこっちゃですね。

まだ日本ではマイナーなのですが、既に様々な分野で成果を上げてるんですよ。
私は、特にその中でも主として発達支援の現場で働いています。

近年、応用行動分析に基づいた支援の知名度が高まっていまして、様々なご意見ご批判を目にすることが増えました。
もちろん、まだまだ発展していく分野です。
全ての人に等しく高い効果を出せるものでもありません。
まあそれについては追い追い。

私は優れた療育技法としての固有名詞ではなく、世界を見るメガネとしてのこの学問の意味を強調しお伝えしたいと思っています。

目の前にある行動を、個人の持つ特性とその前後に広がる環境との相互作用の産物として捉える。
個の可能性が最大限に発揮され、輝くための環境を調整する。

それは、簡単にできることではありません。
目の前の個人に深く心を寄せ、知ろうとする有機的な試みです。
エビデンスとして示される、手続きや数字として表されるものは、そのやりとりの産物であったり、ごく一部の情報でしかありません。
ただ、イメージとして冷たく受け取る人もいるかもしれないですね。

何かと誤解されがちな応用行動分析学ですが、私はこの学問を通して人を愛することの奥深さを感じています。
多様性や個人差を基本としたスタンス。
誰のせいでもない。
困った人は困ってる人。

みんなが笑って過ごせるために、何ができるか考えよう!
何を変えていけば良いだろう?

応用行動分析学はそんな問いかけをいつも私に投げかけます。

他人も自分も、包み込むような頼もしさ。
力強い優しさを感じます。

今はベストでなくても、ベターを積み重ねて必ずベストに近づけていくという、確固たる信念。
情熱的なプロセス。
そして自分が進む道が本当にベストに近づくものなのかを常に疑う姿勢。

人生において大切なことがたくさん詰まっているなあと感じます。
この学問に、善く生きる方法を教わっているかのようです。

科学的であることが同時に情緒的でもあり、他人のために生きることが同時に自分のために生きることでもある。

悩みの尽きない人生ですが、これからもこの優しいメガネで世界を見つめていきたいと思う今日この頃です。

#コラム #エッセイ

サポートありがとうございます!これからも、長く続けていきたいと思います^^