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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】メディアリテラシーが教育に関わる大人にも必要な理由

12/21、報道各社から一斉にニュースが出ましたね。
学習指導要領の改訂について。
主要各社のニュースのヘッドラインは、以下のようなものでした。
 (いずれもWEBニュース)

「小学5・6年で英語が正式科目に 中教審が答申」
  (NHK NEWS WEB 2016/12/21)
「小5・6年英語、正式教科に 中教審が新指導要領を答申」
  (朝日新聞 2016/12/21)
「小学英語、18年度から先行実施…次期指導要領」
  (読売新聞 2016/12/21)


ホットなトピックは、小学校で英語が正式科目になることのようです。

ですが、学校教育に何らか関わり貢献したいと思うみなさんには
このヘッドラインを鵜呑みにしていただきたくないなぁと思っています。

教育分野に限ったことではありませんが、
メディアには必ず発信者がいます。
そのため、書き手の「立ち位置」と「理解度」で
内容は大きく変わります。

とくにマスメディアは「わかりやすくニュースになる部分」を
トピック的に取り上げる性質のものですので、
必ずしも報道されている情報のすべてが事実ではありません。
記者が充分に理解していなければ、誤った内容にもなりますし、
偏ったものになってしまう可能性だってあります。

一方、教育専門紙のヘッドラインは以下のようなものでした。

「次期学習指導要領で答申 中教審総会で文科相に手交」
 (教育新聞 2016/12/21)

記事の中で同じく小学校英語にも触れられていますが、
「社会に開かれた教育課程」の実現を目指すこと、
3つの資質・能力の育成が求められたこと、などの
改訂の根幹に触れられている点も、他社と違う点。

12/21に起きた事象は、

「中央教育審議会の総会において、答申が文部科学大臣に提出された」

ということです。 
 (この場面は報道機関にも公開されるもののようです)

この「答申が大臣に提出された」という節目のイベントを受け、
審議内容に関する「派手なトピック」を取り上げた、というのが、
今回の主要各社の報道の背景で起こっていたことです。

学校教育に関わろうとする方には、
こうしたトピックに踊らされてしまうのではなく、
なるべく、原典にあたって欲しいと思っています。

今回の場合、現時点での最新情報は、
文部科学省のWEBサイトにて公開された、
中央教育審議会での配布資料です。

報道機関とのタイムラグはどうしても出てしまうのですが、
国の施策に関する資料は基本的に全て公開されます。
今回も、12/26に総会での配布資料のすべてが掲載されます。 

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/1380836.htm

本当に膨大な資料ではありますが、逆から見れば、
報道機関がこれらを理解して「要約」してくれているわけではない、
ということでもあるのです。

報道機関は決して悪ではありませんが、
その性質を理解し、必要な情報を正しく得るという、
大人にとってのメディアリテラシーも必要なのではないでしょうか。
というわけで、私も年末年始は答申案を読んでみたいと思います。

みなさま、よいお年を。


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松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factoryを設立。
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