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知られざる猫ニャース

ある女性社員から質問された。
私もセンクス氏のように勉強したいんです。オススメの資格ありますか?

「それはね、中小企業診断士だよ」と言いそうになったが、それはいけない。
みだりに被害者を増やすようなことをしてはいけないのだ。

とはいえ、若手社員が勉強したいと言ってくれたことはとても嬉しかった。
仕事をしていれば不自由なく暮らせる中で、勉強したいという人間は貴重だ。
彼女にはまず、学ぶ楽しさを感じて欲しいと思った。

そこで考え抜いた結果、彼女に興味がある分野の検定をオススメしようと思った。
その名も「ねこ検定」である。

なんかちょっと学術的なものとはかけ離れているし、
取ったところでなんの役にも立たないであろうことはわかったが、
実際に彼女は猫を飼っているので、より理解が深まれば楽しいのかなと思った。

私の中には、診断士と比べたらこんな検定なんぞ楽勝だなと、
少し小馬鹿にした気持ちが渦巻いていたが、
そのおごりはすぐに砂利のように打ち砕かれた。
以下は練習問題の一部である。

猫の感染症でワクチンがないものはどれ?
①猫伝染性腹膜炎
②猫免疫不全ウイルス感染症
③猫汎白血球減少症
④猫ウイルス性鼻気管炎

ふぁい?
わざわざ平仮名で「ねこ検定」とゆるーい感じを演出した責任者を
殴ってやりたくなった。
どれ?なんて軽ーい感じで問題を出してくるレベルの問題ではない。
獣医国家試験を受けているかのような感覚の問題である。

260万枚の大ヒット、皆川おさむの『黒ネコのタンゴ』が発売されたのは何年?
①1966年
②1967年
③1968年
④1969年

猫と関係あるけど関係ない。
先ほどの問題とのギャップがものすごい。
でも一番言いたいことは、選択肢を1年刻みにした出題者出てこい。
10年刻みなら予想して答えることができるが、
1年刻みは完璧に記憶していないと答えられるわけがない。
これは奇問としか言いようがない。

それもそのはずで、この検定の上級の合格率は25%にしか満たない。
問題の7割は公式テキストから出題されるにも関わらずだ。
相当な難問・奇問が繰り広げられるに違いない。

しかしなんだろう、この知的好奇心をくすぐる感じは。
身近なネコのことだからこそ、深く知ってみたいと思ったりするのである。

オススメはしたが、彼女がこの試験を受けるかどうかはわからない。
でも挑戦し合格した暁には、彼女を猫神様と崇拝したいと思っている。

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