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マネジメントについて考えてきたこと

インフラトップを創業して経営をしてきた中での考え方や価値観をまとめています。インフラトップのメンバーに向けたメッセージではありますが、約6年間会社を経営して得た経験や思考が誰かの役に立てたらと思い、noteで公開することにしました。

※時代や会社のフェーズにより今後変わっていく可能性はあります。
※先輩経営者に教わったこと、本からの学びも一部含まれています。

<経営ってなに?>
・何をやるか(&何をやらないか)を決める
・リソース(人、金、もの、ナレッジ、ネットワーク等)を調達し、配分をする
・人を動かす(成果を出させる)
マネージャーに求めるのも経営スキルであるが、プレイヤーになればなるほど既定の戦略の上で意思決定を行うことになるので裁量権や権限が小さくなります。

<マネージャーって何すればいいの?>
一言で言うと「メンバー(部下)に成果を出させる事」です。成果を出させるために必要なものすべてを、マネジメントと呼びます。

メンバーに成果を出してもらうためにはいくつもの要素があります。
・戦略を理解していること
・キャリアプランから現在のタスクへの落とし込みが行われていること
・適切な目標設定が成されていること
・心理的安全が確保されていること
・風通しの良い組織であること
・常に学びを得ることができて日々成長を感じることができること
などなど、枚挙にいとまがありません。

ここでクルーズ小渕社長の学びのあった言葉を紹介します。
『バグを直さない』
・重要なKPIをとにかく伸ばすこと。全部やろうとしない。目の前にあることに飛びついて着手をしない。
・バグは気になるが、実際バグを直してもサービスはあんまり伸びない。自己満足になりがち。

まさに経営&マネジメントだなと思っていて、限られたリソースを成果の出る仕事に集中特化して突き抜けることの重要性が説かれています。マネージャーでやってはいけないのは『優先順位をつけないで、全部やろうとすること』です。リソース調達ができなかった場合に、どんどんすり減っていく割に成果が出ません。『やるべきことを見定めて、集中的にリソース投下』を意識していきましょう。

また、自分が全知全能でいようと思っているマネージャー、リーダーは組織を自分の力量以上に伸ばすことはできません。少しビビりくらいのマネージャーの方が成長も鈍化せずに成果を出し続けやすいと思います。


<意思決定をすること>
意思決定をするということは何かを捨てることです。
やらないことを決めるということは可能性を失うことです。「全部やる」「目の前にあることからやる」というスタンスだと経営やマネージャーはできません。

そして、結論が同じである場合意思決定は早ければ早いほどいいですが、その際に気をつけるべきことは可逆なのか、不可逆なのかということです。例えばオフィスの席の配置を変える、マーケコストの予算の分配を変える、キャリアカウンセリングの回数を変えるなどは可逆の意思決定です。社名を変える、店舗を出す場所を決める、採用するなどは基本的には不可逆です。戻れない意思決定なのでより慎重になる必要があります。

この2つを切り分けて「どこまで考えるべきか」をその都度決めるべきです。ただし、実態としてはほとんどのことが可逆だと思っています。足を止めないことが重要であり、どんどん意思決定をしていきましょう。

<採用について>
最高の採用とは、マネジメント工数0でも120%の成果を出す人材の採用です。「自分の言うことを聞く素直な子」ではなく「圧倒的に成果を出す、自分の立場を脅かす人材」を採用するべきです。そういった人材を採用すると、成果による突き上げが起きて自分自身がとても成長することができます。自分の目先のポジションなんぞ気にせずに、どんどん優秀な人材を採用して、自分自身も成長していってください。


<業務改善のアプローチ>
だめなリーダーは、その業務を実施する前提で簡素化から考えます。良いリーダーは、その業務を取り除くことから考えます。”そもそもやる意味ある?"から考えるのがあるべき姿です。改善というのは思いのほか考えることは少なく、簡単です。


<マネージャーに期待すること>
一言でいうと『時代を創造していくことができる22世紀人材』

スタンス
・オーナーシップを持って事業推進を行ない、結果にコミットすること。
・自己利益のみを考えず、自我を常に広く持ち全社をはじめ社会目線を持てていること。
・事業成長を念頭においてリソース分配、業務の優先順位づけができていること。
・インフラトップのビジョンへの理解が深く、ビジョンを自分の言葉で語れること。
・常に成長、変化をしていく上での素直さを持ち合わせていること。
・与えられる仕事をこなすのみではなく、自ら課題を発見し取り組み成果を上げることができること。
・常に情熱を持ち、諦め悪く取り組むことができること。
・指摘をされたり、提案をされた際に自己防衛をしない。自分へのプライドは捨てて、成果へのプライドを持つ。

スキル
・課題の洗い出しから、戦略や戦術の策定ができる。
・必要なリソースを調達してきて、必要な分配、配置ができる。
・メンバーにミッションを落とし込み、サポートをしつつ、成果を出させることができる。
・理路整然とシンプルな議論、提案ができる。
・担当領域に対して誰よりもエキスパートでいる。自分が何者であるかを語れるようにする。
・人の気持ちを理解し、受け入れた上でのコミュニケーションをとれる。

