カウンセラーが大切にしていること①
みなさんは、どんなカウンセラーに自分の悩みを相談したいですか?これから、私がカウンセラーとしてクライエントの方のお話を聞くときに大切にしていること、日々心掛けていることをまとめてみようと思います。良いカウンセラーさんとの出会いを求めている方、カウンセラーを志望されている方の参考となれば幸いです。
(1)クライエントの主体性を尊重する。
「今、暴力をふるう夫と離婚しようかどうか迷っているんですけど、どう思いますか?」
こういった質問は非常に多いです。こちらの考えを尋ねてきたり、「~した方がいいですよね?」と同意を求めるような言葉掛けをしてきたり。みなさんが日常会話の中で、友人から上記のような質問をされたら、どう答えますか?<暴力を振るう旦那さんとこれ以上一緒にいるのは良くないよ。>と答えますか?
友人と会話であれば、突然の相談にドキッとしながらも、大切な友人のことを思い、できるだけ早く離れたほうが良いよ、というような答えを口にする方は、少なくないのではないでしょうか。
カウンセラーは、こういった質問を受けた際に、どうするかというと、
「~さんは、どうしたいですか?」
「~さんは、暴力を振るわれている時は、どんな気持ちなのですか?」
「~さんは、暴力を振るわれている時に、どんなことを考えていますか?」
と聞き返します。
カウンセラーは、〝答えを求められた時に 答えを言わないようにする〟ということを意識します。答えを言ってしまうと、クライエントの主体性が損なわれるからです。
本当にクライエントにとって有益なカウンセリングとは、クライエントがしっかりと自分の置かれた状況と向き合い、自分の感情と向き合い、自分の力で決断することを助けるよう、作用します。
カウンセリングの中で、クライエントの主体的を尊重した会話をすることで、最初はカウンセラーに依存的な姿勢を見せていたクライエントも、徐々に、自分の力で自分の人生を切り拓いていく力を身に付けていきます。
(2)クライエントの個別性を尊重する。
では、答えを言わず、クライエントの主体性を尊重する会話を心掛けたら、その他には、どのようなことに気を付ければ、クライエントにとってさらに有益なカウンセリングが提供できるのか?
次に気を付けるべきことは、クライエントの個別性を尊重する、ということです。
カウンセリングをしていると、同じような相談を受けることは多いです。
「子どもが不登校になりました。」
「子どもに手をあげてしまいました。」
「自分自身がうつで、辛いです。」
例えば、同じ不登校の子どもに関する相談でも、その状況は全く異なります。この世に、同じ人間などいないのですから、言葉としては同じでも、全く意味が異なるのは当然のことですよね。
ですから、カウンセラーは、<不登校って、~だよね。><子どもに手をあげる親って、~だよね。><うつの人って、~だよね。>といった固定概念を持っていないか、持っていたとしてもいいのですが、それをカウンセリングの場に持ち込んでいないか、よく自問自答する必要があります。
固定概念は、クライエントの状況を的確に把握することを阻みます。逆に、クライエントの個別性を尊重してクライエントの向き合うことができれば、それはクライエントの状況をより的確に把握することを助けるのです。
カウンセラーとして、多くの知識を持っていることはもちろん大切です。しかし、その知識をしっかりとクライエントの状態の改善に活かすためには、カウンセラーとしての基本的な姿勢、クライエントとの適切な向き合い方を身に付ける必要があります。
そのカウンセラーとしての基本的な姿勢、クライエントとの適切な向き合い方というのが、主体性を尊重する、個別性を尊重する、ということだと思うのです。
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