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《聖書-4》バベルの塔

こんにちは。
Ayaです。
聖書第4回の今日は『バベルの塔』についてです。
第3回で天使をとりあげたのは、アブラハムの話を書きたかったからでした。しかし、聖書を読み直したところ、その前にバベルの塔の記述があったので、予定を変えて、バベルの塔を取り上げます。

バベルの塔

ノアから何世代か経った後、人々の文明は再び繁栄を取り戻しました。人々は煉瓦とアスファルトを使って、

「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう」
創世記11-4

と塔の建設を始めます。

ピーテル・ブリューゲル(父)『バベルの塔』
1563年版

「彼らは一つの民で、皆一つの言葉を話しているから、このようなことをし始めたのだ。これでは彼らが何を企てても、妨げることはできない。我々は降って行って、直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう。」
創世記11-6,7

と神は人々の言葉をばらばらにしてしまいました。突然言葉が通じなくなった人々は混乱し、この町を放棄して離散してしまいました。そのため、この町は『バベル(混乱)』と呼ばれました。

『バベルの塔』の話はたったこれだけです。こんなに短いエピソードですが、信者ではない我々までも知っているのは、ピーテル・ブリューゲル(父)による作品の影響が強いのでしょう。ピーテル・ブリューゲルはちなみにもう一枚、『バベルの塔』を描いています。

ピーテル・ブリューゲル『バベルの塔』
1568年

どちらも制作当時の建築技術を取り入れて描いたとされています。しかし、実際の『バベルの塔』はどんなものだったのでしょうか。
『バベルの塔』のモデルは、古代メソポタミアで建てられた『ジックラッド』という建築物だとされています。

『ジックラッド』
古代メソポタミア文明の遺産

この『ジックラッド』、ユダヤ人たちを苦しめた新バビロニアという国家が重用していた施設でした。
そのため、私は『新バビロニアを風刺するためのエピソードではないか』と思ってしまいます。
『なぜ世界にはたくさんの言語があるのか?』という疑問は、誰しもが人生に一度は思う疑問でしょう。この疑問と新バビロニアへの不満がこのエピソードを作り上げ、ついには聖書にも取り入れられることになったのではないでしょうか。

とても短いですが、今回はここまでです。実は『バベルの塔』書くことがなさすぎて取り上げるが迷ったのですが、私の卓上カレンダーがブリューゲルの『バベルの塔』だったので、これは取り上げろということかと観念して書きました。

私の卓上カレンダー

次回はもともと予定していた『アブラハム』についてです。彼については書きたいことが多すぎて、いつもの長い投稿になるかと思います笑

《神話》・《聖書》のマガジンのタイトルにそれぞれ番号をつけました。ギリシア神話はそれほどではないですが、《聖書》のほうは時系列にとりあげてますので、番号を参考にしていただければと思います。


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