パーソナリティー
・卑しさがなく、人として誠実で真っ当であること。
・ポジティブとネガティブをコントロールできること。
・誰からも信頼のされる人間であること。良い関係を構築していくこと。
・業務の設計からメンバーへの落とし込みを行うこと。
・メンバーが目標達成をするために必要なサポート、教育を行うこと。
・メンバーに目指される人物になる。

<部下への向き合い方>
部下はクライアントです。
・どうしたら部下が手柄を得られるかを考える。
・部下の為になることは何かを考える。 
・部下が成果を出すまで辛抱強く見守る。

部下のレベルによってマネジメント方法を変えます。
1:業務知識やスキルがない
一方的に細かく指示をする"教示的なスタイル"がいい

2:業務にある程度は慣れているが、不十分な点がある段階
仕事をやる意義など知識やスキル以外の"説得的なサポート"を行う 

3:業務は一人でできるようになったが、マンネリ化してきている
一方的な指示は減らす。精神面でのサポートを強める。主体性を尊重して"参加的なサポート"を行う。自ら考える力を養う。

4:高い成果を出せる専門家として信頼できる段階
思い切って意思決定まで任せる。"委任的なスタイル"。責任感を持たせる。


<手本を示して、権限委譲をする>
チームはリーダーの性質を体現するものです。あなたが気にすることはチームも気に掛けるようになります。あなたが細部に注力すれば、チームも細部に注力するようになります。


<しつこく伝える>
自分の会社のミッションやビジョン、KPIや会社にとって重要なことは、壊れたレコードのように繰り返し口にしましょう。自分がいつもそれらについて考えていても、チームメンバーがいつも考えているわけではありません。ほとんどの人にとって記憶の中に本当に埋め込まれるには何度も聞く必要があります。チームの全員がまったく知らない人に対して、自分とまったく同じ言い方で説明できるようになったら、キーメッセージを十分繰り返し言っている証拠です。


<部下に威圧的に接しない>
上司の仕事はマネジメントであり、マネジメントとは成果を出させることです。威圧をすると心理的安全を失い、視野が狭くなったり思考力が低下したりします。そういった状況で高いパフォーマンスが発揮されることはありません。

ただし一定のプレッシャーは重要です。プレッシャーは覚悟を生み出すからです。最後に差がつくのは根性、やりきり力だと思います。

威圧とプレッシャーの違いは一方的かそうじゃないかです。威圧は一方的に押し付けられるものですが、プレッシャーにはコミュニケーションがあります。コミュニケーションがあるので納得をして取り組むことができます。ちなみに威圧的な人はコミュ力が低く、臆病だったり、見栄っ張りだったりします。


<オフィスで不機嫌でいないこと>
マネージャーはメンバーが常に意見を言いやすい状況を作る必要があります。メンバーを萎縮させたり、気を遣わせすぎたりするとコミュニケーション頻度が減ります。コミュニケーション頻度が減ると言うことは、認識のズレが生じやすくなります。認識のズレが起きるとアウトプットのズレが起きたり、問題解決への着手が遅くなったりと成果を下げかねません。


<採用 vs 教育の話>
基本的に自分たちよりも優秀な人材を採用していくべきです。ここは最短でやるべきことです。ポジションの入れ替えも必要に応じてやっていきます。ただし、メンバーに対してのチャンスの提供、教育は上長が全力でコミットしているべきかなと思います。機会や教育を提供しないで、より優秀な人材を採用してリプレイスいくのは正直簡単ですが、ある種マネジメントの怠慢かなと思っています。教育のリソースがないからしない、というのは会社の問題です。会社の問題を働く人に押し付けてはいけません。


<採用会食について>
事前に目的を設定することが必須です。
・相互理解、仲良くなる事
・飲んだ際の人格面チェック
・会社の魅力づけ
などなど

下記を意識していくと良い場になると考えています。
・会社の課題を伝える場合は、「課題を解決するために、あなたに来て欲しい」というような形で入社意向を高めてもらう形で伝える。
・泥酔をしない。泥酔をすると人は気が大きくなります。感情的になり、表現や伝える内容がtoo muchになりがちです。
・相手のキャリアビジョンを把握して、インフラトップで働くことによっていかに実現されるのかを伝える。


<退職について>
全ての退職が不幸ではないです。会社のフェーズの変化によってやりたい事ができなくなったりバリューが発揮しづらくなったり、他の領域でチャレンジしたいなど、退職の理由は様々です。事実、組織にとってポジティブに働く場合も多くあります。水の流れがないと池が腐っていく(腐敗しやすい)のと同様で、流動性があることはとても自然なことです。


<キャリアパスを作る>
メンバーに対して月に1回は、2〜3年間でキャリアのどの辺りに到達したいかを聞きましょう。一緒にプラン作りに取り組み、必要なスキルや経験が得られるよう助け、思い描くキャリアに到達するよう導いてあげましょう。

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