空を見る楽しみ

広島に来て早いもので半年が経とうとしています。
寒さが厳しくて福岡の暖かさが恋しくなりますが、最近、とてもいいものを手に入れたことに気が付きました。

「自由になる時間」

息子と二人暮らしなんだし、在宅の仕事だし、当然でしょうよと思う方もいれば、そんな時間ないのが当たり前、甘えだという方もいるでしょうか。

でも、最近私が手に入れたと気づいたのはそんな概念の時間じゃないんです。

徹夜で作業をして、早朝……4時頃にごみを捨てに行くことがあります。ごみステーションからさらに先に歩くとコンビニがあるんですが、その途中、街灯が途切れる場所があるのです。
見上げて、久しぶりにオリオン座を見ました。
あれは北斗七星だっけ……？　あれはカシオペア座……？
子供の頃に仕入れた知識を総動員しながら星座を夢中で見ていました。
氷点下の冬空の下。
寒さは澄んだ空気の中で心地よいものに変わっていました。
首が疲れたらコンビニに行って温かいカフェラテを買うのです。それを両手で包むように持ちながら、帰りも空を見上げます。
プラネタリウムに行くほど好きな星空。
なのに、ちゃんと見上げたのは本当に久しぶりでした。
せっかく、星空がきれいな街に来たのに。

朝の四時に外出を許されたことがありませんでした。
それは結婚していた時もそうで、たまにパート先の飲み会に参加したときに夜空を見上げた程度でしょうか。
でも、明かりが多い町では星はたいして見えませんでした。

早朝四時にごみを捨て、コンビニに行って星空を見る。
新聞配達をするお向かいさんと時に鉢合わせして少しおしゃべりをする。
時間にすれば、わずか10分～15分程度。
けれど、心底自由だと感じる時間です。

そして、最近少し長い運転をするときに感じることがあります。
もう、何十回となく通った道のはずなのに初めて見る顔がある。
あれ、ここはこんな景色だったっけ？　と道に迷ったわけでもないのに考えることがよくあります。
知り尽くした……と言えるほど走ってはいない道ですが、季節が変わるごとに、天気が変わるたびに、違う顔を見せてくれる……そう感じる余裕があるのだなと思うのです。

ああ、自由だな、と。

広島県広島市の北部、白木町という場所に住んでいます。
星空と雲海がとてもきれいな街です。
風がない穏やかな晴れの日にはパラグライダーやハンググライダーが飛んでいることもあります。
広島にお越しの際は、ぜひ立ち寄ってみてください。

あ、もうじき「雑貨処　かばいの屋」もオープンの予定です。