良い占い、悪い占い、そんなの人の勝手

でもサービス業だから良い占いを提供するべき

ハローハローこんにちわ。

サービスを提供する以上は良いものを提供したい。
そう思う人は多いんじゃないでしょうか?

サービスを受ける以上は良いものを受けたい。
そう思う人は多いんじゃないでしょうか?

んじゃ「良い」占いってなんなんだよという話ですよ。

当たること?
気持ちに寄り添えること?
面白いこと?

今回はその辺りをもうちょっと言語化して掘り下げてみる感じでいきます。

というわけで、今回は自分を占うパターンは除外して考えていくよ!

まずは占いの構造と性質を見直そう

占いの良し悪しを語る前に、
その評価基準になりうるポイントはどこに潜んでいるのかを明確にしておく必要があるでしょう。

これまでの日記で占いの構造に関しては散々考察してきているので、
ざっと見返しながら、関係ありそうなものを見繕ってみました。

占いと人と社会との構造モデル:
[社会⇄質問者]⇄占い師⇄占い
占いの3つの効果:
【明確化】:状況を分析し、不安や葛藤の正体を明らかにする
【許可】:質問者の期待に応え、質問者を正当化し気持ちの後押しする
【助言】:第三者の視点から問題を解決するための方法を提示する

サービスは、提供者が享受者になんらかの効果を提供するものだと考えちゃって良いんじゃないかなと思ってます。

そうすると、上述の構造モデルと3つの効果から、
占いとは、占い師が質問者へ、明確化、許可、または助言の効果を提供するサービスである
と表現できるでしょう。

これなら、サービスの評価者と評価軸がわかりやすくなった感じがしますね。

というわけで、詳しく確認してみましょう。

良い占い(質問者の場合)

さて、サービスを評価する人間といえば、それを受ける人間ですよね。
というわけでまずは、お客さん・質問者の視点に立って考えてみましょう。

基本的に質問者は、求めている効果を得ることができれば、満足をするはずです。

であれば、質問者にとっての良い占いとは、

例えば、

【明確化】:当たる
【許可】:精神的な援助が得られる
【助言】:現実の問題が解決する

の3点が評価ポイントになるでしょう。

ここで気をつけないといけないのは、質問者は必ずしも3つの効果すべてを求めてはいないということ。
3つの効果のうちの1つ又は複数の効果を求めているということです。

例えば、ある質問者は、【助言】を求めて占いにやってきます。
そこで占い師は、質問者を取り巻く状況を細かに当て、大変ですねと気持ちに寄り添うことを目指したとします。

そうすると、

需要:【助言】
供給:【明確化】、【許可】

という構図が出来上がり、サービスの享受者である質問者の需要は満たされません。
そうすると、評価は悪くなりますよね。

あるいは、【明確化】と【助言】を求めてやってきた質問者に、【明確化】と【許可】を提供したとすれば、
質問者的には最低限の満足はしたけど、最高とはいえないかなーといった感じになっちゃいます。

つまり、質問者の需要はどの効果なのかを的確に見抜き、それをカバーする必要があるわけです。

お、んじゃあ3つの効果全部カバーしたるわい!

って雑な手法を取れば良いかといえば、そうとも限りません。
人間、一つの事象から摂取できる情報量というのは思った以上に限られているからです。

だからこそ、摂取する情報を取捨選択するバイアス機能がデフォルトで働くようになってるわけですね。

そうすると、占い師が3つの効果を全て提供したとしても、質問者は興味のある部分を重点的に拾い記憶に残すことになります。
結果として、占いの時間に対して、需要が満たされて満足している時間の割合が減ることになります。

そうすると、良いサービスなんだけど、話が長いなーってなったり、クドくなっちゃったり、話の焦点がブレて分かりにくくなっちゃうわけ。

そんなわけで、最高点を叩き出そうとするなら、
質問者は3つの効果のどれを求めているのか、その関心度の序列を看破して、そこに焦点を合わせて話をするのがベストかなと個人的には考えております。

つまり、要点を抑えて、興味のあるところを重点的に話して、興味がなさそうな部分はコンパクトにまとめようということですね。

そしてやはり、占いを通じて得たものが多ければ満足度は高まるわけですよ。
占い師の言葉がどれだけ心に響いたかっていう、情報量的な評価基準ですね。

この情報量の評価基準は、占いの効果がどれだけあったかってことになるでしょう。
ってことは、

【明確化】:当たる
【許可】:精神的な援助が得られる
【助言】:現実の問題が解決する

上でもちょっと言及した、この辺の効果量ですよね。

イメージとしては、需要の関心度はダメージ倍率で、受け取った情報量が被ダメージ量という感じでしょうか。
なので、高倍率になっているポイントを見極めて、適切な占断を叩きつけることが高ダメージをはじき出すためのポイントになってくるかなと。

需要の関心度を看破をするためにはしっかりしたヒアリングで質問事項の絞り込み、質問者の反応を注意深く観察することが、
質問者の受け取る情報量を増やすには、占断によって適切な効果を与えることが近道かなと思います。

良い占い(占い師の場合)

占い師の場合は、質問者が満足する占いができればOKってなわけで、
上述の通り、適切なバランスで3つの効果を叩き込めば勝ちなわけです。

シンプルですね。

しかしながら、実際にはもう少し複雑です。

まず、占いの効果が適切だったかを直接判断できるのは、質問者だけであり、
占い師は、質問者の反応からそれを間接的に判断するしかできないから。

そして、質問者は、実質的には占いの結果のみを享受する存在ですが、
占い師は、その結果を作り、質問者へと伝える必要があるからです。

したがって、占い師視点で判断できる評価ポイントは、

・占いから適切に情報を引き出すことができたか
・引き出した情報をどれだけ正確に伝えることができたか

という2点になってくるかと思います。

前者は、普通に占いをうまいことできたかってだけですね。
象徴から情報を引き出し、質問事項を絡めて連想し、結論をうまく組み立てられたか。

自分の習熟度に見合った占いができてれば、主観的には、まぁ良い占いができたと判断して良いんじゃないでしょうか。
習熟度が上がって、できるだけ緻密で明確なイメージを組み立てることができることができるようになれば、その評価点も上がっていくでしょう。

