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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】なぜいま「探究」なのかを、あらためて。

高校の新学習指導要領では、
「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」になります。
新しい学習指導要領での実施は少し先ですが、
今年度からすでに「総合的な探究の時間」と名称変更し
取り組みを始めている高校も多くあります。

そこで、今回は、なぜ「探究」なのか、を
あらためて考えてみたいと思います。

背景にあるもの・・・
これからの社会には、
新しいアイデアで課題を解決する力が必要、
と言われています。

新しい商品・サービスがどのように生まれきたのか、
イノベーションが起きた背景を考えてみると、
「もっとこうなったらいいな」や、
誰かの困りごと=課題がきっかけになっています。

携帯電話がどんどん小さくなったのも、
 (逆にいまのスマホは大きくなる傾向ですが)
持ち歩きに不便だからもっと軽くならないかなー、
というニーズがきっかけになっています。
携帯電話を小さくするにはひとつひとつの部品を
小さくする必要がある。
そのためにいろいろな技術開発がされてきました。
 (それはいまも進化し続けていますね)
いまのスマホには、あんな小さな中に、
電話だけでなく、カメラ機能、電話帳機能もあるし、
アプリがあれば地図も計算機も辞書も時刻表も、
録音も計測もテレビや楽器の機能も、
ほんとうに全部がひとつにまとまっています。
あったら便利だなー、こうだったらいいなー、が、
新しいアイデアや技術につながっているのです。

こうしたアイデアや技術を開発するためには、
いろいろな研究の積み重ねがあり、
研究を行うためには専門知識も必要。
それらの基礎知識は中学や高校の学びにあります。

高校で「探究」と言われているのは、
実社会で起きているイノベーションと同じことを
学校の中で実践していくことなのかなと思います。
なによりも「もっとこうなったらいいな」という
人間の感情やニーズに寄り添うことは、
AIやロボットではなく、人間にしかできない部分。

なんのために学ぶのか、
社会や世界とつなげながら知識を習得し、
人だからできる能力を高めていくことが、
「探究」の目的なのではないでしょうか。


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。
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