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等身大であるということ~スライバーでなく一生サバイバーだ~


前回「性被害当事者はマイノリティではないけれど、性質上いないものと思われやすく、結果マイノリティとして捉えられやすい」というお話をしました。



重複しますが、だからこそ私は今自分が生きている人間であること、

等身大であるということをとても大事にし、強く意識しています。

当たり前に生きている人間であることを示したいから実名と顔を出していて、誰もが考える必要のあることだと思うから、日常に感じる違和感などを、特別な知識がなくてもわかるような言葉や感覚に落としていくところから始めたいのです。

私は人前で語って長いこともあり、実際だいぶ悟ってしまっているところもありますが、

凄く強い人に見られたり、逆に過度に弱い人間として扱われることがとても多いです。

苦しくて声も出せない、動けないで泣いて絶望するしかない状態か、悟ったり回復して乗り越えて幸せな人として振る舞うか。

どちらかしか当事者として認められない。

そんな空気を感じています。

そもそも性暴力被害について語るときっていろんな呼び方があります。

性暴力被害者、性犯罪被害者、性被害者、性暴力被害当事者。

性被害当事者

また被害者(victim)・サバイバー(生存者・逆境に負けない人)・スライバー(乗り越えた人・成功者)

うーん…

自分でも表記揺れするこの使い分けって難しい…

悪質でありながら実際性犯罪として法で認められていない性暴力被害がたくさんあるので、性暴力という言葉が必要になってきます。

イメージが伝わりやすいから便宜上性犯罪被害者と言う事はありますが、自分の複数の経験の中で実際法で裁かれているものが少ないので性犯罪被害とはあまり言いたくないんです。

また被害者という言葉もなんとなく嫌で、性暴力と聞くとDVのみを思い浮かべる人も多いし、更に聞きたくない響きの言葉になっていく。

自分としては「サバイバー」がしっくり来るし使いたいけれど、認知されていなくて伝わりにくいので、

「性被害サバイバー」や「性被害当事者」を使い分けたり併記して使うことが多いです。

回復の段階によって使い分けられることもあるのですが、

「スライバー」という言葉、私はあまり好きでないです。

そう簡単にわかりやすく「乗り越えた」と本人が思うのも危険だし、周囲が「乗り越えた」と決めつけるのもとても危険に感じています。そんな簡単に切り分けられるものではないのではないでしょうか。

「当事者」や「サバイバー」といったようなラベルを貼る必要がなくなることはあると思います。しかしその経験や事実は自分の中にずっとあって付き合っていくのです。

「被害者である」と強く感じたり・そう見える、苦しくて辛いどうしようもない状態もあるでしょう。そして、気持ちが落ち着く(スライバーになったように見える状態)からまた突然苦しむこともいくらでもあるでしょう。

もちろん早い段階で適切な対応をされているかで変わると思いますが、

被害から年月が経ってもう落ち着いたようにみえる私より一回り以上歳上の方でもまだ突然苦しむことはあると聞きます。

それでもね。

生きづらくてもサバイバーでも

苦しいこともあるけれど楽しいことだってある。

落ち着くことも幸せなこともある。

楽しいから苦しいことがないわけじゃないし、苦しいから楽しいことがないとも限らない。

だって私は今まさに生きているから波があり、揺れ続ける。

だから私はきっと一生サバイバーだと思っています。

当事者として求められているイメージにそぐわない自分に悩むこともあります。

それでも私は私ですし、泣いてどうしようもなく苦しんでいなくても、完成されていなくても今まさに揺れながら生きている。そういう当事者だっていていいし、たくさんいるはず。

A-live connectでもSEX and theLIVE!!でも大事にしたいことは

今まさに生きているということ。

「生きるをつなげる」というのが、A-live connectのキャッチコピーです。

だからそのコンテンツであるSEX and the LIVE!!も、様々な経験があって活動し発信することを通じて多くのことに気付いた人たちだけれど、今まさに悩んで生きている。

もちろん動いて試行錯誤して考えてきた分、私たちから教えたり伝えられることもたくさんあると思っています。

ただ、それだけでなく幸せに生きられるように模索している最中の私達自身がが語り、発信し問題提起をしながら一緒に学び、動いていくことで考える機会を増やしたい。

11/19にはキックオフイベントも開催します。

まさに等身大で生きている私達SEX and the LIVE!!の4人のアクティビストと一緒に、語り、学び考えませんか?



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