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読書感想文 -独学大全 「学ぶこと」をあきらめたくないすべての人へ-

どんな本?

独りで学ぼうとする人へ、これまで開発された様々な学習手法を伝える本。
学びたい、
 自分を変えたい、
  なにかしたい!
   でも何をすればいいかわからない!

そんな人に、羅針盤として方位を示し、地図として道を示す。

どんな人向け?

やりたいことはあるけど、始められずにだらだらしてしまう。
学びたいことはあるけど、難しくて挫折してしまった。
なんだかよくわからないが何かをしたい。
そんな人へ。

あるいは
政治/宇宙/ハイデガーなど、何か特定の分野を詳しく知りたい。
英会話/調査/ポケモンカードなど、何か特定の技術を身に着けたい。
なんだかよくわからないが賢くなりたい。
そんな人達へ。

つまり筋トレの本なんですよ。

おっと急に風向きが変わってきた。
しかしご安心を。
本書の本質は筋トレの解説書と近い。

どういうことか?

体を鍛えようとして筋トレの本を買っても、それだけで筋肉はつかない。
体を鍛えようと、筋トレの本を買う。
とても良い考えだ。
なぜなら、より良いトレーニングのためには正しい知識が重要だ。
しかし何より大事なのは、『筋トレのために時間を投下すること』だ。

筋トレで重要なのは『正しい姿勢』で『継続する』ことだ。
姿勢は重要だ。姿勢の乱れたトレーニングは、効果が低い上に怪我のリスクが高まる。
トレーニング方法や人体について知識を得ることで、正しい姿勢を知ることができるだろう。
そのために本から学ぶことは役に立つ。

しかし、一日で筋肉を作り上げることはできない。
一週間でも、一ヶ月でもまだ足りない。
知識を得て、そこから始まるのは信じて継続する日々だ。
知識はトレーニングの実践によって初めて実を結ぶ。

筋トレは知識と実践の両輪によって進むのだ。

では、思考活動はどうだろうか?

同じように、賢くなりたくて本を買っても、それだけで賢くはなれない。
時に苦しみながら、実践していく時間が必要だ。

そのために独学大全が示すのは『独学の手法』と『継続の方法』だ。
学ぶという行為に、孤独で長いその道のために、どのように時間を使えばいいのか、どうすれば時間を使えるのかを教えてくれる。

そう、筋トレと同じだ。
方法を学び、実践する。
別の言い方をすれば、思考を筋トレするための本だ。

学習/実践/反復/改善

独学大全には、学ぶための手法が書かれている。
よくある「これだけやればOK!」でも、「1日10分でOK!」でもない。
本書はむしろ、そういったインスタントな学習にNoを突きつける。

学ぶための手法というのは、筋トレで言えば『正しい姿勢』ということだ。
正しい姿勢を学んだら、次はどうするべきだったか?
簡単だ。いや、簡単なことではないが、これも筋トレと同じだ。
時間を投下し、継続することだ。

学ぶことは、学習は、ある一度の、ひとときの行為ではない。
学び、気づきを得て、新たな謎に出会い、また学び、繰り返されていく。
生き様のように、生業のように、先駆的決意を持って「こうあろう」「こうありたい!」と願う気持ちを実現することだ。

独学に終わりはない。
あなたがあなたを理想足らしめようとする、そのすべてが学習なのだ。

誰しもが学びの上に立つ

涼しい顔で難しいことをやってのけるあの人も、ほんの数時間で輝くような筆致を見せるあの人も、あるいは偉業を成し遂げた過去の偉人たちでも、時間をかけて、手間をかけて、学びの末にそこにたどり着いている。

時間をかけよう。
筋肉を成長させるのは、適切な負荷と反復だ。
思考だって同じように育っていく。よく学び、よく実践しよう。

簡単に賢くなりたい?そういうドラッグみたいな本が欲しい?

俺だって欲しい…
だが悲しいかな、読むだけで賢い気分になれる本は、まさにドラッグのようなもので、インスタントないい気分しか与えてくれない。
健全な精神が健全な肉体に宿るというのなら、健全な思考は健全な学びによってこそ宿すことができるだろう。

あきらめるな、進め!

私達は学び続ける。いつも何かを、あきらめきれず学び続ける。
時間が足りない、お金が足りないと嘆きながら学び続け、喘ぐように知という大海へ挑み続ける。
せめてもの助けに、羅針盤として、海図として本書を持とう。

せっかく過去から繋いできたバトンがあるのだ。
先人たちは「別にお前に渡しちゃいない」と言うかもしれないが、知ったことか!
偉大なる知恵をありがとう!
私たちがもっと活用しておくよ!

めげるな、折れるな、学べ学べ!
進み続け、後進を導こう!

そして感謝を!
多大なる労力の果てに本書を書き上げた読書猿氏に!
そしてその背後たるすべての知識へ、人々へ、我ら人類の営みへ!

学び続けるすべての人に幸よあれ!

Kindle版も出てるから買ってね。

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