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レディーファーストが女性差別である理由

こんにちは、新米フェミニストのあやなです!

ワンピースを嫌いって言う人、会ったことありますか?
ないです。

私も数多いワンピースファンの1人です。特にアラバスタ編が好きです!ビビとの別れのシーンもさることながら、サンジとボン・クレーの戦いのシーンは涙なしでは読めません。読みながら、だばだば泣きました。

今も昔と変わらず、ワンピースもサンジも大好きだし、作者の尾田先生のことを心底リスペクトしています。あの人はガチの天才だ。

でもジェンダーを学ぶようになってから、思ったことがあります。

レディーファーストの化身みたいなサンジって女性差別してるんちゃう…?

結論からいうと、レディーファーストは女性差別です。

ということで今回は、私がそう考える理由についてお話します。

今のレディーファーストの意味は昔と真逆

一般的なレディーファーストは、こんなのがあるみたいです。

車道側を歩く
重そうな荷物は持つ
車や店のドアを開ける
デート代は男性が奢る・多く出す
席を譲る・ソファー席に座らせる
注文は男性がまとめてする
気遣いができる

ツッコミたいところがいっぱいです。
「気遣いができる」とかそもそも人としての話やないかーい!

あなたはしっかりツッコめましたか?ツッコめなかった人は、ぜひジェンダーツッコミの腕を磨いてもらいたいです。

話が逸れましたが、言いたいのは最近のレディーファーストは男性が女性を立てるものだということです。

しかし、そもそものレディーファーストの意味はこれと異なります。

もともとレディーファーストという言葉は、中世ヨーロッパの上流階級において、女性が男性を立てるためのマナーでした。

そのため、当時のレディーファーストの具体例はこんな感じでした。

・女性は男性よりも早く起きて身支度を整え、男性を出迎える
・玄関などのホールには男性よりも先に入っておき、男性を出迎える
・食事の時は男性よりも早く着席して男性を出迎えるようにし、男性よりも先に食べ終えて退席する

今のレディーファーストとは真逆ですね。

女性が男性を立てるためのマナーとしてのレディーファーストが生まれた理由は、非常に衝撃的です。いくつか紹介します。

「先に部屋に入らせることで女性を盾とした」
「先にご飯を食べさせることで毒見をさせていた」
「窓から捨てられる汚物 (当時のヨーロッパでは水洗トイレなどなかったので、バケツに貯めた排泄物を窓から捨てるのが一般的でした) がかからないように男性が車道側を歩いた」

当時、女性の立場が完全に男性の下であったことがわかります。

このようなレディーファーストの意味は、フェミニズム運動によって、今のような意味へと大きく変わりました。

好意であっても差別は差別

「昔のレディーファーストは確かに酷いけど、今のは優しさやから差別じゃないやろ!」という声が聞こえてきそうですが、本当にそうでしょうか。

「あなたのためを思って…」と言われてされたことって、自分にとっては実は迷惑なことだった、みたいな記憶ってありませんか?

レディーファーストをしている男性に悪意がなく、優しさからしている場合であっても、女性にとっては不利に働くことがあります。

悪意ではなく、好意でしてしまっている性差別のことを心理学の言葉で「好意的性差別」と言います。(「好意的性差別」についてより詳しく知りたい方はこちらの論文を読んでみてださい。[問題と目的] [まとめ] だけでも!)

「好意的性差別」は、なぜ女性に不利に働くのでしょうか。

職場での上司の発言を例に考えてみます。

上司「あの女性は仕事がよくできるけど、お子さんがいて子育てが大変だろうから、負担の重い仕事を任せるのはやめておこうかな。」

たぶん、この上司は「いい人」です。子育て中の女性を気遣ってくれています。子育てをするのは女性だ、という考えにとらわれていますが。

このような「配慮」によって、この女性は重い責任のある仕事を任されることはなくなり、誰でもできるような仕事をすることになります。

結果的に、この女性自身の能力が磨かれることはなく、昇進することも難しくなるでしょう。

どれだけ女性が仕事に対する熱意を持っていたとしても、です。

好意からの行動であっても、それは結果的に差別をしていることになります。

現実の職場では、しっかりと本人と上司とが対話をしたうえで仕事の割り振りや昇進が決められていることを願います。

ぬるま湯に浸かるんじゃねぇ!!

職場の例のような、わかりやすい「好意的性差別」に対しては納得してもらいやすいのではないかと思います。

でも、レディーファーストも同じです。

レディーファーストは「女性だから」という正当でない理由からされます。

正当な理由のない区別は差別です。

そして、好意からの行動であっても、それは結果的に差別です。

相手を想ってする行動は素敵です。でもそこに、女性だからとか男性だからとか、性別は関係ありません。

「好意的性差別」がなくならない原因の1つとして、「好意的性差別」を心地よく感じる女性がいる、ということがあります。

結婚したら専業主婦になりたいという女性にとっては結果的に昇進できなくなることは問題ではないし、男性に守られたい、頼りたいという女性にとってはレディーファーストが嬉しいでしょう。

そんな女性たちは、まあたしかに「可愛い」です。

でも私は、そんな方たちに心を鬼にして言います。

ぬるま湯に浸かるんじゃねぇ!!

「女性だから」という理由で得ているものは、その人自身の魅力や能力によって得たものではありません。

性別という括りではなく、あなた個人に対して思いやりを持ちたいです。

さて、今日のトップの絵は満足していただける出来だったのではないでしょうか。

尾田先生と私の絵のタッチが似てるのかもしれn

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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