占いが当たっているか外れているか、質問者が満足するかはまた別の問題で、
それは占い師が判断できるものではないということは繰り返しておきます。

後者はコミュニケーション能力ですね。

占い師と質問者は、異なる人間です。
知識も、経験も、語彙力も、想像力も全部違うわけです。

なんなら、言葉一つ一つに関する概念やイメージの割り当てすら微妙に違います。

したがって、占い師の脳内にあるイメージを、できるだけ正確に伝えるには、
受け取り手である質問者のバックグラウンドなんかを想像して、共有の知識や経験は無いかを探り、
的確な比喩や喩えを駆使して、
相手の理解できる語彙を、誤解が起こらないように注意をしながら選ぶ必要があります。

文章にするとゴチャゴチャしていますが、
要するに、自分の気持ちいい言葉で語るのではなく、相手が理解できる言葉で語りましょうってことですね。

というわけで、占い師視点での良い占いとは、

・自分の納得のいくリーディングができたか
・相手にうまく伝わるか

この2点に集約できるでしょう。

あとは質問者がどう受け止めるかなので、
良い感想がもらえれば、質問者にとっても良い占いができたなと思っとけばいいんでは?

占う者と占われる者、そのおこぼれを狙う者

さて、こんな具合に分解してみましたが、
ちょっとした疑問を感じた人もいるかもしれません。

占い師の評価基準は、質問者の感想を無視しても良いんかい!?って。

まぁでも、落ち着いて考えててみてほしいのですが、
質問者側は、欲しい情報をどれだけ受け取れたかが主な評価基準になるのに対して、
占い師側は、占いの結果をうまく読み取り、質問者へとうまく伝える、情報伝達の精度が評価基準になっています。

そうすると、占い師的には良い占いをしていても、質問者的には受け入れがたい悪い占いになっていることもあり、
逆に、占い師的にはしどろもどろで悪い占いだったなと感じていても、質問者が行間を読み取りまくってめちゃくちゃ納得してしまえば良い占いになることもあり得ます。

怪しい魔術師の予言を聞き入れずに、ひどい目に遭うおとぎ話なんて、探せばゴロゴロ出てくるでしょう。
そんなもんですよ。

どうせ他人ですからね。
できれば助言を聞き入れて欲しいですけど、実際になんかするのは占い師じゃなくて質問者ですからね。

とはいえ、占い師的には「これがベストだ!」って解答を質問者に叩きつけるわけですから、
占い師側の「うまく伝える」という評価ポイントには、質問者に占断の正当性を認めさせるみたいな側面もあります。

そこまでできてようやく、占う側も占われる側の双方が「良い占い」だって納得してくれるわけですね。

それはそれとして、占いはサービスであるという話に立ち返ってみましょう。

僕はこのサービスを、
占いを提供することによって、質問者を満足させるサービス
であると解釈しているのですが、
質問者を満足させるための占いを提供するサービス
であると解釈する人も存在します。

前者の占いは、質問者の意図と無関係に行われる占いです。
後者の占いは、質問者の意図を汲んで行われる占いです。

先ほど書いたように、占い師が、自分の考える最適解を質問者に納得させ認めさせることで、双方が良い占いだと納得するってのが、前者の占いです。

後者の占いは、質問者が納得するだろう解答を占い師が予測して伝えることで、それを実現しようとしているわけです。

占いの3つの効果のうち、前者は【助言】に焦点を当てたやり方、後者は【許可】に焦点を当てたやり方と言えなくもありません。

とはいえ、占いの本質は占い師の哲学に基づく助言・予測であるってのが僕の当初からの主張です。
バイアスを外して解決手段を見つけ出すためのものだって、何度も繰り返し書いてきました。

であれば、前者は占いですが、後者は質問者のバイアスをそのまま利用しているので、実質的には占いではありません。
つまり、占いを利用した相談、カウンセリングでしょう。

でも、後者も占いをやってるじゃん!って思う方もいるかもしれませんが、
後者のそれは、質問者の納得する答えを見つけるために行われる占いです。

質問者の問題解決のために行われているわけではなく、
質問者にとって都合の良い答えを探すために、占い師が一人占いをして、
その結果を踏まえて相談に乗っているだけなんですね。

提供しているのは占いではなく相談・カウンセリングということになります。

相手の心に寄り添うだけなら、別に占いなんて使わなくても良く無い?ってのは個人的な感想ですが、質問者に対して真摯じゃなく無い?って問題提起くらいはしておきたいなーという感じ。

まぁ、相談、カウンセリングの代替手段として占いを受けにくる人がいるのも確かで、
そういう人に【助言】の鉄拳正論パンチ喰らわせるとメチャクチャ嫌われるんで注意が必要ですよね〜。
(需要の関心度を考慮しろバカ!!!)

占いに対する世間のイメージがぼんやり広がって、相談やらカウンセリングやら予言やらとの境界が曖昧になってるから仕方ないところですよね。

まぁ長々と書いてきましたが、占い師にも得手不得手があり、質問者の需要も千差万別であるということです。
また、占い師にとっての良い占いと、質問者にとっての良い占いとは、評価軸が異なっているんだということ。

この辺を意識してサービス提供することで、気付くこともあるんじゃないでしょうか?

それではまた!

アディオス・アミーゴ!!

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