あやの

北海道在住のマイペースな50代です。 自分の頭の中にある『ごちゃごちゃ』を自分なりに表…

あやの

北海道在住のマイペースな50代です。 自分の頭の中にある『ごちゃごちゃ』を自分なりに表現していけたらと思っています。 書くこと、描くことを通して、共有できる何かがあれば嬉しいです。

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愛ちゃんを探しています

 私、愛ちゃんを探しているんです。今、愛ちゃんに会いたくて、会っていろんな話がしたくて、誰か愛ちゃんを知りませんか?  1999年、南半球アルゼンチン・パタゴニア地方バリローチェ。アルゼンチンで日本語教師ボランティアをしていた私は、一人夏休みを利用して隣国チリに陸路で向かおうとしていた。  さすが南米のスイスと呼ばれる観光地、絵葉書まんまの山並み、街並み。せっかく来たのだから観光もしておきたいと、現地バスツアーに申し込んだ。国立公園に指定されている森や湖を見て回る。参加者は

    • 背面跳びで跳べない女

       私は、背面跳びで跳ぶことが出来ない。はさみ跳びの女だ。  小学校までは皆、走り高跳びははさみ跳びで跳ぶ。中学以降は背面跳びに切り替え、記録を伸ばしていくのが定石だ。     私が背面跳びが出来ないのは、他でもない、体が硬いからだ。ちょっと硬いんだよね、なんてもんじゃない。皆の想像をはるかに超える硬さなのだ。  小学校まではクラスで一番背が高く、走り高跳びは私にとってはゴム跳びの延長で、何も難しいことではなかった。  中学校に入って、背面跳びに挑戦して、跳べなかった。先生曰く

      • 塩分チャージ

         金曜日。「今週もお仕事お疲れさまでした。」と自分に言う。  冷房のない工場で汗だくになりながら働いて、クタクタの体で帰宅する。いつもならそこから夕飯の支度に取り掛かるのだが、今日はしない。しないと決めたのだ。  夫は遠くの街で飲み会に参加、そのままビジネスホテルに泊まる予定だ。  今日くらいは自分の好きに過ごそう。何か美味しいものでも食べに行こう。  夏休みで帰省中の学生の息子に、 「お母さんはもう何もしたくないので、晩御飯は外食にする。」 と一方的に伝える。今回ばかりは

        • 父と膝カックン

           今年のお盆も帰省できなかった。    私が実家に帰省できるのは年に一度の年末年始のみ。父のお墓参りもその時にしか行けない。最近は子供の受験やコロナ禍でずっと帰省できずにいて、今年のお正月に本当に久しぶりに、五年振りにお墓に行ってお線香をあげた。 「なかなか来れなくてごめんね。」 心の中でそう伝えた。    2017年2月、父が他界した。死に目にも会えなかった。兄や妹は父を看取ることができたが、遠く離れて住んでいる私だけが間に合わなかった。    亡くなってから今まで、私の夢

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        愛ちゃんを探しています

          ご自愛

           手指が痛くて、何をするにも何だかやる気が出ない。    痛みで何も出来ないというレベルではないのだけれど、触れれば軽い痛みがある。動かすとやっぱりちょっと痛くて、滑らかな動きが出来ない。特に朝方は、グー・パーが出来なくて、中でも薬指と小指がカクカクして上手く動かない。そんなのがここ数年続いている。    ペットボトルのキャップが上手く開けられなかったり、包丁や鍋を持つとき痛みが出たり、ごみ袋を結ぶのに時間が掛かったりと、小さな不便が積み重なって、地味にメンタルにきている。

          シャドーワーカー

           シャドーワーカー=陰で働く人。主婦の家事労働など、報酬を受けない仕事をする人を指す。  今や共働きは当たり前になってきたし、専業主夫なども認知されてきたが、未だに家事の多くは女性の仕事とみなされ、多くの既婚女性が育児、介護、家事に日々奮闘している。    シャドー。なんて悲哀の籠った響きなのだろう。    シャドーボクシング。敵を想定し、パンチやステップワークなどの練習を一人黙々と行う。目の前にいる「見えない敵」に向かい、腕を力強く振り抜く。あらゆる攻撃をイメージし、何回も

          シャドーワーカー

          えんぷちぃ ~ empty 空っぽの ~

           仕事の疲れを引きずったままの体で、冷蔵庫からペットボトルの水を取り出しグラスに注ぐ。冷たい水が胃までどうやって到達するのかが分かるほど、乾いていた。まだ足りない。    今年の夏は日本各地で、世界各地でと言った方がいいのか、とにかく「災害級の暑さ」に見舞われ、私が住む北海道も例外ではなかった。ここ数年はそんな夏が続いていて、年を追う毎に酷さを増している。  元来、北海道の夏はもっと涼しかった。結婚し北海道に移り住み二十数年、クーラーが絶対に必要なアイテムになったのは、ほんの

          えんぷちぃ ~ empty 空っぽの ~

          すき

           先週末、子供の通う高校の学校祭に行ってきました。  我が子の通う学校は、芸術分野に特化した学校です。  演劇やバンドなどの舞台発表、授業や部活動で制作した作品の展示など、どれも素晴らしかったのですが、中でもステキだなと思ったのは「趣味展」です。  絵画やイラスト、造形や木工など、授業で作ったのではない、その生徒さんが自主的に作った「じぶんのすきなもの」がたくさん展示されていました。 「すき」が溢れた空間。ほっこりと癒されるもの、緻密に作られた繊細なもの、エネルギー爆発な

          君の木

           君の葉が風に揺れている。今日は一日曇りの予報。せっかくの日なのにねと思う。  これは君が保育園に通っていた頃のお話。妹のはるが生まれ、二人の育児にバタバタで、詳しくいつだったかは思い出せないんだ、ごめんね。  はるちゃんを連れて君と散歩に出掛けた。天気も良かったし、風も爽やかで絵に描いたようなお散歩日和だったからね。家を出て、少し大きな通りに出る。と言ってもここは北海道の田舎町、車の通りはほとんどない。    しばらく行くと、町の職員さんが数人、街路樹の枝打ちをしている

          さてさて何をしようかな

           はじめまして、『あやの』と申します。神奈川県出身、北海道在住の50代です。夫の転勤に伴う引っ越しの数々、その度の転職、子育てのバタバタ。あっという間の20数年でしたが、下の子が寮のある学校に進学し、最近少しは自分の時間を持てるようになってきました。そしてふと気づいてしまいました。  やりたかったこと、いっぱいあったんです。昔は自由に飛び回っていたんです。ヒマラヤが見たいとネパールに行き、朝焼けに染まる山々を眺めて心打たれたこと。アルゼンチンやウズベキスタンで日本語を教えてい

          さてさて何をしようかな