# 12 インターネット的 by 糸井重里

先日、こんなウェビナーを受講した。

『アフターデジタル』『ITビジネス進化論』などの話題の書を出している尾原氏とLayerXの福島氏の組み合わせなら絶対に面白い話が聞けるにちがいないと申し込んだ。

ブロックチェーン自体に興味はなかった。正確には、興味が持てるほどブロックチェーンについて理解できていない。

金融系の技術のイメージだったが、ウェビナー内での議論によれば、インターネット内の資産に新たな価値を生み出す力のある技術だという話だった。

例えば資産の有限化。ある吉本のお笑い動画を100回しか再生できないとする。「あの伝説の動画を持ってるんですか!?」と、資産が有限であることによって価値が生まれる。今のインターネットでは無限にコピーできてしまう。ブロックチェーン技術では資産の有限化が可能になり、新たなビジネスが生まれる、という話だった。

他にも今後のビジネスや社会の形の展望の話が聞けた。今まで参加したセミナー/ウェビナーの中で一番わくわくした。やっぱり私は大局的な話が好きだ。


そんな中で予言の書として紹介されていたのが糸井重里氏の『インターネット的』だった。

「インターネット」は通信技術の発達によって情報のやりとりの形が変わった世界。「インターネット」はそうして実現した世界の性質。「インターネット的」であることの3つの鍵はリンク、シェア、フラット。


つまりこうするとよい

「インターネット的」な世界では、個人はこのように振る舞うのがよさそう。

未完成でもいいからとにかく世に出す。
そして他者と一緒に磨く。

自分はこんな人間です、こんなことをやりたいですと発信する。
正直は最大の戦略である。

消費のクリエイティブを磨く。
🙅 みんなの好きなもの
🙆 自分が良いと思うもの

自分のプライオリティを知る。
普遍的な価値体系はなくなる。小さな集団がそれぞれの価値観を持つようになる。


……という話が書かれたのが2001年。先見の明が半端じゃない。


立候補する

これからの時代は、大きさは別にして、あらゆる場面で立候補しないで生きていくことが、困難になるのではないでしょうか。どっちの道に行きたいのか、何がいやで何がしたいのか、何を美しいと感じ何をみにくいと思うのか、そういったことを自分なりに生きるための「軸」として持っていないと、他人とリンクしたり、他人の協力を得られたりができないでしょう。

インターネット的な社会では、それぞれの人や組織の「したいこと」「ありたい生き方」が互いに明らかにならざるを得ない。

万人にとっての正解は無くなった。自分にとっての正解を見つけなければ、生きていくことは困難になる。

これは発信する側だけではなく、受信する側でもそうだと思った。

SNS上で一見眩しい世界はいくらでも流れてくる。自分の中に軸がなければ翻弄され続け、疲弊することになる。

ああそうですか、素敵ですね。私もこんな楽しいことをしているんですよと言えるような生き方を選んでこそ、気持ちよく生きていける気がする。


「フラット」の行く先として、会社も人のように扱われる世界があると思った。実際、今はそうなっている。

以前『D2C』の感想文でも書いたが、個人に対するのと同じような目線を企業にも向けるようになりつつある。共感できるか、信頼できるか、惹かれるか。

思わぬところで話がつながって面白い。インターネットと人間についてもっと深堀りしていきたい。



件のウェビナーは本当に有意義だったので、紹介されていた本は全部読みたい。



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