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自分をクズだと思い続け、病院に駆け込んで、赦された日

本日、ずっと隠していたことを
カミングアウトします

順を追って話すので、興味がある人は
最後まで読み進めてほしい

大学院の専攻はコーチング学系であった為、
修士論文の研究内容的に
母校の中学校のコーチ業と両立しなければいけない

ラグビーの練習は週に4回、朝早くに
実家から随分離れた葛飾区で行われていた為、

眠い目を擦りながら練習に出て
その後は学校に行って授業を受け、
放課後は中学生の部活指導

無い時には自主的にウェイトトレーニングか
研究室にこもってひたすら勉強

正直…キツい…!!

元々、直感でやってみたいって思ったことは
後先考えずに勢いで始める性格をしている為、

すぐにそのハードスケジュールに苦しめられ
自分のキャパを超えてしまうことに。

結果、全てにおいて中途半端な姿勢になり、
全てのコミュニティで迷惑をかけ始めた

これまでの話で、
あまり部活動以外に触れてこなかったが
正直に言おう

高校時代の揉め事の発端にもなった私の遅刻癖

これは歳を重ねるごとに
ますます酷くなっていった。

じゃあ、大学バレー部で何故無事でいられたのか?

それは、

一度でも遅刻しようものなら、
同期全員が連帯責任で

だだっぴろい青学アリーナのギャラリーの階段を
罪の大きさに応じた週数
ひたすら上り下りする「かいだん」という
罰を与えられる恐怖心が
強制的に私の目を覚まさせてくれた(笑)


私1人のせいで同期全員が罰を受ける
そしてみんなから ひんしゅくを買う

そんな恐ろしい事態は絶対に嫌だったので
部活が朝1番にある時だけは
脳が常にプレッシャーを感じていたみたいだ

けど、考えてみてほしい

鬼滅の刃のように「全集中の呼吸」を常日頃、
それこそ寝ている最中ですら出来る人は
現実にはあまり存在しない
(※世界は広いから、どこかにはいるかもしれないが)

どこかで誰もが気を緩める瞬間は確実にある
毎日プレッシャーを感じて起床はできない

私は、自分が遅刻しても
他者に迷惑をかけない状況であれば
確実に遅れるという悪癖が大学時代に染み付いた


要するに、朝1番の授業には常に遅刻していた。

実家から遠く離れていた1〜2年生時の
淵野辺キャンパスでの一限なんて
正直まともに行けた記憶が無い

二限や三限でも、自分1人では大体遅れていた

授業をしっかりと受けなければ
単位を取れない授業も沢山あった為、
本気で危機感を感じた時には

よく1人暮らしの同期の家に泊まりに行き
起こしてもらって授業に行っていた

前回までの話の私は、
人によっては健気な努力家に見えたかもしれないが

はっきり言って学校生活では完全にクズである

一言、言い訳させてほしい
何度でも言うが、

そんな自分を決して良しとは思っていなかった

(普通に時間通りに起きて学校行くだけでいいのに
何でそれができないんだろう…)

と、遅刻するたびにゲンナリしていた


しかし、幸運なのか不幸なのかはさておき
大学時代には「遅刻する私」が半ば呆れられつつも
周りの人にとっても見慣れた光景であった為、
ほぼ何も言われることなく

お世話になっていたゼミの先生には
何度もこっぴどく叱られたものの、
どうにか無事に大学は卒業できた。

しかし、大学院ではそうはいかなかった

一限から始まる院の講義もあり、
この時間を通して
院生同士がコミュニケーションを取り合い
M2からの修論執筆へのヒントを得ていく

どの院生も積極的に講義に来ており、
とりわけ私のゼミの生徒は研究熱心だった。

私も大学院では、今度こそ真面目に学校に通いたい

そんなモチベーションで、
2年も多く学生生活を続ける決心をしたはずなのだ

それなのに…

私の遅刻癖はますます酷くなっていた。

授業開始時刻を30分程過ぎてから教室に入る。
物凄く居づらい空気に襲われる。
何となく白い目で見られてる気がする。

その度、萎縮したし
他の院生との距離を感じるようになる

それに、アドバイザーでもある教授たちとも
後ろめたさから何となく目を合わせられなくて
コミュニケーションが取れなくなっていく

その為、ますます講義に出たくなくなる

また遅れる

負の連鎖だ…。

(明日こそは…明日こそはちゃんと起きて学校行く!)

そうやって寝る前に決心しても
次の日時計を見たら
起きる時間から1時間も過ぎていたりする。

そして とうとう言われてしまった。

「お前、何の為に学校通ってるの?」

「みんなちゃんとしてるのに、1人だけそんなんだと、悪い影響与えて迷惑だろ」

男子数名に言われた…。

どんなに私が遅れても
みんなに迷惑をかけてはいないつもりだった

けど、その姿勢すら迷惑だと感じる人もいたらしい

そりゃ私だってそう思うよ…

ちゃんとしたいよ本当は…!

正直何の研究やっていいのか分からないし
何から始めていいのかも分からない…!

