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ガルシア=マルケス「百年の孤独」を読んで/本の話

 ガブリエル・ガルシア=マルケス「百年の孤独」を読んだ。

 まだ記憶に新しいが、出版関係や本好き界隈で7月一番盛り上がったトピックスはこの本に関してだった。

「百年の孤独」私は名前は聞いたことがあるくらいで、しかもそれだってお酒の方の知名度でかもしれないくらい、何も知らなかったのだけど、名作らしいので時流に乗って読んでみた。
 
 感想を短くまとめると「なんかよくわからないんだけど、それ故に続きが気になって最後まで読んじゃた。でも読み終わっても結局よくわからなかったし、人にはすすめないかな。でも読んでよかった」だ。
 そう、面白かっんだけど、どこが面白いのか言えない感じのお話だった。

 もう少し突っ込んでいうと、まず慣れるまで大変読みにくい。いかんせん登場人物たちの名前がややこしい。始まりの男ホセ・アルカディオ・ブエンディア。うん、日本語では馴染みのないひびきで、さっそく難易度上がるんだけど、さらにこの人の子孫たちに名前の一部分が継承されていって思考は混乱していくばかり。
 長男がホセ・アルカディオで、その息子(つまり孫)がアルカディオで、その息子(つまりひ孫)がホセ・アルカディオ・セグンド、2番目のひ孫はアウレリャノ・セグンドで、、、てな感じ。巻頭に家系図がついている意味がよくわかる。時折その家系図をみて頭整理しながら読み進める感じ。兄弟で不倫する相手が同じだったり、同じ人を好きになって取り合ったり、、、を違う世代で繰り返したりするから、何度もあれ?この人って、、、あぁそっか、、、とかなる。
 それでもしばらくすると不思議と慣れてくる。そして物語進むスピードが早いから、停滞感はない。むしろ委細かまわず突き進んでいく。ぼぉっとしててはいけない。
 あと。基本的にリアルな感じで進んでるののにいきなり魔法?とかファンタジー要素がブッ込まれるので刺激的。
 はちゃめちゃだし、支離滅裂だし、誰にも感情移入もしなけりゃ親近感もわかんのだけど、読めば読むほどこの一族の末路を最後までしかと見届けなければという思いに駆られてページを捲ってしまう。

 ページを捲るてが止まらないということは、それ即ち面白かったということ。でも、面白さは分からない。そして万人受けはしなさそうだから人にはすすめない。なので読後の感想が、冒頭に書いた通り「なんかよくわからないんだけど、それ故に続きが気になって最後まで読んじゃた。でも読み終わっても結局よくわからなかったし、人にはすすめないかな。でも読んでよかった」になる。
 
 「百年の孤独」の面白さを強いて、、、、牡蠣の美味さかしら。牡蠣って美味しいけど、味が複雑で他の食べ物に例えられない独特さがある。どんな味って言われてもうまく言えないけど、でも美味しい。しかし、感じ方によっては生臭いだろうし、食感が気持ち悪いという人もいるだろう。万人受けするかは微妙。うまく言えないけど私は美味しくて好きです、的な。  
 「百年の孤独」もそういう感じ。私は面白かったし、好きな人も多いけどあなたも好きかは自分で読んでみないと分からないかもしれません、といった感じ。

百年の孤独の副読本として、友田とん「百年の孤独を代わりに読む」という本があることを知った。面白いらしいので、今度読んでみようと思う。

本は面白い。

栫彩子(カコイアヤコ)関西が拠点のフリーのフローリスト。
店舗を持たず、受注制作でアレンジ・花束を制作し宅配便でお届けしています。書くことも仕事にしたい。趣味は読書と英語と3DCG。



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