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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】保護者も企業人も学習指導要領を知ろう

新学習指導要領の実施に向け、
文部科学省の新学習指導要領ページがリニューアルされました。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm

「生きる力 学びの、その先へ」ということで
6pの解説リーフレットが作成され、メッセージ動画も公開予定とか。

文部科学省のサイトの中の1ページではありますが、
他のページとのトーンが全く違っており、
第一印象として、わかりやすそうな、敷居の低さも感じます。

そうした工夫をした背景として考えられるのは、
リニューアルページのターゲットを
「保護者」にしたことにあるのではないかと思います。

今回の学習指導要領改訂の背景にあるのは、
第四次産業革命とも言われる社会・産業構造の変化。
AIによって奪われる仕事がある、とか、
これまでなかった仕事が生まれてくる、とか、
ちょっとした脅し文句のような話も聞こえてきますが、
こうした将来を想定したときに求められるのは、
自ら課題を見出し、自ら考え、行動し解決していく力。
ひとりひとりが自分の人生を切り拓く力も必要です。

ゆえに、学習指導要領で小中高の学校の学びを改革するのと同時に、
大学入試も、知識に偏ることなく、
思考力・判断力を問うものへと改革が進んできているのです。

私も「保護者世代」なのですが、
私が過ごしてきた子ども時代、
私が知っている学校の姿は、
おもしろいくらいステレオタイプな
「偏差値至上主義」でもありました。
数値で測れる学力は「やればそれなりの結果が出る」
というわかりやすい側面もありましたから、
努力の方向に迷うことがなかったとも言えます。
当時はそれが必要な時代背景だったのでしょうし、
知識量も必要ですから全てを否定はしませんが、
別の側面から見たら、思考停止とも言えるのかもしれません。

でも、いま、子どもたちの置かれている環境は、全く違う。

保護者となる大人たちがこうした社会の変化を知らなければ
自分の経験してきた価値観から出ることができない。
経験してきた大学受験の価値観で考えていても、
子どもたちは決して幸せになれないのです。

ゆえに、今回の学習指導要領改訂は、
その背景・主旨を、私たち大人も知る必要がある。
文部科学省のサイトリニューアルは、
そこへの第一歩なのではないでしょうか。

今回の学習指導要領改訂のキーワードのひとつに、
「社会に開かれた教育課程」があります。
保護者も企業人も、みんなで共有する学習指導要領に。
私たちキャリア教育コーディネーターも、
そうした学びの実現の役に立てればと考えています。


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。
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