なのに、先生から見て
私の印象もきっと悪いから
相談もできない…

どうしたらいいのか、わからない

どんどん精神が疲弊していった。
どんどん追い詰められていった。

そしたらついに学校だけではなく、

ラグビーの朝練や
コーチ業をやっている時の午前練習にまで
遅刻の癖が出始めた

最悪だ…

きっと私どこかおかしいんだ…

病気なんだ!!

だって何より自分が1番こんな状況嫌で
周りからも散々軽蔑されてるのに
どうしても起きられないなんて
変だよ!おかしいよ!!!

何で何で!?どうして!??

もう嫌だこんな自分…!!!

とうとう、M1の冬
またしても一限に遅刻した私は

泣きながら
近くの心療内科に自ら電話をかけた

その日のうちに、診察を受けることができ、

担当の先生から
今までのことを聞かせてくれと言われ
私は、遅刻が主な原因で
何度も人間関係がこじれたこと
どうしても治らないことを話した。

先生はしばらく、話を聞いてくれた後
今度はいくつか質問してきた。

「今まで、じっとしていられずに、教室を飛び出したことはありますか?」

「やるべき課題があっても、全く取りかかれないことはありますか?」

「何で同じことを言われてもできないの?と、怒られたことはありますか?」

「一気に沢山の指示をされて、パニックになったことはありますか?」

全て…答えはイエスだった。

幼少期から、思春期、大学時代、そして今、
あらゆる場面でそんな状況になった。

そして、カウンセリング、診断、知能テストを経て
先生から告げられた言葉。

「菅原さん、あなたは…

ADHD(注意欠如多動性障害)です。

だから…脳の前頭葉に障害があることで、
不注意の傾向が人より強い。

今まで話してくれたことも…

決してあなたが悪いんじゃない…

これは、一種の脳の病気です。
自分自身を否定しないでください」

ずっと

自分が嫌いだった。

みんなが当たり前のようにやっていることが
自分にだけできなくて、

自分だけずっと怒られて、

ずっと自分のことをクズだと思って生きてきた。

悔しいから、得意なことで頑張ろうと思ってたけど
根本的にずっと自信がなかった。

だから、

「あなたが悪いんじゃない」

と、初めて自分のことを赦してもらって

頑張れない私の性格に問題があるんじゃなくて
病気だったって分かったことで

どれだけ救われたか。

先生が続けて言った。

「けど、ADHDって悪いことばかりじゃないんですよ。

なかなか集中できないけど、
一旦集中し出したら、持続力があるし
行動力もあって、判断も早い。
好奇心が強く出る人が多いから、
得意分野では大成する人が普通より多いんです。


研究者やアーティスト、後アスリートにも結構いらっしゃったりしますよ。

だから、菅原さんもスポーツの道を志したのかもしれませんね」

そっか…ある意味
ADHDだったお陰で、今の私があるのか。

「知能テストも良い結果ですしね。IQ131ですよ」

へぇ…
高校まで赤点ばっかりで
自分のこと知能が低いバカだと思ってたけど
そんなことなかったのか

よく考えたら
テストの敗因は大体、

興味なさ過ぎて授業中に全て寝る
もしくは
前日まで勉強に取りかかれない
だったな…

根本的に理解できてないわけじゃなかったかも
今から思えば。
(※理数系は今でもダメ)

家族にそのことを告げたら、

もちろん、親はショックを受けていたし
しばらくその事実を受け止めるのに時間がかかった

周りの人には決して言ってはダメだと
就職に影響が出るからとも言われた

けど、もう時代は変わってきている

この病名は世間でもだいぶ認知されているし、
あえて私はこの場でカミングアウトさせてもらう

それ以来、現在も
私は毎日 夜寝る前に薬を飲んでいる

飲むと、頭の中が整理され
次の日ちゃんと起きられるようになる効果がある
(※万能ではないが)

他にも変化があった。

今まで感情任せに発言していたのが
自然と論理的に物事を考えられるようになった

頭の回転が前より速くなり
次から次へと様々な言葉選びができ
人との会話でも適した受け答えが即座にできるので
社交性がかなり上がった

何故か自分のやるべき行動が
直感的に分かるようになった

今までは全員が善人に見えていたが
不思議と人のことがよく見えるようになった
(※反面、今まで見えていなかった人の悪い面が目につくようになって、しばらく苦悩した)

全てに遅刻しなくなったわけではないが
少なくとも大事なことでは
きちんと前もって準備できるようになって
時間に間に合えるようになった

それだけでも私にとっては
大きな進歩だ…!

あぁ、普通に授業が受けられるって

謝罪の電話を入れずに
ちゃんと行事に参加できるって

何て素晴らしいことなんだろう…!!!

相変わらず
複数のタスクがのしかかると
頭がパニックになってしまう面があったものの

それからようやく
自分がどんな研究をして何の論文を書くかも決め
M2へと進んだ。

その為 夏には、コーチ業に専念したいこともあり
ラグビーの道を諦めて

いよいよ次は
本質的に最も向いている道へ進むべく奮闘した
人生を大きく変えた1年間について
お話します!!

#人生 #スポーツ #アスリート #生きづらさ #挑戦している君へ

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