大人の正義感

先日、買い物をしていたときに、隣のレジで50代前後くらいの男性が
店員に対して、ひどく詰め寄っていた。

理由は分からないけど、聞こえてくるものはいちゃもんのようなものだった。
色んな人がいるけど、だんだん並んでいて気になってしまう。

「お前は〇〇人か?」というような差別的な言語を聞き、はっと顔を向けたら
その男性が「気持ち悪い顔しやがって」と、言ったのが耳に入った。

店員さんはじっと下をむいて、申し訳ありませんと小さくつぶやく。
目に入ったのはアトピー性の皮膚炎を持っている女性だった。

もうそこからは、反射神経のように「は?今のあなたの顔のほうがよっぽど気持ち悪いんですけど?彼女のどこが気持ち悪いっていうの?」と
本当に何も考えずに口に出てしまった。
男性はものすごい剣幕で私に怒鳴りかかってきたけど、やっぱり許せなくて「ひどいものはひどいですよ。何も気持ち悪くない。さっきから聞いていたけどひどいことばっかり言ってたじゃないですか」みたいなことを
たぶん言ったんだと思う。

肩にかけていたバッグを思いっきり引っ張られて、さらに怒鳴られたけど、それでも絶対に絶対にここは泣いたらダメだ、引き下がってやるもんか。って
ひきどころが分からず、にらむしかできなかった。

そこにセキュリティの人が来て、その男性は連れていかれ、知らぬ間に女性店員は泣かせてしまった。

その後、事情を話して店長にも女性にもお礼を言われたけど
お店には本当に申し訳のない、大人げない行動をとってしまったのだと反省せざるえなかった。
完全なる迷惑行為だったと思い、再度謝罪の連絡を入れた。

帰ってからも「どうしてそんなことを言ったの?」と周りからはさんざん責められた。

「危ない目に合っていたかもしれない」とか。「あやかだって相手の男性にひどいことを言っているでしょう」とか。
何が正しい答えだったのか分からない。ただただ私の中の正義感のようなものが爆発して怒りになった。ただそれだけなんだと思う。

「正義感が強すぎる」

幼稚園の面談で母に先生が言っているのを横で聞いていた。
守ってあげなくちゃ、ひどいことをするなんて許せない、そうした感情が強いんだと思う。

今となれば一つのパーソナリティーだなと思えるが、その時に先生は「そうした正義感の強さは輪を乱す原因になるので、、、」と言っていた。

今でもその時の景色が頭に焼き付いていて「私は正義感が強すぎるのだから気を付けなくては」とどこかでいつも思い返している。
今回はこうした正義感の強さを自分で痛感することとなった。

あなたなら、どうする?

海外の番組でこうした「あなたならどうしますか?」という検証番組を皆さんはご存じだろうか?

目の見えない人に「100ドルのお返しです」と1ドル渡していたらどうするのか?スーパーで働く自閉症のスタッフに「早くしろよ、障がい者!」と怒っていたら?など
社会に起こることに対して「あなたならどうするか」を問う、おもしろい番組だった。

問題やトラブルに対して巻き込まれたくない、何らかの事情で立ち向かえない、そうした無視や無関心な人もいれば
しっかり向き合って自分の意見を通す人もいる。

まさに今回それを体験したんだと思う。一体みなさんならどうするんだろうか。

本当の大人の正義とは何か。

人の正義というのは、それぞれ持っている者が違う。
何が正解なのかというのはとても難しい問題だと思う。

改めて辞書で正義とは何かと調べると
「正しい道理。人間行為の正しさ。」と出る。

一体正しい道理とは、人間行為の正しさとは何なんだろう。
私は強い信念を持って、思いやりの心を忘れず生きていくことだと自分で思っている。

子どもの頃は、相手の顔色だとか社会の仕組みなんて知らないから
「悪いと思ったことは悪い」だった気がする。
ルールがあるなら守るべきだし、タバコのポイ捨てを見て「いけないんだよ!」と
素直に言えていた気がする。

大人になったことで空気を読み、周りの目を気にすることで
正義を持たない人も沢山いるような気がする。

面倒なことに巻き込まれなくない。
徹底的に避ける。それも一つの選択肢だ。

今、私自身、自分の正義を持つことで人生は大きく変わっていくのだと感じている。

4歳の私は「正義感が強すぎる」と言われたけど、泣いている年下の子を慰めざるえなかったし、原因に伝えたくて仕方なかった。
「あなたの言ったことで泣いてるんだよ」って。
敗れた本は、その本人が直さなくちゃ、大切さなんて分からないから「やぶったでしょ?直して」とけんかになった。
だって言わなきゃ分からないでしょ。自分が傷つけているのかどうかも。

「すぐ文句言うから、あやかちゃん嫌い」
別に好きになってくれなくてもいい。間違っていると思うことに、きちんとそれは違うんじゃない?って。少しだけ優しくて誰かのためになることを私はしたかった。

人それぞれの正義があるからこそ、私たちはぶつかっても
前に進んでいけるんじゃないだろうか。
ちょっとの正義感はきっと誰かを救う日が来ると思うから。

今一度大人の正義感について私は自分を振り返りたい。


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