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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】レポート「マイプロジェクトアワード長野県サミット」

今回はレポートになります。

「松倉さんて長野県出身ですよねー」

とお声かけいただいたところから、
マイプロジェクトアワード長野県サミットの予選サポーター
(審査員的なアドバイザー)として参加してきました。
 *正式名称は長野県高校生「私のプロジェクト」発表大会
  https://myprojects.jp/summit/nagano/
    (主催は長野県教育委員会)

「マイプロジェクト」とは
「身の回りの課題や関心をテーマにプロジェクトを立ち上げ、
 実行することを通して学ぶ、実践型探究学習プログラム」
 (https://myprojects.jp)とされており、
この学びの発表会が「マイプロジェクトアワード」です。
3月の全国サミットに向け、
各地域で「地域サミット」が行われています。
長野県では県教育委員会が主催となって開催されていました。

高校生たちは前日から合宿形式で
プレゼンテーションをブラッシュアップしてきており、
どの発表も彼らの等身大の姿と熱を感じるものばかりでした。

実は昨年、東京大会に参加させてもらっていたのですが、
今回の長野は、東京の雰囲気ともちょっと違い、
「長野県の高校の探究学習はどんなことが行われているのか」
が垣間見える発表でもありました。

やや乱暴な分類ではありますが、
おおまかに以下の3タイプの発表があるように思いました。


●自らの興味に基づいてプロジェクト活動を行っているもの
 特に高校魅力化プロジェクトを行っている学校かな、
 という印象でしたが、
 特徴としては、実際に地域に出て活動していたりと、
 学習というよりは、実践をメインとするもの。
 部活動(長野県では「班活」)での取り組みもありました。
 実践を伴うことによる学び・成長の可能性を
 とても感じるものでした。


●個人単位の探究・研究活動
 教育課程内(授業)で行われている学習がベースに
 なっているのかなという活動。
 主に個人の興味・関心に基づいて調べたり
 実際に地域で活動したり、というものです。
 今後の「総合的な探究の時間」は
 おそらくこういう方向なのだろうなと思うのですが、
 いかに調べ学習に終わらせないかが課題かもしれないと感じました。
 一方で、好きなことをとことん極めることによる
 キャリア開発の可能性も、たくさんありそう。


●専門高校を中心とした「課題研究」
 私は聞いた発表は、いずれも工業高校だったのですが、
 実際にロボットなどを企画して製作する学習についての
 発表もいくつかありました。
 おそらく、これまでも
 当たり前に行われてきたものだと思いますが、
 実際に物を作る過程での試行錯誤や発想など、
 専門高校の強みやおもしろさが伝わる発表でした。
 高校生自身の学びの幅も本当に大きかった。


本来のマイプロジェクトの評価基準から見ると
評価しづらいなーと感じる部分もありました。
ですが、おそらくこれは、
「県教委主催」という形で開催したことで多様性が広がり、
目指す人材像が決してひとつでなくてもいい、
ということが見えた、良い面なのではないかとも感じました。

また、地元出身者としては、
「長野県の高校ってこういう雰囲気だったなー」という
変わらない伝統やバックグラウンドを感じるところもありました。
学校のタイプにもよるかもしれませんが、
「自主・自律」の風土は共通してあるように感じました。
あと、特に班活の中での地域との関わりは、
どの地域でも昔からわりとあるんだな、とも。

こういう部分は、長野県の良さや強さなんじゃないかと、
客観的に確認できる場でもありました。

あらためまして、誘ってくれた武口くん、ありがとう。
(運営事務局、おつかれさまでした!)

松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。
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