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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】キャリア教育コーディネーターは「御用聞き」なのか?

キャリア教育コーディネーターって何してるんですか?
という問いに、わかりやすいところで説明をすると、
学校に企業や社会人を連れて行って授業を、となるんです。
もちろんゲスト講師を紹介するのも仕事。
でも、ゲスト講師を紹介して終わり、じゃないんですという話。

いま進行中のキャリア教育コーディネーター養成講座でも
研修生のみなさんが四苦八苦しながら
ゲスト講師との打ち合わせを経て授業づくりをしています。
 (https://ax-factory.com)

よっぽど話が上手で慣れているゲスト講師なら
学校にご紹介するだけ、なんてこともあるかもだけど
そんなのはけっこうなレアケース。
いわゆる「講演依頼」に限られると思います。

子どもたちに会わせたいと思う職業の人・社会人が、
必ずしも講演慣れしているとは限らないし、
子ども向け、かつ、授業のねらいに合った
コンテンツを持っているとは限らない。
だから、授業のねらいに合わせ、
子どもたちの年齢に合わせた内容にしていくのが、
キャリア教育コーディネーターの役割になります。
これが「授業づくり」です。
(そこで使う教材を作ることもあります)

「授業づくり」で大事なのは、
もちろん授業の「ねらい」ではあるのですが、
これ、学校のねらいを「伝えればいい」
なんて簡単なことでもなかったりします。

意外と思われるかもしれませんが、
キャリア教育コーディネーター自身の「意志」が、
授業づくりの中でけっこう大事だったりします。

まずは、授業のねらいを設定するシーン。
先生の想いを聞き出して、言語化するところが最初の一歩。
でも、先生の想いだけじゃなくて、
自分自身が感じる「こうなったらいいな」もぶつけて
先生と「一緒に」、想いをつくっていく。

次にゲスト講師の選定や授業づくりでは、
キャリア教育コーディネーター自身が
お仕事やその人そのものにどんな魅力を感じたのか、
自分自身の感覚がかなり大事。
大人が「すごい!おもしろい!」って思ってなかったら
子どもには伝わらないってことですから。
感じた魅力が授業のねらいにどう繋げるのか、
そして、その魅力をどう伝えていくのか・・・
ここには知識や技術も必要になります。

自分の中にある「こうなったらいいな」と、
ゲスト講師の魅力を感じて動いた心と、
自分の中にあるその両方が
キャリア教育の授業をつくるという
「プロジェクト」を推進する「軸」になるのです。

キャリア教育コーディネーターに意志がなければ、
学校の言うこと、企業などのゲスト講師の言うこと
両方にふりまわされるだけになります。

「協働」って、
関わる両者に「意志」があって成り立つこと。

先生×キャリア教育コーディネーター、
ゲスト講師×キャリア教育コーディネーター、
そして、先生×ゲスト講師、
と、いろんな「かけ算」があるから
心が動く授業ができるんじゃないかなと思っています。
そういうかけ算のシーンをどれくらいつくれるのか、
そこがキャリア教育コーディネーターの腕の見せどころ!


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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