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なごり雪と風物詩

雪が降っている。
3月末、季節はもう春。
さくらだってほぼ満開のこの時期の雪だ。

春になって降る雪は、なごり雪とも言われる。
なごり雪といえばイルカという、
日本人にしかわからん意味不明な関係性もある。
海のものか山ものかなんなのか。
なごり雪は、
春になっても残る雪・春になってふる雪として、
昔から使われていた言葉だという。

思うのだが、
私の住んでいる地域は今日の雪が初雪である。
これはなごり雪と呼べるのだろうか。

冬の間雪が降りまくっていることが前提で、
暖かくなり春を感じるようになったタイミングでふと降ってくる雪。
冬の終わりを告げるかのようなそれは、
名残惜しささえ感じる。

これが日本人らしい、風情ある言葉だと感じる。
しかし今年に至っては、春の雪である。
このままでは雪は春にちょろっと降るものということで、
風情の代表格である季語も変更せねばならぬだろう。

常識を疑わなければならぬと普段から思いながら、
変わらないで欲しいと思う常識もあるのである。

三島由紀夫生涯最後の長編大作『豊饒の海』は4巻に分かれるが、
その第一巻が「春の雪」である。
皇族の婚約者を妊娠させてしまう禁断の恋を書いた物語だ。
ワンダフル!
こんな日は家でゆっくりと皇族の既婚者を妊娠させたいものである。
ちなみにミスターセンクスは三島由紀夫の作品を1文字も読んだことがない。

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