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『遠山陽子俳句集成』(素粒社)と遠山陽子著『三橋敏雄を読む』(弦楽社・私家版)

佐藤文香 Sato Ayaka

素粒社より『遠山陽子俳句集成』が刊行されました。既刊5句集に新作「輪舞曲(ろんど)」を加えた、重厚かつのびやかな俳句集成です。充実の自筆年譜、永島靖子さん・福田若之さんによる解説も収録され、読み物として大変面白く、遠山陽子さんらしい一冊に仕上がっています。

★第37回詩歌文学館賞・俳句部門を受賞しました。 ※未刊句集「輪舞曲」部分が対象となったそうです。
★第21回俳句四季大賞を受賞しました。

父ほどの男に逢はず漆の実
白芥子をまはり躰が逢ひにゆく
卯月浪この子を抱き飽きにけり
もう誰の墓でもよくて散る桜
桃と桃かすかに触れてゐてこはい
謎のないわたしと老いた梟と

遠山陽子 (とおやま・ようこ) 
1932年東京生まれ。「馬酔木」「鶴」「鷹」を経て三橋敏雄に師事。2012年、600ページを超える大著『評伝 三橋敏雄―したたかなダンディズム―』(沖積舎)を刊行。句集に『弦楽』『黒鍵』『連音』『高きに登る』『弦響』。茨城文学賞、現代俳句協会賞、桂信子賞など受賞。

佐藤は作品のまとめなど、一部お手伝いをさせていただきました。

あわせて、『三橋敏雄を読む』(弦楽社・私家版)が刊行されました。

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こちらは、遠山さんの個人誌「弦」連載の「三橋敏雄を読む」をまとめたもの。三橋敏雄は、遠山さんの師です。初期作品から『しだらでん』以後までを、遠山さんが自在に選び、ときに鋭く、ときにあたたかく読み解きました。巻末には俳人・三橋敏雄の人柄がうかがえるエッセイ2篇を収録。どこから読んでも三橋敏雄を感じることができます。

★「俳句界」4月号、川名大氏による「2021評論展望」にて取り上げていただきました。

(前略)本書がその規範(アナーキーな鑑賞へ逸脱せず、表現的構造を読み解くこと・佐藤註)に準拠して見事な鑑賞を実現し得たゆえんは、三橋の人生・俳句観・表現方法などへのリテラシーが高く、それらを効果的な補助手段として、三橋のまなざしを共有して規範を逸脱しない鑑賞を遂行したことによる。鑑賞は作品論から作家論へと及んでいる。(後略)

「俳句界」2022年4月号 川名大「2021評論展望 評伝/鑑賞の規範/回想の功罪」より 
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佐藤は加筆修正にかかわる編集作業をさせていただきました。瀬名杏香さんに文献調査、松井亜衣さんに校正のご協力をいただきました。

佐野裕哉さんに、二冊の装幀をお任せしました。
贅沢かつ繊細な、美しい書物となっています。文字組も素晴らしいです。

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『遠山陽子俳句集成』ご購入のお問い合わせは素粒社まで。

2021/11/20更新
『三橋敏雄を読む』は私家版ですが、下記2店舗にてお取り扱いいただいております。

葉ね文庫 大阪 中崎町
http://hanebunko.com/

本屋B&B 東京 下北沢
https://bookandbeer.com/

ほかにも置かせていただけるお店がありましたら、佐藤までご連絡いただければ幸いです。(四六判並製 ISBNなし・頒価 1800円)

遠山陽子さんは「悟空の会」で句会をご一緒している仲です。悟空の会は、中村裕さんの呼びかけで始まった、中村さん、遠山さん、私の3人の句会でしたが、中村さん没後、新たに鴇田智哉さん、福田若之さんに加わってもらって、続いています。

遠山さんの著作としては、『評伝 三橋敏雄ーしたたかなダンディズム』(沖積舎)がございます。まさに圧巻。

60年以上ものあいだ俳句を書いてこられた遠山陽子さんの作品世界、見てきたもの、考えてきたことを、この機会にみなさんにも味わっていただければ幸いです。

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