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パスポートをなくしたスペイン人の話

先日、ドバイから羽田に戻るエミレーツの飛行機の中で、隣に座ったスペイン人たちと仲良くなりました。
(3人掛けシートで、私が窓側、私の横の2人とその後列に座っていた計6人がグループで初めての日本旅行に行く、という状況でした。)
 
彼らは初めての日本にとてもワクワクしているようで、日本のことについてあれこれ知りたがり、私がそれに答え、簡単な日本語なども教えました。

また、彼らは東京に着いた後、東京に少し滞在し、その後横浜や鎌倉に寄りながら名古屋に来て、関西、広島とジャパンレイルパスで移動する予定だというので、名古屋の観光スポットについてもあれこれお話しました。(※会話はすべて英語)
 
羽田空港に到着し、これも何かの縁だからとインスタアカウントを教え合って、「それじゃ、よい日本旅行を!」と行って別れたのですが・・・
 
今日そのスペイン人からメッセージがあり、「今日名古屋に到着したが、グループの1人がパスポート・現金・ジャパンレイルパスなどが入ったリュックをなくしてしまい、途方に暮れている。鉄道会社や警察にも聞きに行って、利用した駅も確認したけれど、見つからなかった。本当はこの先関西へ向かう予定だけど、どうしようもないから、明日東京のスペイン大使館に戻ろうと思っている。」とのこと。
 
えー、なんてこと! そのために東京に戻ったら今後の予定もぜんぶ台無しになっちゃうよね・・・と思い、ネットで調べると、名古屋駅近くに(大使館ではなく)スペイン領事館があるのを発見。ん、パスポート再発行って、大使館じゃなくて、領事館でもできるんじゃないかな?
 
そう思って彼にメッセージを送ったところ、とても感謝してくれ、「明日その名古屋のスペイン領事館を訪ねてみようと思う」との返信。
  
でも、きっといろいろ不安だろうなあと思ったので、明日の朝に名古屋駅近くの彼らの宿泊先ロビーまで行って、領事館につきそい、少し手助けしてくることにしました。ちょうど明日の午前中はあいていたので。

※彼らから来てほしいといわれたわけではなくて、私から申し出ました。
  
私も海外で困っているとき、親切な現地の方に助けてもらったことが何度もあるし、こういうのはお互いさま。なんとかうまく解決できるといいな。

▲ここまで昨日(9/19)の話▲
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▼ここから今日(9/20)の話▼

今日の午前中に名古屋駅で彼らと待ち合わせ、警察、領事館、駅の相談所にいっしょに行ってきました。
  
昨日パスポートなどが入ったリュックがなくなった経緯としては、神奈川県(藤沢?)でJRの電車に乗った際、そのリュックを網棚の上に置いたらしく、電車の乗り換え時にそれを持ち忘れた(網棚に置きっぱなしにしてしまった)ようです。
  
その後、神奈川県内で駅の遺失物センターと警察に行ってそれを伝え、紛失届も出して受理番号ももらい、自分たちでもいくつかの駅を調べたけれど見つからず、仕方なく(ホテルを予約してあった)名古屋に来た、とのこと。
 
それで、今日はまず交番によってその話をし、警察側の状況が変わっていないか(見つかっていないか)を聞いたけれど、状況は変わらず。

それと、もしも見つかった場合に、彼らが(メールはできても)電話番号がないので、見つかった連絡をもらえないのではないのか、という危惧も。(一か所にとどまらない日本旅行だから)
  
で、その後、名古屋駅近くの名鉄メンズ館の上にあるスペイン領事館に行きました。
  
領事館について日本人職員さんと話をしたところ、そこは「総領事館」ではなく「名誉領事館」らしくて(そんな区分があるなんて知らなかった!)、そこでは基本的にパスポートの再発行はできないと言われました。
  
ただ、その日本人職員さんが、東京のスペイン大使館に電話をかけてくれて、大使館の日本人職員(スペイン語ぺらぺら)と、パスポートをなくした本人が電話口でスペイン語で会話できるようにしてくれました。
 
それで、最終的に彼らの帰国前日?までにパスポートが見つからなかった場合は、東京の大使館で再交付をしてもらえるようになったらしい。

あと、警察からもらった紛失届の番号も伝え、大使館の人と状況をメールで連絡とりあえるようになったらしく、もしリュックが見つかって警察から大使館に連絡があれば、大使館が彼にメールをくれることになったそうです。
 
なので、このまま、関西〜広島のルートを予定通り旅ができることに。大使館職員の人も、「どうぞ旅を楽しんでください。」といったそう。
 
(このへんスペイン語だったので私がうまく理解できていないところもあるけど、具体的な話を大使館職員の人とできたみたいなので、ホッ。)
  
ただ、彼が東京で買っていたジャパンレイルパス(一週間新幹線乗り放題パス)はパスポートのスタンプ(短期滞在である証明)がないと購入できないので、ジャパンレイルパスをなくした彼は、再発行や再購入もできず今後、通常の新幹線きっぷを都度買いしないといけないみたい。あいたた・・・

さらに間の悪いことに、彼らは最後、姫路から東京に戻るサンライズ瀬戸(寝台特急列車)を予約していたんだけど、そのきっぷ6人分が、なくしたリュックに入っていたそうです。あちゃー。

で、それも何とか救済措置がないか、JR窓口で私が日本語で状況を説明して聞いてみたけど、きっぷ現物がない限り、何ともできないといわれました。最悪を想定すると、拾った人がそれを使って電車に乗ったり、あるいは転売しちゃってる可能性もあるから、その席を(切符を持たない)彼らに渡せない、と。、

じゃあ、サンライズ瀬戸の切符を買い直し?と思いきや、その日のサンライズ瀬戸は残席2で、彼ら(6人)は買い直しもできない。いろんな意味で、あいたたた・・・

まあ、リュックをなくした人以外はレイルパスもってるから、それで姫路から東京へ戻る新幹線にはのれると思います。

「パスポートなくて帰国できない」とか「旅程をすべて諦めて緊急で東京の大使館に行かなきゃいけない」などの事態は回避できたけれど、金銭的な出費はかなり大きそうですね。改めて、外国でパスポートをなくすというのがどういうことかわかり、私も身が引き締まりました。

(しかし、なんでそんな大切なものを網棚の上に置くの~~~!?と思わずにいられません。)

パスポートを見つけるとか、レイルパスやサンライズ出雲のチケットの救済措置を取り付けるとかはできなかったものの、少しは役に立てたかな? こういうこみいった話を外国語でするのって、大変ですもんね。

彼らは「親身になって助けてくれてありがとう、あなたの時間を使わせてしまって申し訳ない。」と、非常に感謝してくれました。(最後、名古屋城に行くというので、地下鉄の乗り場を教えて、私は帰ってきた。)

ひとつウケるのが、今日その彼が「Don’t forget! Don’t forget! Don’t forget! 」ってプリントされたTシャツを着てたこと。

ほんと、Don’t forget! だよ、じゃないと、悪い意味でunforgettableな旅になっちゃうよーーーー

(↑このunforgettableは、この話をした友人の言葉を借りました。うまいこというなあ)

みなさま、海外でパスポートをなくしてしまうと、本当に大変なので、くれぐれも慎重に。私も気を付けます。安全第一で楽しい旅を。

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