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休業日記 10日目 〜"実るほど頭を垂れるモチキビかな"〜

波照間島の特産品といえば黒糖ですがそれにつぐものとして「もちきび」があります。もちきびは雑穀の一種ですが、種をまいてから収穫まで半年以内と短く、波照間では年明けごろに撒いて5〜6月ごろに収穫する農家が多いです。

ちょうど今は、植え付けの早い畑では穂が出てきて、もうそろそろ黄色く色づき始めそうな畑もあります。

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”実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな”ということわざは、「成長した稲穂はその重みで実(頭)の部分が垂れ下がってくることから、立派に成長した人間、つまり人格者ほど頭の低い謙虚な姿勢である」という事を意味するそう。

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ヘェ〜田んぼで稲を見ながらすごく哲学的なことを考えていた人がいるもんですねぇ。自分なんかは稲穂が垂れてたら即「美味しそう」と思っちゃいます。稲穂を見ながら頭の中ではふっくらツヤツヤ炊き上がったご飯を思い出しそうです。

島でおじぃやおばぁとゆんたく(おしゃべり)していると、方言やことわざが話に出てくることがあります。それがなかなか味があって、ほほぅとその言い得て妙な表現に感心することもよくあります。

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試しに904ページの大長編資料、「竹富町史 波照間島編」から波照間のことわざをひもといてみると。

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72のことわざが紹介されていました。これらは「島独自のことわざもあるが、多くは八重山全体に広く普及したもののようである」とのこと。せっかくなので穀物関係のことわざを探してみました。

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「粟粒の中から米粒が生まれる」…これは「トンビが鷹を生む」と同意なのか?と思いきや「人は努力次第で価値が決まるので、努力に勝る宝はないことを教えている」との解釈。さすがとても真面目で勤勉な波照間島の人だけあります。粟を畑に播きながら手伝いの子供にこのことわざを言い聞かせていたんだろなぁ。

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「稲の中の籾(もみ)」→米の中に籾が混じっているとすぐわかることから「悪いことは隠してもすぐ分かるから悪いことはできないよ〜」の意。小さい島ではこういった道徳感が守られることが島というコミュニティを守る上で必須だったはずですねぇ。

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「蒔く種こそ収穫できる」→「何事も始めることによって成果は得られるので、思い立ったら早めに実行すべきだ」あぁ、現代の私たちにも響いてくる人生アドバイスですねぇ。本当にこのコロナ禍で世界や社会がぐるりとひっくり返ってしまった今こそ、新しい種を蒔くべきときかもしれない。みなさん!種をまいてみましょう!

この竹富町史、なんせ904ページありますからなかなか全部読みきれませんが、読み始めると時間も忘れるほど面白い情報がたくさん書かれてあります。5.5センチ以上の分厚さの本なのに、値段は3000円!島好きにはおすすめですね!

それはそうとネットショップ商品ラインナップに波照間島産「もちきび」を加えました。ネットショップはこちら↓

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今年のもちきびは今からが収穫シーズンですので、売られているのは昨年よりも前のもちきびです。

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こちらのもちきびは、お客様からのご要望を受けてさっそく商品に加えてみました。そういう意味でポンと種を蒔いてくださったのはお客さんですね。他にも通販サイトに載せようと考えている商品はいくつかあるのですが、なかなか準備に時間がかかり亀の歩み牛の歩みとなっております。Tシャツも売って欲しいとのご要望を受けていますが、現在準備中ですのでもう少しお待ちくださいね〜

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本日もうちで働いているバイトさんや島民の方、観光客常連の方々のつながりから、通販ショップへのご注文をいただきました。皆さま、ご自身の状況もそれぞれに大変でしょうに、うちの店のことを心配していただきありがたき幸せ。明日もがんばる活力につながります。近日中に発送いたしますのでもう少々お待ちくださいませ〜。

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いただいたサポートは休業中はお店の存続のために、営業再開後は染織工房で新しい作品を生み出すために使用させていただきます!心あたたかいアナタにもいいことありますように!