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文章を書くことが本業じゃない人のエッセイが好きだ

エッセイというジャンルがとても好きだなぁと思う。

幼い頃から本を読むのが好きだったのだけれど、その中でもとりわけエッセイが好きだった。

生まれてエッセイというジャンルに触れたのは、さくらももこさんの『さくらえび』。あれは確かわたしが小学校2年生くらいだったような気がする。長崎のおばあちゃんのお家に帰省するために名門大洋フェリーで大阪港から門司港に向かっているその船の売店で、お母さんに買ってもらったのが始まりだった。新刊で初版の『さくらえび』。小学生だったわたしは、表紙の絵柄からして「ちびまる子ちゃん」の本だと思って手に取った。だけど、読み進めていくとどうやら違う。これは作者であるさくらももこさんの日常の本だということに気づいた。「なんや~まるちゃんじゃないんや~」なんて思ったのは一瞬で、気が付けばその面白さに引き込まれていたし、一瞬で読み終えていた。

そこから、エッセイ好きに火が付いた。今まで、色んな人の色んなエッセイを呼んできたのだけれど、特にわたしが好きだなぁと思うのが、エッセイストではない人が書いたエッセイ。

何か別で本業を持たれている方が書かれるエッセイって、すごく面白い。その人の見えていなかった部分が見えるというか、表面しかしらなかった方の見えていなかった一面が見えるというか。「あの人ってこんな印象だったけれど、こんな文章書かれるんだ!」っていう驚きとか「日常でこんなこと考えているんだ!」っていう新しい発見とか。

だから、作家が本業ではない方のエッセイとかも、すごく楽しく読めるタイプ。

エッセイはダントツでさくらももこさんが大好きなのだけれど、それ以外だと、星野源さんの書く文章とかもすごく好き。

つい昨日『よみがえる変態』を読み終えたところなのだけれど、なんだかもううなってしまった。これは星野源さんがくも膜下出血で倒れた時期に執筆されていたものだから、倒れた時のこと、手術のこと、その後の入院のことなんかも書かれてあるのだけれど、それが辛いとか暗いとかそんな一辺倒な感じではなくって。きっと誰が経験したってしんどくて辛いもののはずなのに、こんなにもコミカルかつユーモラスに文章に出来ることが本当に衝撃だった。1ページがまるまる「痛」の一文字で埋まっている本なんて後にも先にも見たことがない。

新垣結衣さんと結婚したことで『いのちの車窓から』がすごく話題になったけれど、わたし的に一番面白いと思う星野源さんのエッセイは、王道かもしれないけれど『そして生活はつづく』。

こんなに当たり前の日常を面白ろがれるのかと、その才能に唸ってしまった。読んで損はないエッセイだと思っている。


他にも、本業がエッセイストではない方が書かれたものの中で面白いなぁと思ったのが、片桐はいりさんの『わたしのマトカ』。

阿佐ヶ谷姉妹のおふたりが書かれた『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』。

ハライチの岩井勇気さんの『僕の人生には事件が起きない』。

どれも本当に個性的で、その方にしか書けない文章だなって思う。ありふれた毎日だったとしても、誰かを通してみる日常って、自分のものとは全然ちがっていて、すごくすごく面白い。

誰かの当たり前は自分の当たり前ではもちろんないわけで。エッセイを読むことでそんな誰かの当たり前というフィルターを通して見える世界っていうのがたまらく好きだ。

もっと色んな人の日常を読みたいなって思うから、まずはそう思うなら自分からと思って毎日こうしてせっせと自分の何でもない日々をこのnoteに記録している。読んでくれる人がいたら嬉しい。いなくても書くけど。


この世の中には読みたい書物がたくさんある。読んでも読んでも読み切れない程たくさんの本がある。それって幸せなことだな。

また面白い本に出会えたらいいな。


そんなわけで、今日もおつかれさまでした。



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