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自分の身を滅ぼすほど、ひとつのゲームを愛しました。

本日、eスポーツメディア「SHIBUYA GAME」のサービスクローズが発表されました。

「SHIBUYA GAME」は、eスポーツの記事を1本も書いたことがなかった私を拾ってくれたメディアで、PUBGを中心にこれまで100本以上もの記事を書かせてもらいました。

Webメディアは収益化が難しいビジネスです。これまでに関わった他ジャンルのWebメディアでも、クローズという判断が下されたケースは少なくありません。

私は「SHIBUYA GAME」で書くことになった当初から、立ち上げ期のWebメディアであり、さらにはeスポーツの領域に特化したメディアであることから、いつ終わってもおかしくはないという危機感はずっと抱いていました。

突如として知らされた今回のクローズは、そんな現実を突きつけられるような出来事ですが、1つの区切りになるタイミングということで、今回このようなnoteを書いています。

私はPUBGと出会ったことで、気づけばeスポーツの世界に迷い込んでいました。「SHIBUYA GAME」で書き始めた当初は月1~2本の記事を書く程度でしたが、その後PJSがスタートしたことで競技シーンが本格化し、PUBGの取材記事を書くことにリソースをほぼ全振りするに至りました。

eスポーツの選手たちは、1つのゲームに数千時間を費やします。すごいことだなぁと他人事のように思っていましたが、実際にはおそらく私も、PUBGの視聴・取材・執筆に同じくらいの時間を費やしてきました。

そして、きっと彼らがそうであるように、私も流行るか廃るかわからない1つのゲームタイトルに、全体重を預けている危うさを感じます。

このままeスポーツの世界にいるべきか、迷うことは何度もありました。原稿料で生活しているライターとして、そして1人のビジネスパーソンとして、これは正しい選択だろうか?という迷いは、ずっと頭の中にあります。

でも、競技シーンに挑む選手たちと取材で接していると、この選択が正しいんだと思わされる熱量があって、そして記事を公開するたびに感想のコメントや応援のメッセージをくださる読者の方々がいて、何度もこちらの世界に気持ちを揺り戻されてきました。

何にも狂わされない人生も味気ないものだし、1つのゲームに人生を狂わされるのもありかもしれない――と、思ったり思わなかったりしているのが正直な気持ちです。

ちなみに、このnoteのタイトルは、8月1日に発売された浜崎あゆみのノンフィクション小説の帯から取りました。元ネタがわからない人はタイトルを見て、ずいぶんポエ散らかしてんなと思われたかもしれません。

あゆの小説を読んで私が真っ先に思い出したのは、いくつかの音楽雑誌に載った彼女のロングインタビューでした。幼い頃の記憶から今に至るまで、人生や価値観をまるごと聞き出すようなインタビューが好きで、何度も読み返した記憶があります。

自分もいつか書きたいと思っていたそういうインタビューが書けるのは、やっぱり今のところPUBGのシーンしか思いつきません。たくさんの原稿を書いてきて、これほど私の記事だと認識しながら読んでもらえるのも、初めてのことでした。

だから今後もきっとたくさん迷いながら、このシーンで可能な限り書き続けていくんだと思います。

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